果物に存在する菌を培養してみた #1
はじめに
今回は果物の表面に存在する菌を単離・培養する実験について報告したいと思います!
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このプロジェクトでは、ジャコウネコのフンから採取される希少なコーヒー豆、コピ・ルアクを、果物に存在する菌を利用して人工的に作るというチャレンジをしています!
図1
今回報告するのは図1の「3.単離・培養」の部分です。
この単離・培養実験の最終目標は、コピ・ルアクが作られる際に関与している可能性のある「グルコノバクター」という細菌を果物の表面から取り出して培養することです。
今回は、グルコノバクターが生育できる培地の作成と、その培地で実際にグルコノバクターが生育するかどうかを確認した実験について説明します!
実験の詳細
1.培地の作成
培地とは、細胞や細菌が生育するための栄養分が含まれている環境のことです。
培地には主に
・非選択培地:多くの種類の細菌を培養できる
・選択培地:特定の細菌のみを培養できる
の2種類があります。
そこでグルコノバクターの培養に関する文献を調べたところ、GYC培地 ※1、DSM培地 ※2という2種類の培地が有力そうだったので、試しにこれらを作成してみました。
写真1
2.グルコノバクターの培養確認
続いて作成した培地でグルコノバクターが本当に育つのかを確認しました。
今回は、失敗して培地が無駄になってしまうリスクを考慮し、より安価で菌が生育しやすいGYC培地で試しました。また、グルコノバクターはすでに別の場所で単離されたものを使用しました。
GYC培地は通常、写真1のように曇っていますが、菌が生育すると曇りが取れて鮮明になるそうです。
何もしていないGYC培地とグルコノバクターの菌株をのせたGYC培地を用意し、30℃で48時間培養したところ、、、
写真2
グルコノバクターをのせた方の培地では変色が見られ、グルコノバクターの生育が確認されました!
この実験だけではグルコノバクターのみを選択的に生育できるかどうかは分かりませんが、今回作成したGYC培地で実際にグルコノバクターを培養できることが明らかになりました!
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回行った実験では、作成したGYC培地でグルコノバクターの生育が確認できました👀
現在は2種類の培地それぞれで、果物の表面から取れる菌の中からグルコノバクターを選択的に培養できるか確かめている最中です。
続報をお楽しみに!!
参考文献
※1 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3279764/
※2 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1111/j.1365-2621.1982.tb12782.x
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