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もっと地域文化と向き合うことにする

「地域文化」という言葉を聞くと、「堅い!」「眠たなる!」って感じしません?
ボクも1年前くらいまでそうだったのだが、いまにも消滅しそうな遠井(とい)村という小さな山村でありながら、伝説や歴史が大量に詰まった村があること知り、「遠井村をなんとか存続させたい」とど正面から大きな問題に向き合う白藤さんという地域愛で溺れそうな人物との出会いから地域文化の既存イメージがぶっ壊れた。

今となっては一個人として「消えゆく地域文化を次世代にちゃんと継承したい」って心から想うようになった。

先日、ボクの想いのはるか先を進み、ゴリゴリやられている うなぎの寝床 白水さんという方に一方的に出会い、脳天をカチ割られんばかりの衝撃を受けたのでそれを自分の備忘録としてまとめる。

今まで捉えてた地域文化

ボクは地域の歴史や伝統芸能には全く無関心だった。
考えるきっかけになったのは、上述したとおり遠井村の白藤さんの出会いだ。

その出会いから、知的好奇心がくすぐられ、朝4時に起きて近所の神社に行ったり、熊野古道を歩いたり、龍神街道という廃道を草かき分けて歩いたりしている。
地元民しか知らないようなマイナー神社に出会った時は特にむらむらする。

ボクが良く記事にする「ぶどう山椒」もただの産物ではなくて、平安時代から先人たちが現代まで繋いできた地域文化そのもので、消滅させるには惜しいと思い色々と頑張っている。


地域文化の定義

ボクが考える地域文化の定義は以下。


なぜ地域文化なのか

面白いと思ったのは以下理由から。



ボクなりの地域文化との向き合い方

その地域に蓄積された人々の文化を残していくのは、ボクじゃなくてそこで暮らす地域の人たち。だからこそ、その人たちが望む理想の未来を実現すべく、可能な限りサポートして一歩ずつ前に進んでもらうこと。
それによって、地域文化のプレーヤーの営みが輝くことが、外部から人を集め、地域に関わる人が増えて、地域文化が後に続くものだ。

…と思っていた…。


「地域文化商社うなぎの寝床」から受けた衝撃

うなぎの寝床 代表の白水さんと一方的に出会ったのは数日前のこと。
同社は地域文化を謳いながら、地方でビジネスを成立させている。とんでもなく地域文化の在り方を掘り下げておられ、地域文化継承に向けた姿勢があまりにまっすぐで、甚く感動した。
地域文化を文脈にしたビジネスが成立している存在がいることがとても嬉しく、また学ばせてもらった。

学ばせてもらったこと

ボクが白水さんから学んだことはざっと5つ。
これから何度も、白水さんのnoteの記事やyoutubeでの事業紹介から学ばせてもらうと思うし、会ったこともないのに勝手に尊敬している。


ボクには表面的なことしか書けないので、白水さんご本人の記事をぜひ読んでほしい。


⑴地域文化継承を謳ったビジネスが成り立つ

地域文化を継承するためにはボランティアベースの活動以外の道がない(マネタイズできない)とボク自身勝手に思い込んでいた。
なので、「地域文化=奉仕活動…ボランティアでは継続が難しいわな…」と悩んでいた。
しかし、白水さんの地域文化への関わり方を知り、いとも簡単に思考の外に連れ出してもらった気分になり、大きな勇気をもらった。



⑵地域文化商社の意義

地域と消費地との間に立つことを考えたことがなかった。
というのも地域文化を語るのは地域の人であって、その地域で育ったわけでもないボクが決して語ることができない領域だと考えていたからだ。
だから、外部の人と地域の人が物理的に出会う機会をつくることが全てだと思っていたが、白水さんの地域文化商社という立場は全然違って、間に入ることで両者のギャップ(つくり手の商品情報を伝える手間、消費地の声など)を埋めることでちゃんと商社の存在意義を創り出している。


⑶地域文化衰退の理由

衰退の理由は正常に経済が循環していないから。
これに関しては、わかっていたが無意識的に目を背けていた気がする。

例えば、自然豊かな山村での農業は作業効率の悪さや獣害被害の多さなどあって、拓けた場所での農業に比べ異常に手間がかかる。そのうえ、よほどの産地ブランドがない限り、取引価格に差がつかない。
望んで二束三文の生業をする人はいないため、どんどん山村などから都市へ人口が流れていく。これが地域文化衰退の流れで自然の摂理。

このようなことは頭でわかったつもりではあったけど、改めて考えるきっかけになった。その上で歪んだ経済構造を直視して、ボクがどのような立場から何ができるのかを考えていこう思えた。



⑷地域文化を収束させることもミッション

「代々受け継がれてきた◯◯を絶やさない」という声が世の中の多数派だが、現代の経済の流れに完全にそぐわない代物もあるし、技術を継承するとかしないとかを決めるのはつくり手の問題なので、外野があれこれいっても仕方ない。というスタンスを白水さんはとられている。
「収束」の道を選ばれた方には動画・書籍化などデジタルアーカイブすることを迅速に進められているらしい。

※後継者を育て、事業継承したいプレーヤーには全力で支援されている様子



⑸潜在的な地域文化をweb上で顕在化させるだけでも意義がある

地域文化は深くて素晴らしい独自進化をしているものがあるが、潜在化されていないことが多い。都市住民は「ネットに載っていない情報=この世に存在しないもの」と捉えがちなので、地域文化をデジタル上にデータベース化して顕在化させることも意義がある。と考えておられる。



これからボクはどうするか


改めて地域文化を考える。

ど直球に地域の歴史などを語ってまうと、引っかかる層は結構限られてしまい、おじい・おばあの専門領域になりがち。
それは悪いことでは決してないけど、それじゃ地域文化の継承とは程遠い。

一方、現状でも多くの人が地域文化に触れる機会は色々ある。
例えば観光地化されたエリアの神社、寺、博物館とか。
ただ、なんとなく人が集まってるものの、難しいパンフレットや一方的に受ける情報では頭に入りにくので、記憶に残らない。

じゃあ、外部の人に地域文化をどうやって深く感じてもらうのか。

〝変換装置〟どうつくる

大事なのが「地域文化」をもっとわかりやすくて、深化できるようにデザインしていくことだと思っている。

そのために、まず堅苦しいイメージを取り除いて、外部の人が「面白そう!」と思えるカタチに “変換” してweb上に入口をつくること。

そして、わくわく体験をしてもらう “装置” をつくること。
その装置は農産物・工芸などの物質的な「モノ」なのかもしれないし、地域文化に触れ合うイベント的な「コト」かもしれない。そこは独自進化を続けてきた地域の色が存分に発揮して、そこに地域文化を背負うプレーヤーが意義を感じて主体的に関わるように整理していきたい。

さらに、段階的に地域文化への関わりを深化できる流れを継続的につくることができれば、継承への道は開かれるのではないかと思う。


地域文化が日本人のアイデンティティを本能的に呼び起こす場所となり、元気を取り戻す場所になるように再定義していきたいと思う。
ボク自身がどの立場で関われば地域文化継承に寄与できるのかこれから探ろうと思う。いくつか頭には浮かんでいて、それは追々チャレンジしていく。

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