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相米慎二監督13作の「引用」(主に劇中歌謡曲)などまとめ


■まえがき

相米慎二が監督した長編映画は全13作。
所謂アイドル映画という企画なのに、役者虐め的な演出。
また妙にアングラな要素を盛り込む。
企画や映画文法からはみ出すところが面白い映画作家だ。

見るうちに気づいたのだが、やけに登場人物が歌を口ずさむ。
また全然必要なさそうな挿入曲が結構な頻度で差し挟まれて、その劇中における意味がわかりづらい。
さらにいえば、劇中で昔の映画をプロジェクタで投影していたりして、妙な感じがする。
ともかくも「引用する」ということに意識的な監督だと思った。

似た感想を持つ人は多いもので、twitterには挿入歌や主題歌への言及が多い。
またSpotifyに、相米慎二監督作の使用楽曲をまとめている人が2名いる。
それらを参照しつつ自分の備忘録としてまとめてみようと思った。

ところで相米慎二、原作ものが多い。
これもまた企画自体が引用で成り立っていると言える。無理すれば。
どんなふうに脚色するかが監督の個性で、原作者と監督が幸せな関係になるかどうかは個々の作品による。

思うに、だいたいの映画はむしろ「口ずさまなさすぎる」。
普通の人が普通に生活するとき、歌は何となくそばにあって、人はなんとなく口ずさむ。
引用という意識もなく引用する。
人体や意識そのものが引用の織物であって、100%オリジナルな人間なんていない。
たとえば昨日、テレビだかラジオだかで聞いて、歌詞などどうでもよくメロディが頭に巣食った歌を、何の意味もなく口ずさむことのほうが多い。
発散、忘却、確認、定着、愛好、嫌悪、が入り混じっている。
歌謡曲ってそんな磁場なのではないか。
メディアを当たり前にするテクノロジーが生活の中で当然になった、20世紀後半、人の意識は変容したのではないか。
ちなみに、活躍期間はきっちり80年代と90年代なので、当時の作り手や観客の間で、どういう音楽が行き来していたのか、思いを巡らせる材料にもしてみたい。

■方針

「・」→映画自体のメモ
「●」→人の声で歌われたもの。
 【劇中曲】【挿入曲】に分けた。
 前者はたとえば口ずさんだり、ラジオから流れたり。
 後者はいわゆるBGM式の引用。
 なるべく発表年を調べてみた。上映年と較べるため。
「○」→名無しのBGM。
 【挿入曲】が多めだが、【劇中曲】にあたるものもある。
 こちらは銘記しなかった。
「▲」→歌以外の引用。映画とか。

・それぞれの曲に対して、前後の状況もメモしてみた。
・サントラの情報も調べてみた。各作品の末尾にネット情報を追記。
・全作鑑賞の途中から始めたので、取り組み具合はまちまち。
・想定以上に膨らんでしまったので、最後に●▲だけ抜き出した簡潔なまとめも作ってみた。

■翔んだカップル  1980

・原作:柳沢きみお
・脚本:丸山昇一
・音楽 : 小林泉美
・初上映は106分。
・今回見たのは、122分のオリジナル版=「ラブコールHIROKO*オリジナル版」。

○00:00:00 BGM 明るめ
OP。東宝マーク。
○00:03:10 BGM 軽快
田代勇介(鶴見辰吾)、窓外の、遅刻して走ってくる山葉圭(薬師丸ひろ子)を目撃する。
タイトル表示へ。
▲00:05:30 あしたのジョー ちばてつや 1967-1973
立て看板のポスターで。
部活勧誘場面。
●00:11:30 異邦人-シルクロードのテーマ- 久保田早紀 1979 【劇中曲】
圭がお風呂で口ずさむ。(真四角の浴槽! 時代感)
お湯の音が、勇介の耳に毒。
●00:12:45 ブンブン RCサクセション 1980 【劇中曲】
勇介がヘッドホンで、POVカメラ。
圭の声(覗き魔! 痴漢! 変態!)が聞こえない。
○00:16:00 BGM 滑稽
授業中にぼんやり。
○00:24:15 BGM さわやか
渓流にて、同級生男女の語らい。
勇介、杉村秋美(石原真理子)に言い寄られる。
●00:27:20 円広志 夢想花 1978 【劇中曲】
ギターで合唱。
(「とんで とんで とんで」ではなく)「いつの日にか あなたがくれた野の花が ノートにありました」の部分のみ。
川に落ちる。
○00:32:20 BGM 軽快
自転車→ローラースケート→家の中でも。
▲00:40:00 地下室の手記 ドストエフスキー 1864
中山わたる(尾美としのり)が、圭とのデートの最中、車行き交う道路のド真ん中に正坐して、暗誦する。(ゲリラ撮影だろう)
▲00:42:00 歌い踊るタケノコ族
街中にて。風俗を取り込み。
音楽を流しているので、念のためメモしておく。
○00:42:30 BGM アーバン
街中にて。
サメ?クジラ?のバルーン。
→もしや、押井守「迷宮物件 FILE538」1987(OVA「トワイライトQ」の中)、「御先祖様万々歳!」1989へ影響しているか?
▲00:45:30 落語 鰻の幇間(うなぎのたいこ)
わたるが坂道を登りながら、ひとりで。
●00:46:20 行け!タイガーマスク 新田洋 1972 【劇中曲】
テレビにて。夕食中。
テレビが同時に2台稼働。
つい振りかざしたグローブで、棚のガラスを割ってしまう。
雨。
●00:50:20 ローレライ H2O 1980 【挿入曲】
出て行ってくれ、と言った直後、後悔。
どしゃぶりの雨。
傘を持って追う。
○00:53:00 BGM しっとり
雨の後。
キャプテンが唐突に割り込んで来る。
○00:53:25 BGM コミカル
スクールライフ。
恋の矢印が交錯。
○01:03:10 BGM さわやか
田舎で避暑→キス→電話→教頭から電話。
○01:05:30 BGM 悲愴
駆け落ちを想像。列車→旅館→服毒心中。
●01:14:30 スナックの店内BGM 外国語の女性歌唱 曲名不明 【劇中曲】
インベーダーゲームをする女が、酒をおごってくれる。
▲01:19:00 スケーターズ・ワルツ エミール・ワルトトイフェル 1882 【劇中曲】
圭がリビングにてワルツを口ずさみ踊る。
○01:22:45 BGM 一瞬
わたるが嫉妬ゆえ同棲を密告。
○01:22:50 BGM カーラジオ
星田さんの赤い車にて。
○01:44:30 BGM イージーリスニングふう
●01:44:50 夢想花 2度目 【劇中曲】
円広志演じる教師が、「まわって まわって まわって まわる」の部分を歌いながら、軽トラに荷物を積む。
→なんと! 「翔んだ」だから「とんで とんで」起用か?
●01:54:20 バンド グループサウンズ? 曲名不明 【劇中曲】
屋上にて。
圭と秋美の会話。
●01:59:40 BOYS ルイス 1980 【挿入曲】
学園祭にて、女ふたりが男ふたりをモグラ叩き(泣きながら)→教師が集合写真でコケる(のに、笑えないふたりの表情)→ボクシング試合。

・サントラLPレコード
A1 ローレライ 3:20
A2 圭ちゃんのテーマ 1:15
A3 季節がかわれば 3:28
A4 なぜか 遠足 0:28
A5 なぜか パッシュワ 0:46
A6 まわれ メレンゲ 4:18
A7 なぜか テクノで 1:22
A8 五月の朝焼け 5:12
B1 すきとおる翼にのって 7:04
B2 なぜか クジラが・・・・・ 1:02
B3 ラスト・ラウンド 4:40
B4 なぜか 夏休み 1:04
B5 ジョギング 2:03
B6 なぜか ローレライ 1:13
B7 ボーイズ Boys 2:58

