サーキュラーエコノミーは日々を捉え直す 「メガネ」である
みなさん、昨年から僕がクリフトの「ザラキ!」ぐらいの頻度で唱えてる「サーキュラーエコノミー」をご存じでしょうか。大体の人が「また新しい横文字が出てきたなぁ」と思っているはずです。安心してください。ぼくも全く同じ気持ちです。
これは完全な主観ですが、世の中のトレンド的な横文字は、代理店やコンサルが新たな価値を見出すために持ち込んで普及させるイメージがあります。あってないような中間層の言葉の定義が、マジックワードとして機能を果たし、新たな市場価値を生んでお金を生む。
では、サーキュラーエコノミーはそことどう違うのか?って言われると「根本的な思考のフレームワークだから、なんか違うんだよな〜!純粋に学びの視点としておもしろいんだな〜!」ということしか今のところ言えません。2022年時点でアクセンチュア含めて名だたる大企業が、この言葉を用いた世界に入っているのは否めないので。
ぼくが惚れ込んで100冊仕入れをした安居昭博さんの著書『サーキュラーエコノミー実践』。飲み会で知り合って、本を読んでおもしろがり、自主的な出版イベントを長野、京都、秋田と三度もご一緒しています。本を読んだだけでもわかりきれない。イベントを三度ご一緒しても、まだまだわからないことがある。
ぼくの大好きな「知れば知るほどに、わからないことが増える」状態を常に提供してくれるのが、サーキュラーエコノミーのおもしろいところだと思っています。わかりづらいからこそ、前述のマジックワードとして機能しにくい性質があるかもしれません。
以下、先日Huuuuで制作した安居さんインタビュー記事の引用です。
サーキュラーエコノミーはメガネである
廃棄ゴミを減らして、自然と経済を循環的にまわすサイクル自体は理解できるものの、結局のところ自分なりの実践と合わせて考えるのが肝要。知識と実践をかけ合わせると解像度が高くなるんですよね。
あまりにも対象が大きくて広いからこそ、サーキュラーエコノミーのメガネをかけることで、日々の暮らしや仕事の中で発見が生まれる。これまで無意識にスルーしてしまっていた事柄が急に見えてくる。自分なりの発見を点として捉えたら、点と点を結んで線にすることで理解が深まるでしょうし、数多の線を見つめたときに、サーキュラーエコノミーの概念である「円」自体が理解できるんじゃないかと思います。
しばらくサーキュラーエコノミーはメガネ説を唱えていきます!
元文部化学副大臣で社会変革のプロ・鈴木寛さんが話していた「5%変われば、社会は変わる。人は微力だが無力ではない」という言葉がすごい大好きなんですよね。ぼく自身は100%の人たちに何かを届けることが向いていないこともあり、いかにコアな5%の人たちと出会うのかが生きる指標になってきています。
政治の世界然り、イノベーションを起こすファーストペンギン然り、まちづくりの文脈でもなんでも、誰かがリスクをとって、一歩目の行動を表すことが大事です。その後に身近な人たちの行動変容につながって、二人目、三人目と拡がっていく。今回のサーキュラーエコノミーは、まずは主体的におもしろがれるアイデア勝負のフィールドだからこそ、より大きな円を描ける可能性が高いです。
いきなりサーキュラーエコノミーを100%理解してくれ〜〜!ではなく、まずはサーキュラーエコノミーのメガネかけてみません? 日本ってそもそも循環型の農業や林業を営んできた歴史があるからこそ、どこの地元でも、どの産業でも廃棄を出さないためのアイデアはいくらでもあるはずです。
軽い投げかけから社会変容を促す。例えば、メガネフレーム自体の素材をサーキュラー的に作ってみて、JINSとコラボしてみるとか。そういう発想もいいですよね。もし興味を持ったら、安居さんのインタビュー記事、もしくは『サーキュラーエコノミー実践』の本を読んでみてください。シンカイのECなら新刊なのに640円引きで買えます!(これはサーキュラー的ではないかもしれません。ただの気合と意地)