【初心者向けミリタリー】無反動砲って何ですか?
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皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。
アニメやゲームなどで御馴染みの武器・アイテムなどにもつながるので、少なからず需要はあるのかな?とも思うのですが、なるべく初心者向けの記事にしたいので、難しい専門用語やクドイ説明はしないようにと思います。
専門的な知識をお持ちの方が見たら「なんじゃこりゃ?」的な所もあるかも知れませんが、素人が書いている記事ですので、ご愛嬌とお許しください。
今日は少し古い火器になりますが、『無反動砲』について書いてみたいと思います。
過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめています。
1.無反動砲の概要等
無反動砲(英:recoilless rifle/recoilless gun)は、一言で言うと、射撃した時の反動が『全く、又はほとんど無い』火器です。
構造上、いくつかのタイプに分類されますが、共通するのは、反作用・作用の法則などを利用して、弾丸を発射する際に生じる強烈な反動を相殺する仕組みが取り入れられていることです。
一般的に火薬を用いる火器全般に言えるのですが、弾丸を飛ばすために使用する火薬の量が多くなればなるほど、そこで生じる反動は物凄いエネルギーを生じます。
このため、口径の大きな砲には、複雑な駐退複座装置や砲を固定するための頑丈なフレームなど、反動を軽減・吸収・受け止めるための諸装置が必要になります。つまるところ、火器の機構が複雑になり、大きくかさばるものになります。(戦車砲や対戦車砲、野戦砲などがその代表的な一例)
無反動砲は反動を相殺する仕組みがあることから、砲身内の圧力が一般的な砲よりも低くなるため、砲身の肉厚を薄くすることができ、砲全体の軽量化が可能とされます。
このため、小型軽量の発射装置で比較的大口径の砲弾を発射することが可能になり、歩兵が携帯する対戦車火器や、軽車両に搭載する対戦車火器として適した火器とも言えます。
2.利点と欠点
(1)利点
○構造がシンプルで軽量
砲弾発射時に生じる莫大なエネルギーの大半を後方に逃がす仕組みによって、砲そのものの機械的な構造を軽量・小型・コンパクト・簡易的なものにできる。
○歩兵用の対戦車火器に最適
成形炸薬弾の登場によって、対戦車火器用の弾丸には初速が必ずしも必要ではなくなったことから、無反動砲は歩兵が携帯する対戦車火器等に適している。
○安い
発射装置も簡易的なものでよく、1発あたりの砲弾の値段も誘導弾に比較すると格安。(命中率は誘導弾の方が優れている)
○運用上の柔軟性が高く幅が広い
様々な弾丸の種類を使用することができるため、戦術行動の幅が広がる。(発煙弾、照明弾、対人用の散弾、対戦車弾など、目的に応じた弾丸が選択できる。)
○(ロケット弾に比べると)命中精度が比較的良い
弾丸内に飛翔用の火薬等を内蔵しているロケット弾などは、構造上、初速が無反動砲弾よりも低く、横風の影響を受けるため命中精度に問題があった。これらに比較すると、無反動砲はロケット弾よりも命中率が高いとされる。
(2)不利点
○射撃できる場所が限られる/どこでも撃てない
弾丸を打ち出す発射用火薬のガス圧力の大半を後方に噴射するため、『後方爆風』が生じる。後方爆風はたいへん危険なものであり、射撃手の安全を確保するため、狭い屋内や掩体内での射撃はできない。
○1発撃つと、射撃位置が敵に即暴露してしまう
後方に噴射する爆風の煙や衝撃波などで、発射位置が敵にすぐにバレる。射撃後はすぐに移動しなければ敵の反撃を受ける。
余談:60年代の無反動砲を搭載した比較的『軽量・小型・安価』な戦車駆逐車両には『スポッティング・ライフル』と呼ばれる12.7mm口径の単発ライフルが同軸に設けられていて、そのライフルを試し撃ちして、目標に命中したのを確認してから本命の砲を発射すると言う方式がとられていた。
○リアクションタイムが大きい
砲の後方に発射ガスを逃がす必要があるため、構造上、弾丸の自動装てん機能をつけることが難しい。1発撃つと2発目を撃つまでに次弾装填作業などに時間がかかるため、初弾必中が要求される。
このため、無反動砲を搭載した戦車駆逐車両は複数の砲身を装備しているものが多かった。
3.代表的な一例
(1)84mm無反動砲
通称”カールグスタフ”とも呼ばれています。歩兵が携帯できるサイズのの無反動砲では超ベストセラー。
世界各国の軍隊(主に旧西側各国)で長年にわたり使用されています。
開発国:スウェーデン(1948年)
(2)RPG-7
旧ソ連製の対戦車ロケットランチャー。砲身から弾丸を射出する無反動砲と原理は異なりますが、軽量・小型・高性能な歩兵用の対戦車火器としては旧東側の代名詞的な武器。
(3)パンツァーファウスト3
見た目はRPG-7と似ていますが、構造が全く異なります。直径110mmの対戦車擲弾を発射する装置なのですが、日本では火器ではなく、『弾薬』と言う区分に分類されています。
4.最後に
毎度のことながらですが、なにしろ素人が書いている記事ですので、諸所分かりにくいところもあるかと思いますが、どうかご容赦ください。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。