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15年 × Suno

10年ひと昔といいますが、20年経つとどうなるんでしょう。
ちょうどその真ん中にいる気持ちを歌ってみました。

<歌詞>
『15年』

かすれていく
削れていく
薄らいでいく

少し高い声も
まつげに覆われた
茶色い瞳も
天然パーマの
黒髪も

欠けていく
砕けていく
溶け去っていく

身長の割に
広い肩も
厚みのある
手のひらも
扁平足な
足の裏も

時間のレイヤーが
君を幻に変えていく
「過去」という
名前のついた
フォルダに
君が
片付けられていく

もうすぐ15年
目の前から
君がいなくなって
ずいぶん泣いた

でも
永遠に泣くことも
人間はできないみたいだ

あの日から4ヶ月
日本では
大勢が波にのまれ
君と同じところに
旅立った

私は小さな子供を抱え
生きると決めた
後は追わない
子供達は私との人生を
望んでいる

生活は大変
お金を稼ぎ
子供たちを見守り
毎日は秒刻み

君をゆっくり
思い出さないまま
時は駆け足で
過ぎ去っていった

変わっていく景色
成長する子供たち

季節は巡り
年月が積み重なる

気がつけば
上の子は成人
下の子は高校生
私は年を
とりました

視野が徐々に
狭まり
耳がしだいに
遠くなり
君の面影が
薄くなり

でもね
満開の桜や
頭に降り落ちる
イチョウの葉
と共に

君は突然
現れる

くしゃっと笑う
照れた顔
鼻をこしこしっと
こすりながら

15年という月日は
君とさよならするのに
十分なのかもしれない

それでも
忘れられない
忘れたくない
君の全て
私の生きる意味

桜舞い散る
橋の上
初めて
手をつないだ
あの日を

葉を落とす
イチョウ並木
バイクの後ろに
またがった
あの朝を

息子が生まれた
じっとりと暑い
夏の日を

雪が降る
娘の初めての
誕生日を

私は生きる
生き続ける

淡くなり
消えていく
君の面影を
心に抱いて

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