北海道原種を探す旅
現在北海道の真牡蠣養殖は、厚岸のカキえもんを除くほぼ全てが東北の種を使い、その地域の特産牡蠣として出荷されている。
北海道にはもともと生息している「北海道牡蠣」は存在しないのか?
今回はそれを探す旅に出かけました。
北方系と呼ばれた牡蠣
もともと北海道には北方系と呼ばれた牡蠣が存在し、「長牡蠣」と呼ばれて流通していたこともあるようだ。
話によるとサハリン沖には手つかずの牡蠣焦が現存し、そこにはラグビーボール大の牡蠣がゴロゴロ転がっているというので、おそらくそれが長牡蠣なのではないかと思われる。
しかし現在市場に流通している牡蠣のほとんどは宮城系のマガキで、牡蠣産地の岸壁などについている牡蠣を見ても、その殻や模様の特長からこれらと交配が進んだものだと推測する。
今もまだどこかで静かに眠っているはずなのだ。
この状況で牡蠣活動家ができることは「繋ぐ」こと以外何もない。
むしろそこに集中すべきで、逆に牡蠣活動家にしかできない仕事だ。
日ごろから全道の原種がありそうな場所をチェックし、各地の牡蠣コンサルの話にやや強引にも地種採苗を絡めてきたのはこの日のため。
そこに日本の牡蠣業界を独走する巨匠達ちがやってきた。
一人は九州から来た世界有数の技術と情報を持つパイオニア。
もう一人は四国から、先の日本牡蠣種苗をけん引するエキスパート。
早速、生産者さんに連絡して根回しを行う。
「牡蠣業界の巨匠お連れするので原種調査のご協力をお願いします」
そうして視察当日を迎えるのでした。
さぁさぁ!こちらです(´∀` )/(´∀` )/
簡単に行けるところに原種なんてありません。
巨匠だろうが関係なし。軽トラの荷台にお誘いしていざ出発!
軽~く小雨が舞う中、原種が探しのテンションが勝り大はしゃぎですw
そもそも何で原種なのか?
四季豊かな日本列島だが、その緯度的境目が温暖化で大きく動いている。
2018年末に北海道を除く全国で原因不明の牡蠣大量斃死が起ったが、北海道を守った環境バリアへの影響が必至で、更に東北一系統による種苗をつかった養殖の現状では、ウイルス性死滅問題などに対応する事ができないと考えている。
更にマガキは比較的容易に交配を行うため、種を産地を超えて動かすことは自然環境からしてもあまりよくない事なのだ。
写真でもわかるように、同じマガキと言っても系統(家系)が違うとこれ程変わるし、斃死について詳しく「牡蠣の大量へい死問題」でも解説している。
ラストチャンス
この天然牡蠣焦を見て想う。
自然的環境が変わる前になんとなしないといけない。
徐々に北海道で牡蠣養殖が盛んになってきており、牡蠣が交配を始めてしまう前に誰かがやっておかなければならない。
これが見つかると日本の牡蠣業界のリスクヘッジになり、北海道牡蠣の差別化に繫がるのだ。正に今こそ北海道原種を探すことに意味がある٩(ˊᗜˋ*)و
と生き込んではいたが。。。
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