■セーラー服と機関銃  1981

・原作:赤川次郎
・脚本:田中陽造
・音楽:星勝
・今回見たのは、112分版
・131分=「完璧版」もある。

●00:02:45 カスバの女 エト邦枝 1955 【劇中曲】
火葬場の中庭にて、星泉(薬師丸ひろ子)が、ブリッジをしながら口ずさむ。
亡き父が好きだったと。
「涙じゃないのよ 浮気な雨に ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ ここは血の果て アルジェリヤ どうせカスバの 夜に咲く 酒場の(女の うす情け)」
途中で、同級生3人が駆け寄ってくる。
○00:05:10 BGM 厳粛
火葬場で、合掌。
手前から、泉の正面顔→赤い火→青字のタイトル、という3層。
○00:09:00 BGM 主題歌のピアノバージョン(抒情的)
父から愛人マユミ(風祭ゆき)への手紙の内容を、愛人が読む。
○00:20:25 BGM アーバン?
泉とマユミの部屋。
○00:23:15 BGM 雅楽
ビルの上階にて、佐久間真(渡瀬恒彦)が泉を連れて、松の木組組長・関根(佐藤允)に挨拶に行く。
▲00:26:05 ひばり・チエミの弥次喜多道中? 1962
ヤクザ事務所の壁に、プロジェクターで映写している。モノクロ。
「親方!」というセリフがあるので、ヤクザものか?
wikipediaによれば、「浪人八景」1958か「浪人市場 朝やけ天狗」1960という説もある。
○00:29:30 BGM アーバン
喫茶店にて。
○00:31:35 BGM メロディアス
父の骨壺。
チャイム→ドアスコープの魚眼レンズ→ドアを開けて刑事が来る。
画面は魚眼のまま。
○00:38:40 BGM アーバン
バイクの後部席にて。
○00:48:05 BGM
ラジオ。すぐ切る。
●00:53:25 カスバの女 2度目 【劇中曲】
マユミが酒場で一番の途中までを歌う。
「パパが好きだった歌。偶然ね」「そう、偶然」「それじゃ」「泉。私、好きな男、できた」
のち、店を出た泉と、店に残ったマユミが、合唱して「うす情け」まで歌い切る。
○00:58:00 BGM 主題歌の変奏
泉がマユミと佐久間のセックスを覗いた直後、公園で泉とマユミ。
「汚いよ。ケダモノじゃない、まるで」
○00:03:00 BGM 
マユミが独りブランコ。
泉は街を歩く。
●01:15:20 カスバの女 3度目 【劇中曲】
太っちょにさらわれた泉、十字架っぽいギミックに架けられて。
波の音。
最初は挿入曲かと思いきや、実はマユミ(太っちょの娘)が店にてギターで弾き語りしていた音だった。
佐久間がマユミに話す。
○01:21:40 BGM
海辺の晩餐会。
泉は花嫁的なヴェール。
○01:25:00 BGM 荘厳
地下の手術室。あるいは霊安室。
マユミが父を撃つ。
○01:32:00 BGM 哀愁のアーバン
泉と佐久間ともうひとりが、高層ビルのエレベーターに乗る。
▲01:32:00 クルージング 1980
浜口物産の高層ビルのエレベータ内で、泉が佐久間と政に「オタクひょっとしてェ、クルージング?」
ウィリアム・フリードキン監督、アル・パチーノ主演の映画。
ニューヨークのゲイカルチャーを巡るサスペンス。
▲01:34:00 ひばり・チエミの弥次喜多道中? 2度目?
壁にプロジェクターで。
今後5分ずっと環境映像として流れ続けている。
同じ映画なのかどうか不明。
○01:36:20 BGM スッキリ!
スローモーションで機関銃ぶっぱなし。
抒情的ピアノ「カスバの女」のメロディの中で、「カ・イ・カ・ン」。
佐久間が肩に手を回し、銃を捨てさせる。
後ろを向かせて事務所を去ろうとする(もうひとりが撃たれる)モーション。
○01:39:10 BGM 祭り
→屋上で、焼く。
○01:47:25 BGM ハーモニカ
火葬場にて、泉が佐久間にキス。
吹いていたのは、街中の泉。歩道橋にて。
雑踏の音の中、手紙を裂いて、投げ捨てて、
●01:48:50 セーラー服と機関銃 薬師丸ひろ子 1981 【挿入曲】
ハーモニカも投げ捨てる。
街中を歩く。
ゲリラ撮影。
制服に、赤い靴。
いったん壁に寄り添って。
唇に手を当てて。
子供たちとの交流。
歌が引いて、バンバンと鉄砲ごっこ。
排気口からスカートが舞って。
音響は遠ざかって。
「生まれて、初めての口づけを、中年のオジンにあげてしまいました。わたくし、愚かな女に、なりそうです。まる。」

・サントラLPレコード
SIDE A
1.さよならパパ
2.炎に宿るプレリュード
3.思いがけない手紙
4.炎からの予感
5.心は羽のように
6.不安を抱く泉
7.とんでもない相談
8.ヒコのテーマ(イヤなことなんかブットバセ!)
9.楽しかったこと、恐かったこと
10.あたりまえの虹
SIDE B
1.少女とオンナの真ん中で
2.明のテーマ(組長への憧れ)
3.悪魔の狂宴
4.愛しき男達への鎮魂歌
5.セーラー服と機関銃

■ションベン・ライダー  1983

・原案:レナード・シュレイダー(長谷川和彦監督「太陽を盗んだ男」、「蜘蛛女のキス」マヌエル・プイグ原作の脚本家! ポール・シュレイダーの実兄)
・脚本:西岡琢也、チエコ・シュレイダー(妻)
・音楽:星勝
・118分

○00:03:00 オープニングBGM=メインテーマか(マイナー調)
プール→運動会準備?の運動場にて、バイク暴走→アラレ先生(原日出子)が走り回りながら叱責。
○00:11:30 BGM
男女がデブナガを縛ったところへヤクザが。
○00:14:00 子供たちのトランペット
公園にて3人がキャッチボールしながら。シャボン玉。
○00:16:00 BGM
街中にて、警官の群れ。
●00:24:20 渚のバルコニー 松田聖子 1982 【劇中曲】
厳兵(藤竜也)が船倉にて、シャブの注射器を準備しながら(!)口ずさむ。ミスマッチの妙。
○00:25:10 BGM メインテーマ?
●00:39:40 スクール・デイズ 河合美智子 1983 【挿入曲】
ポンポン船で3人が風船を割るところへ挿入歌。
「退屈なeveryday yeah yeah 憂鬱なだけのhomeroom ときめいて弾む気持ち 忘れちまったワークメイ(?) 決まり文句はセンセイ(?) いつもおんなじすぎる 何をするにもno no no だから僕ら 見つけてやるさ 大人じゃない 子供じゃない 僕たちのyesを(?)」
独特のへろへろな歌唱。
歌詞で検索してもヒットせず。
いったんLPレコードのサントラの曲目を検索して、その中から目星をつけて、YouTubeでようやく判明した。
歌手名、曲名、歌詞、で検索をかけてみてもヒットしない。
そんなことってあるのね。
○00:45:30 BGM メインテーマ?
ブルース(河合美智子)が海に浸かって。
……生理を誤魔化している?
●00:52:00 雨降りお月~雲の陰 (野口雨情作詞、中山晋平作曲の童謡1925)→佐藤千夜子のレコード1929 【劇中曲】
ジョジョ(永瀬正敏)が自転車から、厳兵のトラックの荷台にしがみつくシーン(どうかしてる危険!)に、
別の車を運転しながら先生が歌い、ブルースと辞書(坂上忍)が合唱するシーンが、重なる。
○01:04:00 お経?
貯木場にて。
●01:11:40  ギンギラギンにさりげなく 近藤真彦 1981(1番) 【劇中曲】
●~ ふられてBANZAI 近藤真彦 1982(サビ以降) 【劇中曲】
ヤクザの宴会にて、3人と芸者たちが歌い踊る。
○01:15:10 BGM 不穏
デブナガを前に、山(桑名将大)がピストルで。
●01:18:40 雨降りお月~雲の陰 2度目 【劇中曲】
雨の中、遊園地内の浮上宇宙船? にて、アラレ歌う。
顔塗りした厳兵や子供らが踊る。
悲壮なBGMが重なる。
○01:22:20 BGM メインテーマ?
○01:25:40 クリスチャンっぽい合唱曲
橋の上にて、服も髪も入れ替えた3人が、田中巡査を詰問。
●01:26:45 (不明) 【劇中曲】
田中巡査が船倉にてシャブを打ちながら口ずさむ。
「誰のせい」とか「汽笛」とか。
●01:32:45 地球をどんどん こおろぎ'73・コロムビアゆりかご会(作詞:阪田寛夫) 1973 【劇中曲】
3人が、ヤクザに凌辱されたアラレやデブナガを解放するシーン。
ラジオっぽい音響。
陰惨な画とのんきな音楽の対比。
なんでも「おかあさんといっしょ」の4代目の体操曲なんだとか。
●01:50:30 ふられてBANZAI 近藤真彦 2度目 【劇中曲】
2番以降。
シャブの粉を浴びた子供たち(ブルース、ジョジョ、辞書、デブナガ)が歌い踊る。
そこにいるオトナは、厳兵、アラレ。
→警官隊? の放水へ。
●01:56:00 わたし・多感な頃 河合美智子 1983 【挿入曲】
エンディングテーマ。
この曲の歌詞は検索でヒットした。
wikipediaによれば、シングルEP(!)のメインが「わたし・多感な頃」で、c/wが「スクール・デイズ」らしい。
河合美智子、この映画の役名でデビューしたあとは地道に活動し、1996年「ふたりっ子」にて「オーロラ輝子」役でヒット。
1986年に、なんと萩尾望都原作のアニメ「11人いる!」でフロル役で声を当てているというから、おそらく当初はアイドル路線で売り出そうとしたがいまひとつ、10年くらいして再ブレイクした、という感じかしらん。

