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モンキーズのデイビー・ジョーンズの死因
モンキーズのことを調べていて、デイビー・ジョーンズの死をめぐる番組をYouTubeで見た。
有名人の死因を検死報告書などから検証する番組で、以前「ファラ・フォーセット」の回をnoteで取り上げたことがある。
ポップスターの早すぎる死の隠れた真相(The Hidden Clues Behind A Pop Phenomenon's Early Death: The Monkees' Davy Jones)(英語)
デイビー・ジョーンズはあの「デイドリーム・ビリーヴァー」を歌った人。モンキーズのフロントマンで、日本でも一番人気があった。
私がこの番組に見入ってしまったのは、モンキーズとか関係なく、彼の体のコンディションが私によく似ていたからだ。
60代で、小柄(160センチ)で、ちょっとメタボで、でも健康診断ではとくに問題は発見されていなかった。なんなら、貧しい家庭の出身だったことも似ている。
直前まで、再結成モンキーズのコンサートや、ソロコンサートを元気にこなしていた。突然の死は人々を驚かせた。モンキーズのメンバーで最も早く亡くなった人だ。
2012年2月29日、フロリダの自宅で倒れているのが発見され、病院で死亡が確認された。66歳。検死報告書によれば死因は「心室細動ventricular fibrillation」。心臓が突然止まった。いわゆる心臓発作である。
ロックスターらしくなく、ドラッグも酒もやらず、適度な運動もしていた。
番組では、ベテランの検視官という人が、彼の身体や生活の記録を調べ、いくつか問題点を指摘する。
2009年に3度目の妻となる若い女性と結婚していた。それでちょっと頑張りすぎた面があったかもしれない。
いわゆるドラッグは体内から検出されなかったが、マリファナは吸っていた。彼は、テレビ出演中にも「キマっている」感じの時があった。上機嫌を持続させるため、マリファナを常用していたのではないか。マリファナは鼓動を早め、心臓に負担をかける。
身長の割には体重があり、アテローム性動脈硬化が進んでいた跡があるという。
そして、検死解剖で、左の心室に微細な壊死が発見された。
要するに彼の心臓はゆっくりと死にかけていた。しかし彼には全くその自覚がなかった。
死の直前のコンサート映像を見ると、100パーセントのエンターテイナーぶりで、コンサート後のファンサービスまで全力投球だった。
モンキーズ時代、それ以前のブロードウェイの子役スター時代から、サービス精神旺盛で、仕事に手が抜けない人だった。しかし、66歳ではもう無理だった。
最近は、ポール・マッカートニーにしろ、ミック・ジャガーにしろ、80歳で元気にコンサートをこなすロックスターもいる。
彼らが人一倍健康管理に気を遣っているのは有名だ。
だが、現役を続ける限り、もういつ死んでも仕方ない、とは思っていると思う。
デイビー・ジョーンズも、もっと生きたかっただろうが、その覚悟はあったと思う。
西田敏行さんなんかも同じだったろう、などと思う。
60代半ばになると、そういう気持ちがわかってくる。
彼らはスターであり、平凡な退職老人の私とは全然ちがう境涯だ。
でも、現役だろうとなかろうと、スターであろうとなかろうと、老人になれば同じ、みんなどうせもうすぐ死ぬんだ、という気持ちもある。
「そんな無理をして現役を続けなくても」と普段は思う私だが、彼らの生き方に畏敬の念を覚え、最後まで現役でいられたデイビー・ジョーズが羨ましいと、今さらながら思った。
<蛇足>
デイビー・ジョーンズがモンキーズ以前のソロアルバムに吹き込んだ「エニイ・オールド・アイアン Any Old Iron」。街の廃品業者の掛け声を歌詞にしたイギリスの有名歌。最近気に入っている↓
Davy Jones "Any Old Iron" RARE STEREO MIX!!
やっぱりこれも貼っておこう↓
The Monkees - Daydream Believer (Official Music Video)
<参考>