懐かしいの作り方
12ヶ月連続CD制作企画
〜CDジャケット編〜
「一年展」を終えて
昨年8月のかききまなみ個展「夢の中へ」の開催中にマリーエンケーファーのオーナーから言い渡されたのは12ヶ月連続でCDを作ること、それにはジャケットイラストも含まれていた。
「そしたらまたここで展示できんじゃん!」
というわけで、やりました。
感想を言うまえに、
12ヶ月連続CD制作企画とは(もう知ってる人は読み飛ばしてどうぞ)
2017年10月~2018年9月まで月1で曲を作りCDにして販売するというもの。
かききまなみの制作サークル「サークルねこわらし」で挑戦しました。(メンバーはかきき、はしもとの2名)
楽曲制作だけでなく、ジャケット、歌詞カード、盤面印刷も含めての企画で、今回の展示をするべく、12枚のジャケットイラストを描いたのでした。
CDは毎月月末にリリースしました。
ジャケットは曲のmixまで終わってから、メンバーにマスタリングをしてもらうまでの間に取り掛かっていました。
制作期間は一週間くらいですかね。
楽曲からジャケット等までを制作するのはもとからずっとやってきたことだったので、この企画は、よりコンスタントに活動するために、今までよりも短いスパンの中で完成させて販売する力をつけよう!というねらいでした。
楽曲制作の方については以前ブログに書いたので、今回はジャケットの方に絞ります。
ということで、
先月11月16日~11月22日までの一週間
原宿にある服屋さんマリーエンケーファーさんの壁をお借りして、かききまなみ個展「一年展(いちねんてん)」を開催しました。
夢にまで見たゴール地点
マリーエンケーファーの壁は12枚のCDジャケットパネルと、その原画でぐるっと埋められました。
ふと思い出しました。
この企画はわたしにとって修行であり、この企画を通して周りにアピールすることができたりして、とにかく力になってくれた。
ならば最後まで力になってもらおうと、原画とパネルの完売を目指しました。
活動資金を集めたいのは当たり前ですが、決して叩き売りをしたわけではなく値段はパネルは2,000円、原画は一点ものなので8,000円~12,000円で設定しました。(オーナーさんと相談して適正を意識して決めました。)
かききまなみの活動のテーマに「わたしたちは今も子どもかもしれない」というのがあります。
その中にはわたしの何よりも好きなもの「懐かしい」という気持ちを作るというのがあります。
その「懐かしい」を作るためにはどうしたらいいのかを考えることがわたしの活動、その作り方とは?
以下展示期間中にツイートしたもの引用
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初めてライブペイントをして展示した日から決めていた、懐かしいを生み出すための気持ち【永遠と喪失】によって、22日までに売れ残った作品(原画)は全部ビリビリに破いて破棄します。
凄くつらい。
つらいけど、
「守りたい」と思うその気持ちは「永遠」を作る。
でも原画は一点しかないので、同時に誰かの「喪失」を作ることにもなる。
今回は特に、
全てもう二度とない、この一年での出来事。
なので、
わたしにとっても、他の人にとっても、買ってもらっても買ってもらえなくても、【永遠と喪失】が同時に生まれるので、それで初めて作品として完成するんです!
でも買ったらその人だけは永遠を手に入れることが出来るんです。
以前も同じように、本当に絵をビリビリに破いて破棄しました。
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わたしはゲームの世界を生きていきたいので、この「一年展」もゲームのようにしてみました。
ゲームにはハッピーエンドかバッドエンドがあります。
誰かが絵を手に入れればハッピーエンドの「永遠と喪失」が生まれる。
手に入れることができず、絵が残り破られればバッドエンドの「永遠と喪失」が生まれる。
つまり必ず誰かが、あぁあの絵はもう写真でしか見ることができないけど、あの展示は楽しかったなぁ、わたしが手に入れたこの絵はその一部なんだなぁ、と、思い出し、時が経てば経つほどに懐かしく思えるということです。
(※以前は破棄したとありますが、これは決してバッドエンドになったわけではなく、もともと値段もつけていなかったし、譲渡する気もなかったので、破棄するところまでをもって完成としたものです。)
結果、完売し、このゲームに参加してくれた人達はハッピーエンドでゲームクリアすることができました。
本当にありがとうございます。
そしておめでとうございます。
絵の発送も終わり、届いた方達からは永遠を手に入れられた感じがするとの声をいただき、寂しくも嬉しくも思っています。(わたしのもとにはもう何一つ遺っていない)
この「一年展」を通して自分で思ったのは、かききまなみの活動が単なる「消費される音楽活動」ではなく、一つの物語を読み終えたときに繰り返し思い出すような、作品や生き方を通して表される、「表現活動」をして生きて行くのだということです。
もっと研究していきたいと思います。
活動は7年が経とうとしていますが、今ようやくプロローグを終えたような気持ちです。(そりゃそうだ)
そりゃそうなのは、まだ7歳にもならない「子ども」だからですね。
新年号からかききまなみは七つの子からはじまります。
(ずっと七つでいこうかは検討中)