・サントラLPレコード
A1 スクール・デイズ
A2 消えたデブナガ~夏の昼下がり
A3 アジト~未完成
A4 モノローグI~ぼくたちの追跡#1
A5 ゴンベイ登場~夏の昼下り・Yokohama
A6 モノローグ2 (Atami)
A7 To Nagoya / 雨降りお月さん / アラレのテーマ
A8 デブナガをかえせ!~スクール・デイズ・チェイス
A9 This And That
B1 スクール・デイズ
B2 モノローグ3~ぼくたちの追跡#1
B3 Good-Luck Mr.ゴンベイ / 雨降りお月さん / アラレのテーマ
B4 モノローグ4~Sing Alongスクール・デイズ#1
B5 田中巡査との再会
B6 田中巡査の死
B7 デブナガ救出
B8 最後の対決~夏の昼下り
B9 モノローグ5~Sing Alongスクール・デイズ#2
B10 わたし・多感な頃

■魚影の群れ  1983

・原作:吉村昭「海の鼠」
・脚本:田中陽造
・音楽:三枝成章
・135分

○00:00:20 BGM 荘厳
波の音にかぶせて、オカリナ?とピアノ。
●00:05:30 涙の連絡船 都はるみ 1965 【劇中曲】
小浜トキ子(夏目雅子)が、自転車で坂を降りながら、大声で歌う。
「とうに、忘れた、恋n(あ、おばちゃん、こんちはー!)aのに(こんちは! ブレーキ音きしむ)、今夜も、汽笛が、汽笛が、汽笛が 独りぼっちで 泣いて、エィールー。忘ーれぇ、られなーい」(みんなー! マーグロ、釣れたよーぉー!)
●00:14:50 涙の連絡船 2度目 【劇中曲】
小浜房次郎(緒形拳)が、娘トキ子と話しながら、横たわって。
「今夜も 汽笛が、汽笛が、フフーンー、呼んでーいーるー」と歌詞を間違えている。
トキ子が恋人に会ってくれと言う。
○00:19:55 店内の会話。外で祭りの音? シャンシャン。
房次郎が、依田俊一(佐藤浩市)の喫茶店へ。
話が合わない。
○00:23:30 BGM 寂しげ
オカリナ?とピアノ。
男女同居。
●00:24:50 とんとんからりとんからり 数え歌(大正末期から昭和初期) 【劇中曲】
同居を始めた男女の会話にかぶる。
抱き合って、「やーだ、新婚さんみたいだも」照れ笑い。
一つ ひなたの山道を
二つ 二人で行きました
三つ 港の蒸気船
四つ 他国(よそ)から着きました
五つ 急いで見にゆけば、
六つ 向こうの青空に
七つ ならんだ白い雲
八つ 山家(やまが)のおさの音
九つ ここまで聞こえます
とんとんからり とんからり
とうに 港も暮れました
とんとんからり とんからり
●00:26:15 望郷酒場 千昌夫 1981 【劇中曲】
漁師小屋。
座を組んで歌う、房次郎を始めとする、漁師たち。
新参の俊一の背中を押すトキ子。
○00:32:20 BGM 軽快
初めて房次郎が、俊一を船に乗せてくれた。
が、船酔い。
○00:37:00 BGM 悲愴
船酔いでぐったりの俊一と、トキ子。
○00:41:10 BGM ジョーズっぽい→おどろおどろしい→チクタクと時間を感じさせる→スペクタクルな雰囲気
マグロの予感。
→俊一、テグスで頭を。脳を。血が噴出。陸に連絡。トキ子駆けつけ。房次郎、介抱とマグロ釣り上げを同時に。
●00:55:50 遣らずの雨 川中美幸 1983 【劇中曲】
「その胸に泣いて 泣いてくずれ落ち あれが最後の夜でした」から。
病院のそばの、おでん屋台の赤ちょうちん。
緊急手術が終わるのを待つ房次郎。
トキ子が糾弾。
○01:31:10 BGM 悲愴
久々のBGM。
房次郎が、獲物を逃がしてしまった。
自信を喪失。
●01:31:20 チャンチキおけさ 三波春夫 1957 【劇中曲】
上のBGMにかぶせるようにして。
アヤ(十朱幸代)が、波止場にて、船を待ちながら、荷物を足許に、煙草を片手に、
「チャンチャチャ、チャンチャチャ、チャンチャチャチャ、チャンチャチャン。月がわびしい 路地裏で 屋台の酒のほろ苦さ 知らぬ同士が小皿叩いて チャンチキおけさ おけさ切なや やるせなや」
迎えは来ない。
●01:31:15 とんとんからりとんからり 2度目 【劇中曲】
墓場にて、子供たちの花火。
●01:40:00 船方さんよ 三波春夫 1957 【劇中曲】
「おーい船方さん 船方さんよ 土手で呼ぶ声 きこえぬか 姉サかぶりが 見えないか エンヤサーと まわして とめてお呉れよ 船脚を 船脚を」まで。
小屋の奥で、房次郎がゴロ寝。
小屋の外で、俊一が漁師らから奨励を浴びる。
●01:50:10 涙の連絡船 3度目 【劇中曲】
「汽笛が ひとりぽっちで 泣いている」から。
トキ子が口ずさみながら、衣服の型紙を採寸しながら
俊一が犯す。
●01:54:00 涙の連絡船 4度目 【劇中曲】
俊一が歩きながら、「いつも群飛ぶ かもめさえ」から。
○01:55:50 BGM 寂しげ
トキ子が事務所へ。
○02:04:10 BGM 勇壮
船が波を掻き分けて。
○02:12:00 BGM 悲愴
船上で、父と、娘の夫が瀕死で、和解の会話。
マグロと、娘=妻の子と。
●02:17:20 とんとんからりとんからり 3度目 【劇中曲】
夫が死んだと無線で聞いたトキ子が、机を叩きながら。
「一つ ひなたの山道を」から「向こうの青空に」まで。
事務所を出て、海に叫ぶ。
●02:19:00 Bright Light in the Sea 原田芳雄・アンリ菅野 1983(作詞:東海林良 作曲:玉置浩二) 【挿入曲】
エンディングテーマ。

・サントラはたぶんない

■ラブホテル  1985

・脚本:石井隆
・88分

○BGMについては控えていない。
●00:14:30 赤い靴 (野口雨情作詞、本居長世作曲の童謡) 1922 【劇中曲】
村木哲郎(寺田農)の妻良子(志水季里子)が、ブランコで口ずさむ。
●00:23:00 夜へ… 山口百恵 1980 【劇中曲】
村木のタクシーのラジオから流れ出す。
そのまま、横浜の埠頭にて、あわや土屋名美(速水典子)が入水未遂か? というシーンへ。
●00:43:00 赤いアンブレラ もんた&ブラザーズ 1980 【挿入曲】
昼の埠頭にて、村木と名美が身の上話をしつつ、イヤリング探し。
●00:55:00 夜へ… 2度目 【劇中曲】
名美が村木にプレゼントされたレコードをかけながら、不倫相手の太田(益富信孝)に電話。
●01:26:00 赤いアンブレラ 2度目 【挿入曲】
アパート前の階段にて、エンディング間際に、再登場。
しかも良子が口ずさむ、
●赤い靴 2度目 【劇中曲】
と重なっていく。
劇中曲と挿入曲の絡み。
2曲が渦を成すように、エンドロール。桜乱舞。子供ら乱入。
凄まじい技巧!

