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【Netflix】「オーレ殺人事件」欠点がある女警官がよい!傑作北欧サスペンス
【概要】
オーレ殺人事件(2025)
The Åre Murders
5エピソード
16+
サスペンス
内部調査の対象となったストックホルム警察の警官は、気晴らしにスキーリゾートの町を訪れる。そこでティーンの少女が行方不明になり、彼女も捜査に協力することになる。
出演: カーラ・セーエン、カルド・ラザーディ、シャーリー・グスタフソン
(Netflix公式サイトより)
予告編
【評価】
2月6日に世界公開されたスウェーデン製のNetflixオリジナルドラマ。
約40分×5回。
2月3日に発生した、ヤオコー見切り品大量食いお腹壊し事件(ヤオコーが悪いわけではない)で、私は寝込んでいましたが、近所のコンビニに置いてある液キャベを飲み尽くしたおかげで、だいぶ回復して食欲も出てきました。
それで、この北欧の新作ドラマを見る元気が出た。
こんな寒いときに、こんな極寒の風景だけのドラマを見るのもいい。
100点満点で86点。かなりいいドラマ。お勧めっス。
地味だけど、じわじわいい。いいところを説明します。
全5回(エピソード)だけど、不思議な構成で、最初の3回で一つの事件(「雪に潜む真実」)、最後の2回でもう一つの事件(「闇に潜む真実」)。
つまり、実質、二つの話、二つの殺人事件が描かれています。
サスペンスとしては、最後の2回(闇に潜む真実)のほうが優れている。
とくに第4回に出てくるのは、ホンマもんのサイコ。ホラーです。怖いです。
でも、最初の「雪に潜む真実」も重要で、5回見終わって、意味がわかってくるところがある。
ストーリーそのもの、ミステリー的な面白さは、大したことない、というか、特にひねっているわけではない。
人身売買、移民問題、小児性愛、同性愛など、今どきの題材を使っているけど、それをそれほど深めるわけではない。
それがまあ欠点で、ストーリーにはご都合主義があるし、犯罪も犯人も、そんなびっくりする要素は少ない(でも、繰り返すけど、第4回に出てくるやつはヤバい)。
でも、何か問題を起こして、ストックホルム警察から、田舎のリゾート地「オーレ」に来ている、このハンナ(カーラ・セーエン)という女警官が魅力的なんですね。
最初は、ただの美人さんの女警官かと思うんですが。
だんだん、その人間性が分かってくる。
妙に鋭いところと、鈍感なところがあって、アスペとかいうわけではないけど、性格に欠陥がある。
その欠陥が、ストックホルムで問題を起こし、この田舎町での捜査でも問題を起こす、というのを描くのが「雪に潜む真実」ですね。
そのハンナを、最初はいぶかりながら、仕事を通じて理解してサポートするのが、同僚の男警官ダニエル(カルド・ラザーディ)。
この二人のケミストリーがいい。
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そして、「闇に潜む真実」では、今度はダニエルのほうの人間的欠陥があらわれて、それをハンナがかばう、という展開に。
つまり、お互いの欠陥をかばいながら、事件を捜査していく。その過程に、共感を覚えるんですね。
そして、このドラマは、こういうことを描きたいんだ、と見えてくるわけです。
少し前にレビューした「ブレイクスルー」もそうだったけど、最近のスウェーデンのドラマって、「ケア」みたいな思想に敏感なんでしょうね。思いやりというか。
「ブレイクスルー」の場合は、それがちょっとうるさかったけど、このドラマは、ちょうどいい感じで、気持ちよく見られました。
感情的な回収がうまい。
生真面目だけど生き方が不器用な二人。この二人の警官の活躍とケミストリーをもっと見たいから、シーズン2が作られてほしい。
でも、このドラマは、女警官が一時的にオーレに滞在している、という前提で成り立っているところがある。
もしハンナがオーレに定着すると、ダニエルとの関係が色恋沙汰になりそうで、それはそれでイヤですね。
二人のいい関係が持続する設定を考えて、シーズン2が作られてほしいです。
<参考>スウェーデン関連のドラマ・映画・動画記事