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世界の現実が集まる学校『アジア学院』がすごい

昨年取材した中でも「知らなかった〜!こんな世界があるのか!」と記憶に残っているのが、栃木県・那須塩原市にあるアジア学院です。

長野にも大日向小学校、風越学園など、新しい教育の価値観を提示して移住者をたくさん集めていますが、ここはまた別世界。毎年、バングラデシュにミャンマー、インドから、ケニアやタンザニアまで、発展途上国の貧しい農村で暮らす人々が学生としてやってくる。彼らはここで共同生活をしながら、「農村のリーダー」になるため有機農業、畜産、さらには村を運営するためのリーダー論などについて学んでいます。

そもそものきっかけが、「大戦当時、キリスト教会は戦争へ強く反対してこなかった。その贖罪の意味もこめて、『戦後に何ができるか?』という話し合いがあったと。そのなかで、『農村の教育や貧困問題を解決する指導者の育成』が必要だという話になったそう」とのこと。贖罪から生まれた取り組みなのも驚き。


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・1973年 アジアの農村指導者を養成する専門学校として設立

・1996年 創設者の髙見敏弘氏が、アジアのノーベル賞とも呼ばれる「ラモン・マグサイサイ賞」受賞

・創立から現在まで、約1300人以上の学生を輩出、卒業生は約50ヵ国で活躍中

・キリスト教の精神が教育のベースに

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日本がいかに豊かに開発されているのかがわかる、世界中の現実がここに結果集まってくる。

「アジア・アフリカの農村地域って、下手するとバス停まで歩いて1週間かかる。日本に来てトンネルを見ただけで、こんな山に穴を通せるの!?と感動する」

「化学肥料で土壌がダメになったり、農薬で健康被害にあったことに気づけない。気づいたら村民の体調が悪くなってるし、作物もとれなくなってくる。だから循環型農業の視点を母国に持ち帰ってもらう」

「アジア学院で学んだ生徒の一部は、母国での搾取構造に気づいて活動家になる例も珍しくない。ミャンマーの卒業生だけで90人もいる」

「平和な日本とは、もう世界が違いう。内戦を経験して、生死に関わるような状況をずっと生き延びていたような人も来たり。去年来ていたルワンダの人は、10人いた家族のうち、ふたりしか生き残ることが出来なかった」

などなど、世界中で実際に起きている現実が、ここ日本・栃木に集まっている。一昔前はバックパッカーや留学で世界の現実に触れてきたのかもしれませんが、コロナ禍で海外に行けないいまだからこそ、アジア学院のコミュニティに触れるだけで想像力が一気に広がるんじゃないか?と取材中に考えていました。

そして日本人でも入学できます。選択肢のひとつとして、教育のひとつのあり方として、ハードコアな教育を実践しているアジア学院の存在はより多くの人に届いてほしい〜〜!

Huuuuの社会意義は「世の中の現実に触れて、ミツバチのように情報を届ける」ことなのかもしれません。

アジア学院の山下 崇 さん、紹介してくれた宮本 吾一 さん、改めてありがとうございました!!

詳しくはジモコロを読んでください〜。

●世界の現実が集まる学校「アジア学院」って一体なんなんだ⁉︎


1982年生まれ。全国47都道府県のローカル領域を編集している株式会社Huuuuの代表取締役。「ジモコロ」編集長、「Gyoppy!」監修、「Dooo」司会とかやってます。わからないことに編集で立ち向かうぞ!