・ちなみに本作のラストシーン(階段にて名美と良子のすれ違い)は、山口百恵「マホガニー・モーニング」1979の歌詞がモチーフになっているらしい。
「はらはらと散っていく 花びらの下で」
「起きたまま見る夢を 当ててみましょうか」
「階段の踊り場では 子供が遊んでいる」
確かに……!

・サントラはたぶんない

■台風クラブ  1985

・脚本:加藤祐司
・音楽:三枝成彰
・115分

●00:01:00 暗闇でDANCE バービーボーイズ 1984 【挿入曲】
アバンタイトル。
深夜のプールサイドにて、水着の少女らが踊り狂う。
バービーボーイズのデビューシングル。最も「ナウい」歌謡曲の、おそらく意図的な引用。
●00:08:50 青い珊瑚礁 松田聖子 1980 【劇中曲】
プールにて、山田明(永敏行)が溺れさせられたとき、女子たちが歌っている。
○00:25:30 BGM クラシックだかジャズだか 
三上恭一(三上祐一)が勉強中、兄が話しかけてくる。彼女の高見理恵(工藤夕貴)も来る。
○00:34;30 何かの合唱曲?
保健室にて、硫酸で背中を焼かれた大町美智子(大西結花)の惨状を、保険の先生が、見ろ、と清水健(紅林茂)に迫る。
●00:38:00 SWEET MEMORIES 松田聖子 1983 【劇中曲】
工藤夕貴が夜中のベランダで唄う。「なつかしい痛みだわ ずっと前に忘れていた」まで。
●00:50:00 Feel No Way P.J. & Cool Runnings 1984 【挿入曲】
なんとレゲエ! これもナウいのか?
教師梅宮安(三浦友和)に反発する生徒らが、落ち着き、カットかわって雨が降り出したシーン。
演劇部の部室にて、女子生徒3人。宮田泰子(会沢朋子)、毛利由美(天童龍子)、森崎みどり(渕崎ゆり子)。
大きな姿見を前に、毛利祖母瀕死の報せ、煙草、レズ行為。
●01:15:30 翔んでみせろ バービーボーイズ 1985 【劇中曲】
台風で出られない学校の、深夜の教室にて、ラジカセで流し、男女が踊る。
●01:22:20 北国の春 千昌夫 1977 【劇中曲】
教師梅宮が、恋人八木沢順子(小林かおり)とその父母(石井富子、佐藤允)を前に、部屋でヤケクソなカラオケ。外は嵐。
宮田がヘルプの電話をかけてくるが、梅宮は酔いのため話にならない。
電話を代わった三上「先生。僕は一度あなたと真剣に話してみたかった。あなたは悪い人じゃないけど、でももう終わりだと思います。僕はあなたを認めません。一方的すぎるかもしれないけれど」
梅宮怒り。
●01:27:40 Children Of The World P.J. & Cool Runnings 1984 【劇中曲】
体育館にてラジカセで流し、男女が踊る。服を脱いで下着姿へ。
●01:32:00 もしも明日が わらべ 1983 【劇中曲】
雨の止んだ中庭で、水たまりの水を蹴りながら、男女が下着姿で。再び豪雨が来る。さらに、
●01:38:00 もしも明日が 2度目 【劇中曲】
同じ時刻(?)、高見理恵が、寺山的幻想シーンを経て、濡れつつ泣きつつ歌う。
1983年生まれにとっては、小学校の音楽の授業で配られたミニ本(教科書ではない)に掲載されていたが、当時もっともナウかったんだろうな。
○エンディング
学校の生活音。音楽ではない。
それまで思春期の狂騒を表すように音楽に満ちていたのに、急に静寂。台風一過。

・サントラはたぶんない

■雪の断章-情熱-  1985

・原作:佐々木丸美「雪の断章」
・脚本:田中陽造
・音楽:Light House Project(矢島賢)
・100分

○00:00:20 BGM クラシック
裕福な那波一家、室内で食事。レコードを流している?
●00:01:00 さすらいの唄(北原白秋作詞) 1917 【劇中曲】
対比的に、幼い伊織が雪の外を歩きながら、口ずさむ。
「行こか戻ろかオーロラの下を」
○00:05:00 BGM バイオリン
北海道の広瀬雄一(榎木孝明)と、東京の恋人・細野恵子(矢代朝子)が、電話で会話。女の子を引き取った、と。
○00:06:10 BGM お琴
雄一が那波家に伊織の引き取りを申し出る。
BGMと思いきや、那波家の誰かが室内で弾いている、劇中曲でもある。
●00:14:00 夏の扉 松田聖子 1981 【劇中曲】
一転して10年後、夏樹伊織(斉藤由貴)が、オートバイの後部座席から道路スレスレに躰を倒して、歌う。あぶなっ。
ヘルメットは花だらけ。
「あなたは少し照れたよう」の箇所から。
○00:24:10 BGM 現代音楽
那波裕子(岡本舞)の舞踏の舞台。
○00:28:30 BGM ガンダーラふう?
裕子が控室で休憩。伊織がコーヒーを差し入れ。
●00:31:00 恋と涙の太陽 橋幸夫 1966 【劇中曲】
「燃える思いをかくしてすまして」の箇所から。
舞台の打ち上げで、男たちが歌い踊る。
●00:31:40 さすらいの唄 2度目 【劇中曲】
男たちが静まると、伊織が裏で歌っていた。
「西は夕焼け 東は夜明け 鐘が鳴ります」の箇所から。
男たちが楽器で合わせる。
伊織、北大受験を宣言。一番を歌い切る。
○00:36:00 BGM 大道芸っぽい騒々しさ
吉岡刑事(レオナルド熊)と会話。
伊織苛々。
目が落ち着かないので、画面外で演奏している? 実は劇中曲なのか?
▲00:37:40 テレビにて「うる星やつら オンリー・ユー」 押井守 1983
お手伝いのカネ(河内桃子)が見て笑っているテレビが、ドアのガラスに映っている。音声も聞こえる。
なんでも「ションベン・ライダー」の併映で、相米から押井守への恩返し(「オンリー・ユー」目当てのお客さんがほとんどだった)か。
押井は「ションベン・ライダー」の無法ぶりを見て、優等生的な「オンリー・ユー」を反省し、やりたいようにやろうと決意した結果、「ビューティフル・ドリーマー」を作ったという経緯があるので、このコラボは実は熱い。
○00:43:10 BGM バイオリン
伊織が雄一と電話。裸で。「偽善者」
●00:45:30 情熱 斉藤由貴 1985 【挿入曲】
2番の「ホームの端に二人倒れて」以降。
伊織、街を歩く。バスに乗る。空港にて、雄一と恵子を目撃して、逃亡。追いかけられる。
●00:51:45 負けるもんか バービーボーイズ 1985 【劇中曲】
家に来た恵子に雄一を返してと迫られた後、ヘッドホンをして爆音で聞きながら踊る。
「もう真夜中」から。
「いきなりで悪いけど帰れないの ねえいいでしょ」で、帰宅したお手伝いのカネに止められる。
●00:58:00 ノスタルジィ 中山ラビ 1982 【挿入曲】
北海道「ほろけし駅」の小屋にて、大道芸人たち。
田園や線路にも。
「暗い暗い 川をわたる ひざまで濡らして くやしまぎれの ノスタルジィ」
という歌詞通り、川に入る。
なぜかトウモロコシを食べる。
●01:00:30 買物ブギー 笠置シヅ子 1950 【挿入曲】
空撮。紙芝居の車? 川。鳥。飛び込んで泳ぐ伊織。
鳥を助ける。
ボートのおじさんが助けてくれる。
なんか……アイドルソングを劇中歌に引用「させられた」ことへの反動として「アナーキーな引用」が立て続いている、という印象。
あるいは、青春ってこういう狂騒でしょ、とか。
○01:05:30 鐘の音?
男女が会話するのに、大道芸? 白塗りたち。
○01:10:30 店内BGM クリスマスっぽい
津島大介(世良公則)と夕食。外は雪。
○01:19:00 屋台のラジカセ ピアノ曲
伊織、雄一、大介で、北大合格祝い。
●01:24:25 さすらいの唄 3度目 【劇中曲】
3人で公園の夜桜を見ながら歌い踊る。
○01:30:00 BGM 悲愴
大介の遺書。
○01:36:45 BGM 悲愴
伊織。服をハサミで切る雄一。窓の外に操り人形。
●01:29:00 一かけ二かけ三かけて(わらべ歌) 【挿入曲】
上のBGMに重なって、幼い伊織が歌う。
「一かけ 二かけ 三かけて 四かけて 五かけて 橋をかけ 橋の欄干手を腰に はるか向こうを眺めれば」
※成立年は不明だが、西郷隆盛の墓参りに行くという内容なので、西郷自殺1877年以降の歌。
それが、1980年ごろ、テレビドラマ「必殺仕事人」にて、藤田まこと演じる中村主水(もんど)が、必殺口上として「一かけ 二かけ 三かけて 仕掛けて 殺して 日が暮れて」というパロディをした。
そのままエンドロールへ。
チョンチョンと拍子木の音。

