BOTANICAL SYRUP「草譯」の話し
草譯。
読み方は「くさわけ」。
ただそこに佇む、そっと寄添う香り。それが草譯。
バーテンダーとしてあらゆるものをドリンクで表現してきた、つくり手のKINO野村が素材となる植物の〝譯(特性・言い分)〟を感じ取り、素材の適材適所を追究して仕上げた香り。
野村とボクは小学校からの付き合い。
彼の商品づくりへの静かに燃やす熱・姿勢に美しさを感じ、思考整理などで少しばかりお手伝いさせてもらっている。
人工甘味料をふんだんに使ったジュース、果汁ジュースと一線を画す草譯をぜひ紹介したい。
草譯を構成する素材
メーンとなる素材を軸に、他の素材を組みせるジン提供の製法を糸口に、KINO独自のシロップの製法を確立。
素材は5つ
カルダモン:爽やかさ
ジンジャー:味わいの核
レモン:丸い酸味
バニラ:甘味の奥行きとボリューム
コリアンダーシート:各素材の橋渡し
誤魔化しや無駄なものは削ぎ落とし、素材の特性が発揮できる環境(組み合わせ)をととのえることで、素材たちがシナジーを生む。
クリアでありながらも、織り重なる上質な香りとなる。
なぜ、バーテンダーがシロップなのか
KINO 野村は「バーの街」長野県松本市で修行を重ね、ジン専門店を開業。
ジン以外のアルコールを取り扱わない新進気鋭な経営からニッチなお客様を呼び込む。
しかし、働くうちに、加齢によってアルコールの快楽を諦める人の存在を知る。さらに、アルコールのプロフェッショナルでありながらも、年々お酒に弱くなる自分自身を自覚しはじめた。
それを契機に
「年齢、時間、健康による制約を受けず、ドリンクを愉しんでもらえないか」
と思考を巡らせ、草譯の製造がはじまる。
草譯の反響
選択幅が豊富にあるとは言えない、ソフトドリンク業界。
さらに、香りを推したドリンクは類をみない。
しかし、一度草譯を口にした感度の高い人々に見出され、じわじわと認知が進み取扱店舗が拡大している。
草譯は全行程がつくり手の手作業にある。
カルダモンのサヤを取り除く作業など素材の下処から始まり、調合、瓶詰め、ラベル貼り…。
草譯を一本を作り上げるのに5日間も費やす。
効率化は今後の課題であるが、それよりも高い商品クオリティを保ち、創り出せる価値を最大限商品に付加することを重視する。
「入荷待ち」の店舗もあるが、理解してほしい。
草譯を体感する
すっと体に馴染む。
「シロップ」文脈から想像する甘さでは全くない。
わずか5種の素材にもかかわらず、深みとクリアな香りを生み、優しく踊るスパイシーさが、長い余韻を創る。
「香りを身体に取り込む」
そんな、イメージだとつくり手がぽつりと話していたことを思い出す。
以下、愉しみ方。
ストレート、ロック、ソーダ割りなど
それぞれ違った表情を見せる草譯。
その日の気分、コンディション、シーンに合わせて触れてほしい。
まとめ
気分がいい時、落ち込んだ時
いついかなる時も、只々そこに在る香り
そっと寄添う香り。
ドリンクのプロフェッショナルが創りあげた香りBOTANICAL SYROP「草譯」。
もし、ご関心を持っていただけたなら、InstagramやHPを覗いてみてほしい。