「高市新党」と「玉木新党」 「保守2大政党」の構築は可能か
日本における政権交代の実現を実践面で推し進めてきた小沢一郎、理論面で推し進めてきた井上達夫(東京大学名誉教授)。
どちらも今度の選挙で苦汁を舐めた形だ。
選挙結果を見て、「自公政権打倒の自己目的化」「政権交代の自己目的化」を選挙民が嫌った、という分析があったが、正しいと思う。
小沢一郎も、井上達夫も、野党第一党が共産党と組む共闘を積極的に望みはしないだろうが、政権交代という大目的のためには止むなし、と考えなかったか。
少なくとも、自民党にもう少し「お灸」をすえられないと、その共闘の最小限の意味もなかっただろう。
一方で、「黒幕政治」「長老支配」を嫌う選挙民の意思が、あちこちの選挙区で示された。
「世代交代」を望む声に従って、小沢は引退を選ぶか、あるいは、戦略を根本から考え直すしかない。
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小沢も井上も、もともとリベラリストであり、左翼臭のない、政権交代可能な野党を望んでいたはずだ。
現状から、そういう野党をどう作るのか、具体的な筋道を示せるかどうかが両者の課題だろう。
私自身は、ざっくり言えば、自民党のタカ派とハト派が分かれて2大政党化するのがよい。
「高市新党」と「玉木新党」、みたいに再編されれば一番いい。
将棋やチェスでいえば、何手か先にそうなるような手筋を、誰か示せる人はいないか。