・サントラLPレコード
SIDE-1
1:雪の断章 メインテーマ
2:予感
3:さすらひの唄
4:雪灯りの町
5:情熱
SIDE-2
1:大地
2:雪の舞
3:月のしずくが落ちた雪原
4:伊織のテーマ
5:回想
6:終章・春

■光る女 1987

・原作:小檜山博
・脚本:田中陽造
・音楽:三枝成章
・劇場公開は118分
・今回見たのは、ニューマスター修復版157分。

●00:00:50 オペラ 【劇中曲】
夢の島にて、歩く松波仙作(武藤敬司)が、小山芳乃(秋吉満ちる)の歌の練習?を聞く。
ゴミの山の上に女を立たせて、尻内(すまけい)が聞いていた。
○00:06:10 BGM 静謐 タイトル
●00:06:30 オペラ 【劇中曲】
店にて、オペラをバックに見世物プロレスデスマッチ、という興行。
芳乃はピアノ。歌えないので。
サーカス舞台。
○00:09:10 BGM 優雅
支配人室で、尻内が仙作を勧誘。
●00:10:30 オペラ 【劇中曲】
仙作が見世物プロレスに参加。
なんとか勝利。
●00:13:35 泣いて昔が返るなら 小林旭 1976 【劇中曲】
赤沼(出門英)が女装したハナチャンとして見世物。
●00:14:20 男性オペラ レコード? 【劇中曲】
尻内が食事しながら、赤沼の来歴を語る。
根室の漁師だったが妻に逃げられたのを追って。
○00:19:00 BGM 悲愴
仙作が新宿を歩く。
●00:21:10 子ぎつね 唱歌 作詞・勝承夫 1947 【劇中曲】
バーで宴会。栗子が歌う。
「こぎつねこんこんやまのなか」
●00:30:20 オペラ
見世物プロレス。
仙作が勝つが怪我も大きい。
●00:38:10 オペラ レコード
尻内の自室。
数年前の芳乃の歌唱をレコードで流す。
歌えないことを糾弾。
▲00:42:10 気狂いピエロ? ゴダール 1967
ベルモンドと似た顔塗り。
赤沼が船を運転。
○00:44:00 BGM 優雅
3人で盛り上がる。
「やっぱり漁師は船だがや!」
●00:45:20 港町十三番地 美空ひばり 1957 【劇中曲】
芳乃がオペラ風に歌う。
○00:49:50 BGM 不穏
栗子が覚醒剤で尻内に犯される。
仙作が覗き見してしまう。
→自暴自棄になり、誰彼構わず「俺の嫁になれや」。
●00:57:00 オペラ 【劇中曲】
芳乃の歌唱。
新人オペラ歌手コンクール。
→その後に、芳乃と栗子が電話で話すシーン。窓を挟んで前後で表現。
○01:01:00 ダンス音楽
男性によるバレエ見世物。
●01:02:10 唱歌 曲名不明 少女の歌唱 【劇中曲】
▲01:02:40 小熊秀雄 馬の糞茸(詩) 1955?
●01:04:20 オペラ 【劇中曲】
仙作が尻内に決闘を申し込む。
舞台上で、少女が唱歌。
尻内が外国語で詩を叫びながら猛攻。
それを見るうち芳乃は歌えるようになる。
という凄まじいシーン。
負けた仙作「歌が……綺麗だ……」失神。
○01:11:10 BGM しめやか
仙作と栗子の別れ。
●01:15:50 オペラ カセットテープで 【劇中曲】
地下街の雑踏で、具合の悪い赤沼を仙作が介抱。
芳乃の持っていたテープを、赤沼のデッキで流す。
お餞別。
●01:23:50 オペラ カセットテープで 【劇中曲】だが音圧は【挿入曲】レベル
仙作と芳乃が交わっていると、消防車の音。
バスが炎上する中で、赤沼が焼死。
その現場で流れている。→マスコミ案件に。
●01:32:40 オペラ 【劇中曲】
芳乃が楽団に囲まれて。2回。多忙。歌手に戻りたい。
→仙作は芳乃に振られて、北海道へ戻る。
父の死。
●01:55:40 BGM オペラ 【劇中曲】
尻内の自室。レコード。
もう歌いたくないという芳乃。
○01:02:20 BGM 不安
芳乃が北海道へ行く一方、
栗子が猫のようにフェンスにしがみついて。
飛び降り?
→その後、芳乃は尻内の息子と会う。
○01:17:15 BGM 決意
町の雑踏。
(なぜか)真っ赤なスーツで仙作が。
栗子から助けてと電話があったので、東京へ。
尻内へリベンジを決意。
●02:25:10 オペラ 【挿入曲】
仙作が栗子を見舞う。
芳乃も来ていて、3人で話す。
その後、仙作は(なぜか)船で(なぜか)服を引きちぎる。
素っ裸になる。
もとの毛皮に戻って、単身カチコミ。
尻内を倒す。
そこへ芳乃が栗子の自殺を知らせる。
●02:33:45 不明の歌 【劇中曲】
北海道へ。赤沼の息子も交え、村人たちと一緒に農作業?
ユートピア? 夢幻? 動物多すぎ。
の中、切り株を舞台にして芳乃が歌う。
村人が和す。
「あけびのつるの アオダイショウ あけびのつるの 子供たち 風の後ろをゆきましょう 風の後ろをゆきましょう ぼだいしむくろじむくえのき このみさいかちまてばしい どんぐりなつめなつのおず」
●02:35:00 オペラ 【挿入曲】
上の歌にかぶさって、エンドロールへ。
仙作、バク転。

スタッフロールのメモ。
・テーマ曲「炎のアリア」 曲:三枝成章
・ラストテーマ 曲:三枝成章
・歌はどちらも常森寿子。稲川方人の作詞を、河原廣之がイタリア語訳。

・サントラはたぶんない

■東京上空いらっしゃいませ  1990

・脚本:榎祐平
・音楽:村田陽一
・109分

●00:02:10 帰れない二人 ※女性カバー 井上陽水 1973 【劇中曲】
電子音っぽい編曲で、女性ボーカル。
騒がしいキャンペーン会場の環境音楽として。
○00:06:00 ジャズ
雨宮文夫(中井貴一)がトロンボーンを吹くバンド。
サラリーマンに退屈して負け犬の遠吠えみたいに、と兄に言われる。
○00:10:00 ジャズ
上の続き。
●00:10:30 帰れない二人 2度目 ※井上陽水の歌唱 【劇中曲】
車内ラジオで。
神谷ユウ(牧瀬里穂)に言い寄る白雪恭一(笑福亭鶴瓶)が、手袋を噛んだり舐めたり。
セリフで歌が汚される印象。→00:15:00で枕営業撥ねつけ事故死。
○00:17:30 トロンボーンの音。
ベランダにて、セフレ?を呼び出す合図?
○00:30:10 トロンボーン。
ベランダにて、落ち着くために。
●00:48:00 帰れない二人 3度目 ※加藤登紀子の歌唱 【挿入曲】
両親と再会スレスレ。
○00:50:30 BGM ギター
オフィスが騒がしい。
○00:52:00 BGM クラシックギター
ビゼーの「カルメン組曲第1番前奏曲」。
○00:54:30 BGM ピアノ+トロンボーン
しっとり。はしゃいで写真を撮ったら、自分が写らないと気付く。
ピアノに途中からトロンボーンが絡まる。悲しさを慰めるよう。
壁で影絵遊び→床で影踏み。寂しさを隠して。
○00:59:40 クラシック 
アルバイトの申し込み。
○01:00:40 店内BGM
デイリーリターン(ハンバーガー店)でワンオペでわちゃわちゃ。
○01:05:50 BGM リコーダー
噴水の近く。
○01:10:10 BGM ピアノ+トロンボーン
朝。
○01:12:40 BGM
オフィス。
○01:19:30 屋形船の屋上で花火。奥にはビル。花束。↓のシーンへ。
●01:23:00 帰れない二人 4度目 ※憂歌団の木村充揮(当時は木村秀勝名義)の歌唱 【挿入曲】
→告発。
○01:26:30 ジオラマ列車のオモチャふうBGM
白雪恭一の稚気と権力。
神谷ユウが段ボールロボットの扮装で刀を振り回し、雨宮文夫を奪還。
○01:32:50 唇でブルルル……とふたりで
脱出した車内、ふたりで笑い合う。
●01:33:20 帰れない二人 5度目 ※小笠原みゆきの吹替歌唱 【劇中曲】
結婚披露宴のパーティー会場?で、雨宮文夫のバンドのトロンボーン演奏に合わせて、白ワンピースの神谷ユウが歌唱。
観客が裏拍の拍手。
途中、歌はスキャットになる。ビバップふう?
2番で歌に戻る。
編曲の嵐!
ただの挿入歌にはしないぞという監督の意気込み。
本人の歌唱はラジオから流れるだけだが、ここまで全体を彩ることができれば、井上陽水も本望なのではないか。
○01:39:40 車内の雨の音
洞窟の中のような音響。
キスと別れ。
外に出ると、円形の地面。舞台っぽい。
○01:42:20 BGM トロンボーン
宇宙で昇天。
傘とトロンボーンが空へ。
○01:43:10 BGM ジャズピアノ
愛人と、ベランダの上下でハシゴを挟んで会話。
01:45:30あたりから本格的なBGMになる。
雨宮文夫が楽器屋で新しいトロンボーンを購入。
そのままエンディング曲へ。

・サントラはたぶんないが、「アイドル・ザ・ムービー~サントラコレクション」に3曲だけ収録されているらしい。

■お引越し 1993

・原作:ひこ・田中
・脚本:奥寺佐渡子、小此木聡
・音楽:三枝成彰
・124分

○00:06:00 BGM 弦楽器
タイトルバックから、学校。
○00:17:40 店内BGM
娘レンコ(田畑智子)と母ナズナ(桜田淳子)の外食。
○00:32:30 学校の合唱
○00:47:00 祭りの音楽
電話越しに、娘レンコが近くにいると、父ケンイチ(中井貴一)が気付く。
音楽とテクノロジーの効果的な描写。
○01:02:30 BGM→オルゴール
家族流血修羅場のあと。
娘の部屋と、父が階段にて。
ぬいぐるみのキリンを介して。
寂しげ。
●01:07:30 東へ西へ 井上陽水 1972 【劇中曲】
レンコが夕方の墓にて、左手にバケツ、右手に花を持って、歩きながら、口ずさむ。
「ガンバレ みんなガンバレ 月は流れて東へ西へ」というサビ。
歌っているのはそこではないが、Bメロの「目覚し時計は母親みたいで心がかよわず」に、引用した真意があるか。
この推測が正しいなら、歌に含意させる高等技術。引用の粋。
本作以降「歌に頼らない」作風にシフトしているように一見思われるが、あるいは、わかりやすく歌を押し出した作風から、本作のような「歌を潜航させる」作風へ切り替えていこうとしていたのか?
○01:13:00 BGM 重厚
バイクにて、レンコが父にしがみついて。
○01:14:00 BGM 軽薄
旅行会社の店内BGM。
担任(笑福亭鶴瓶)が、父の後輩ミノルを、父と勘違いする。
○01:31:00 祭りの音楽
初体面の砂原老人(森秀人)と一緒に、夕方から夜へ。
母から逃れる。
○01:37:30 BGM 重厚
森の中の火祭りに遭遇。
○01:40:10 BGM
森の中の渓流→打ち捨てられた祭り?(観客に大丈夫かと心配させて)→船の場面へ。
○01:52:10 BGM 重厚
幻想。湖と火。自分を抱く。「おめでとうございます!」
●01:59:30 森のくまさん アメリカのスカウトソング→ダークダックスみんなのうた1972 【劇中曲】
帰りの電車にて、母が歌い出し、娘が和す。
○02:00:30 BGM 寂しげ→フォルクローレな(?)走った感じの音楽。
エンディング。走り去る子供達の群れからはぐれて、赤い帽子を投げ落としたレンコが、多数の大人や子供たちに挨拶していく。
「こんにちは」「こんにちは」「どこ行かはるんえ?」「未来へ!」「気ぃ付けてな」→スタッフロール

・サントラはたぶんない

■夏の庭 The Friends  1994

・原作:湯本香樹実
・脚本:田中陽造
・音楽:セルジオ・アサド
・113分

○BGM 全編随所に、セルジオ・アサド兄弟のギターデュオ音楽。
●00:41:00 さんぽ 井上あずみ(宮崎駿「となりのトトロ」の) 1987 【劇中曲】
少年3人が生垣の上を歩きながら歌う。
ライバル少年2人に遮られる。
●00:53:30 さんぽ 2度目 【劇中曲】
庭の土にコスモスの種を撒きながら。
(上で遮られた続きのように。)
●01:50:00 Boy ZARD 1994 【挿入曲】
エンディングテーマ。
「この愛に泳ぎ疲れても」の両A面シングル。
2番から。
なんでも栗林誠一郎の「Girl 今でも」の歌詞変更カバーらしい。
オリジナルアルバムには未収録。

・サントラCD
1 オープニング
2 夏の庭
3 さようなら
4 The Friends
5 アンバランス
6 電車の中での考え
7 最初の出会い
8 老人
9 欄干歩き
10 安置所
11 招待
12 古井戸
13 ウォーター・フレンジー
14 スイカ
15 お手伝い
16 豪雨
17 思いで
18 捜索
19 夢
20 パッセージ
21 さようなら
22 蝶々
23 ヴァルセアーナ

・別情報あり……サントラとアーティストCDは別か?
01. テーマ
02. サッカー
03. あじさい
04. 夏休みが始まった
05. 井戸の中
06. 戦争の話
07. Death
08. さよなら
09. 夜
10. BOY

■あ、春  1998

・原作:村上政彦 「ナイスボール」
・脚本:中島丈博
・音楽 :大友良英
・100分

○00:00:10 BGM ピアノ曲
黒猫が家に入り込む。法事をしている。
●00:07:10 舟歌? 【劇中曲】
坊さんが念仏を上げているのに、韮崎紘 (佐藤浩市)がいきなり「よし、お父さんのために歌でも歌おうかな」
「よぉー、初めて港を出たおりにゃ、よい、柱はベリベリ帆は破れ、よい、デッキの上には波がおる、よい、ここで死ぬるは厭わねど、よい、うちには大事な妻がおる、妻より大事な親もおる」まで。
検索では見つけられず。オリジナルか?
○00:12:00 BGM アーバン
紘と、同僚の沢近 (村田雄浩)が、バーで職場がつぶれる可能性を語り合う。店内BGM。
○00:14:50 BGM おもちゃのピアノふう(+水の音SE)
浜口笹一 (山﨑努)が水辺?を歩き、紘に5歳以来じゃのうと抱きついてくる。
死んだと母公代 (富司純子)から聞かされていたのに。
○00:24:00 BGM おもちゃのピアノふう
笹一が庭木の枝を剪定。
を見ながら、韮崎瑞穂(斉藤由貴)と水原郁子(藤村志保)が、ほんとうに紘の父親なのかと話す。孫もまじえ団らん。
○00:34:00 BGM おもちゃのピアノふう
祖父が孫にチンチロリンを教える。
○00:40:00 鼻歌
郁子が入浴中に鼻歌。笹一 が窓から覗き、事件に。
追い出す。その背中に、例のBGM。
○00:44:00 BGM おもちゃのピアノふう
紘と沢近が飲み明かした明け方。風の音。
○00:45:50 むすんでひらいて
公園でホームレスがピアニカで吹く。
笹一 が混じっているのを、瑞穂と郁子が遠巻きに眺め、どうしようと話す。
○00:53:10 BGM おもちゃのピアノふう
祖母が切り絵。孫は洗濯物を畳む。母は庭でボールを投げて、ぜんそく。
○00:54:05 ホームレス楽団が演奏
酔っぱらいサラリーマンガが暴力的に絡む。
笹一が止めて撃退される。
偶然遭った紘が、助ける。
もう一度家に来いと言う。
○00:57:10 BGM おもちゃのピアノふう
ヒヨコが生まれたのを、孫が祖父や父母に報告。
鶏小屋を父と祖父がDIY。
直後、ヒヨコが死んだと孫が報告。
母は息子の目をふさぐ。
祖父は焚き火に投入。
○01:07:40 BGM おもちゃのピアノふう
関西で笹一と暮らしていたという富樫八重子(三林京子)が訪れる。
●01:21:30 月月火水木金金 1908言葉→1940軍歌→1977ザ・ドリフターズ 【劇中曲】
夕方、ホームレス仲間4人が見舞いに来て、車椅子の笹一を円形に押しながら、歌う。
「朝だ夜明けだ潮の息吹き うんと吸い込むあかがね色の 胸に若さの漲る誇り 海の男の艦隊勤務 月月火水木金金」まで。
なぜか、ステッキを持った5人目の外国人?が、ベートーヴェン「歓喜の歌」を原語で?かぶせてきて、カオス空間。
へ、紘が、「はーい、やめやめやめー、病院から文句が出ていないますよー」
●01:23:25 舟歌? 2度目 【劇中曲】
ふたりきりになって、車椅子の笹一が、ふと歌う。
「じゅうしのときから、船乗り稼業、あよいせととくせ、初めて港を出た"とき"にゃ、柱はベリベリ帆は破れ、デッキの上には波がおる、ここで死ぬるは厭わねど」
「なあ、その歌さあ」
「わしらの歌じゃ。……初めて港を出た"とき"にゃ、よい、柱はベリベリ帆は破れ、よい」
「デッキの上には波がおる(拍手する息子。よい、と和す父)、ここで死ぬるは厭わねど(よい、と父)、うちには大事な妻がおる(よい)、妻より大事な親"が"おる(よい)、こんぴら様へと。……俺ぁやっぱり、あんたのガキだ」
「公代のいうように俺は種無しかもしらんな」
→ピアノBGM
笹一「金毘羅さんへと願をかけ、まずおさめてもらいます、あよーいせー、とーこせー、」
紘が車椅子を押して、フェードアウト。
→孫が鶏小屋を白いペンキで塗る描写。
○01:34:00 BGM ピアノ
死んだ笹一の腹の上で、鶏の卵が孵化する。
看護婦(河合美智子!)が喜ぶ。
紘と瑞穂も喜ぶ。
→女性たちが海洋散骨。風の音。
○01:38:10 BGM チンドン屋ふう
「帰ったら、仕事探さなきゃな」
「大丈夫。あたしたち、生きていけるよー。あたし結構強いんだから」
「それにしても長いよな」
「うーん」背中をスマッシュ。夫婦わはは。
「おーい充。母さん結構強いぞー」
エンドロール。

・記憶にない親を思い出すヨスガとして歌、というのは少女漫画にありがちだが、中年でそれが再現されると、こう。

・サントラはたぶんない

■風花  2001

・原作:鳴海章
・脚本:森らいみ
・音楽:大友良英
・116分

○BGMは、全編随所に。
言語化しづらいが、ミョーンミョーンいう、のんきな感じの。
●00:31:00 七つの子(作詞野口雨情、作曲本居長世)(カラスなぜなくの) 1921 【劇中曲】
回想。
電車の待合室にて、母が赤ん坊の孫をあやすのを、若きゆり子(小泉今日子)が、出立の直前に、苛々。
別れの場面。それ以来5年会っていない。
●01:11:00 猥歌「ぴよぴよ」? 【劇中曲】
温泉宿の主人(柄本明)が、食堂に集った客に引き語りする、猥歌。
歌詞で検索してもヒットしないので、たぶんオリジナル。
客も和す。
「いっちょやろうかと、紙がねえもんでよ、人が来たので鼻かんじゃったの」
「親父貧乏して(聞き取れず)オソソするたび、出汁が出る」
澤城廉司(浅野忠信)の気分どん底な状態にぶつけるあたり、黒澤明「生きる」っぽい。
●01:16:00 座頭市 勝新太郎 1967 【劇中曲】
壇上にて、宿の主人が「ひとり座頭市」を演じて歌う。
「およしなさいよ無駄なこと いって聞かせてそのあとに 音と匂いの流れ斬り 肩もさみしい 肩もさみしい」
と、ここでラジカセを切って、台詞部分の「アア…いやな渡世だなア…」と言う。
その滑稽味に、客が拍手喝采。
で、二番の歌をバックに、観客を巻き込んで、演技。
そこにゆり子も巻き込む。
○01:36:20 BGM 能っぽい
ゆり子が独り、軽装で、雪の中で、舞って、凍死へ向かいそうな。
○01:53:10 エンディング
澤城廉司(浅野忠信)が、ピンクの車のサイドミラーで、ゆり子は大丈夫そうだなと見て後にして。
カエルの絵と手書きのスタッフロール。
鉄琴? 木琴? を中心としたのんきなBGM。

・サントラCD
01. Cherry Blossoms
02. Kazahana 1
03. Renji's Story
04. Lemon's Story
05. Airpot~In Traveling 1
06. In Traveling 2
07. Fathers
08. Pinksalon 1
09. Lemon's Daughter 1
10. In Traveling 3
11. Lonely woman
12. Kazahana 2
13. Mountain Hut
14. Zatouichi
15. Gap
16. Lemon's Bells
17. Lemon in the Snow
18. Inokashira Park
19. Pinksalon 2
20. Lemon's Dance
21. Rebirth
22. Lemon's Daughter 2
23. Ending theme

■まとめ


■翔んだカップル  1980
▲あしたのジョー ちばてつや 1967-1973
●異邦人-シルクロードのテーマ- 久保田早紀 1979 【劇中曲】
●ブンブン RCサクセション 1980 【劇中曲】
●円広志 夢想花 1978 【劇中曲】
▲地下室の手記 ドストエフスキー 1864
▲歌い踊るタケノコ族
▲落語 鰻の幇間(うなぎのたいこ)
●行け!タイガーマスク 新田洋 1972 【劇中曲】
●ローレライ H2O 1980 【挿入曲】
●スナックの店内BGM 外国語の女性歌唱 曲名不明 【劇中曲】
●スケーターズ・ワルツ エミール・ワルトトイフェル 1882 【劇中曲】
●夢想花 2度目 【劇中曲】
●バンド グループサウンズ? 曲名不明 【劇中曲】
●BOYS ルイス 1980 【挿入曲】

■セーラー服と機関銃  1981
●カスバの女 エト邦枝 1955 【劇中曲】
▲ひばり・チエミの弥次喜多道中? 1962
●カスバの女 2度目 【劇中曲】
●カスバの女 3度目 【劇中曲】
▲クルージング 1980
▲ひばり・チエミの弥次喜多道中? 2度目?
●セーラー服と機関銃 薬師丸ひろ子 1981 【挿入曲】

■ションベン・ライダー  1983
●渚のバルコニー 松田聖子 1982 【劇中曲】
●スクール・デイズ 河合美智子 1983 【挿入曲】
●雨降りお月~雲の陰 1925 【劇中曲】
●ギンギラギンにさりげなく 近藤真彦 1981 【劇中曲】
●ふられてBANZAI 近藤真彦 1982 【劇中曲】
●雨降りお月~雲の陰 2度目 【劇中曲】
●(不明) 【劇中曲】
●地球をどんどん こおろぎ'73・コロムビアゆりかご会 1973 【劇中曲】
●ふられてBANZAI 近藤真彦 2度目 【劇中曲】
●わたし・多感な頃 河合美智子 1983 【挿入曲】

■魚影の群れ  1983
●涙の連絡船 都はるみ 1965 【劇中曲】
●涙の連絡船 2度目【劇中曲】
●とんとんからりとんからり 数え歌(大正末期から昭和初期) 【劇中曲】
●望郷酒場 千昌夫 1981 【劇中曲】
●遣らずの雨 川中美幸 1983 【劇中曲】
●チャンチキおけさ 三波春夫 1957 【劇中曲】
●とんとんからりとんからり 2度目 【劇中曲】
●船方さんよ 三波春夫 1957 【劇中曲】
●涙の連絡船 3度目 【劇中曲】
●涙の連絡船 4度目 【劇中曲】
●とんとんからりとんからり 3度目 【劇中曲】
●Bright Light in the Sea 原田芳雄・アンリ菅野 1983 【挿入曲】

■ラブホテル  1985
●赤い靴 1922 【劇中曲】
●夜へ… 山口百恵 1980 【劇中曲】
●赤いアンブレラ もんた&ブラザーズ 1980 【挿入曲】
●夜へ… 2度目 【劇中曲】
●赤いアンブレラ 2度目 【挿入曲】
●赤い靴 2度目 【劇中曲】
・山口百恵 マホガニー・モーニング 1979

■台風クラブ  1985
●暗闇でDANCE バービーボーイズ 1984 【挿入曲】
●青い珊瑚礁 松田聖子 1980 【劇中曲】
●SWEET MEMORIES 松田聖子 1983 【劇中曲】
●Feel No Way P.J. & Cool Runnings 1984 【挿入曲】
●翔んでみせろ バービーボーイズ 1985 【劇中曲】
●北国の春 千昌夫 1977 【劇中曲】
●Children Of The World P.J. & Cool Runnings 1984 【劇中曲】
●もしも明日が わらべ 1983 【劇中曲】
●もしも明日が 2度目 【劇中曲】

■雪の断章-情熱-  1985
●さすらいの唄(北原白秋作詞) 1917 【劇中曲】
●夏の扉 松田聖子 1981 【劇中曲】
●恋と涙の太陽 橋幸夫 1966 【劇中曲】
●さすらいの唄 2度目 【劇中曲】
▲うる星やつらオンリー・ユー 押井守 1983
●情熱 斉藤由貴 1985 【挿入曲】
●負けるもんか バービーボーイズ 1985 【劇中曲】
●ノスタルジィ 中山ラビ 1982 【挿入曲】
●買物ブギー 笠置シヅ子 1950 【挿入曲】
●さすらいの唄 3度目 【劇中曲】
●一かけ二かけ三かけて(わらべ歌) 【挿入曲】

■光る女 1987
●オペラ(炎のアリア?) 三枝成章 【劇中曲】 劇中何度も
●泣いて昔が返るなら 小林旭 1976 【劇中曲】
●子ぎつね 唱歌 作詞・勝承夫 1947 【劇中曲】
▲気狂いピエロ? ゴダール 1967
●港町十三番地 美空ひばり 1957 【劇中曲】
●唱歌 曲名不明 少女の歌唱 【劇中曲】
▲小熊秀雄 馬の糞茸(詩) 1955?
●ラストテーマ? 三枝成章 【劇中曲】

■東京上空いらっしゃいませ  1990
●帰れない二人 井上陽水 1973 ※電子音っぽい編曲で、女性ボーカル【劇中曲】
●帰れない二人 2度目 ※井上陽水の歌唱 【劇中曲】
●帰れない二人 3度目 ※加藤登紀子の歌唱 【挿入曲】
●帰れない二人 4度目 ※憂歌団の木村充揮(当時は木村秀勝名義)の歌唱 【挿入曲】
●帰れない二人 5度目 ※小笠原みゆきの吹替歌唱 【劇中曲】

■お引越し 1993
●東へ西へ 井上陽水 1972 【劇中曲】
●森のくまさん ダークダックス 1972 【劇中曲】

■夏の庭 The Friends  1994
●さんぽ 井上あずみ 1987 【劇中曲】
●さんぽ 2度目 【劇中曲】
●Boy ZARD 1994 【挿入曲】

■あ、春  1998
●舟歌? 【劇中曲】
●月月火水木金金 1908言葉→1940軍歌→1977ザ・ドリフターズ 【劇中曲】
●舟歌? 2度目 【劇中曲】

■風花  2001
●七つの子 1921 【劇中曲】
●猥歌「ぴよぴよ」? 【劇中曲】
●座頭市 勝新太郎 1967 【劇中曲】

■感想

・俺の映画にアイドル音楽なんか簡単には流してやるもんかという気概。売り物の販促に映画を奉仕させたくない、と。
・富野由悠季にも通じる気骨。(黒沢清は相米の無愛想さを反面教師にして、マスコミや海外の取材へも極力誠実に対応している、とどこかで書いていた。気骨……逆から見ると扱いにくさ)
・ひとつの曲を分解して、映画の数ヵ所に分散させる。連続性の表現。歌にテーマを語らせる手法。その手法が極まるのが「東京上空いらっしゃいませ」。
・だいたいのカウントで、【劇中曲】66 に対し、【挿入曲】17。よくある映画みたいになんとなく音楽を鳴らせたりしないぞ、という意図なのか、作中人物が「口ずさみすぎる」のか。何かしらの哲学、美学、論理がありそう。
・選ばれることが多いのは、井上陽水。バービーボーイズ。古い唱歌(野口雨情)。舟歌のような民衆の歌から、監督の好きだったらしいオペラまで、幅広い。
・意外と当時の流行りをそのまま取り入れることも多いみたい。徒花とか期間限定の祭り(青春)のような気分を、定着させて後世に残す=映画。(フェデリコ・フェリーニ「人生は祭りだ。共に生きよう」)
・全作、時代設定が撮影当時。いわゆる時代物は一作もない。
・押井守がインタビューで語っていた思いが、一方通行ではなかった、ように思えた、のも収穫。交流の有無は知らないが、寺山修司チルドレンとしても、通ずるものがあったのでは。
・音楽に疎いので、聴くことを自らに課したのは、いい経験になった。評論はできないが、プレイリスト作りはできる。音楽の目次をつけることで、フィルモグラフィーを総覧したり、一作ごとの理解を深めたり。理屈以外の映画理解ができそう。

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