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【仕事】孫子の兵法書をビジネスに活用する時の注意点

(全2,222文字)
皆さんおはようございます。

毎週水曜日の朝は、仕事に関連する記事を投稿している、かけうどんです。

今日は『孫子の兵法書』をビジネスに活用する時の注意点について書いてみようと思います。

過去の仕事に関連する記事は、こちらのマガジンにまとめております。


孫子の兵法書をビジネスに活用する時の注意点

結論:孫子の兵法書をそのままビジネスに適用してはならない。

孫子の兵法書の本質は、『兵は詭道なり』です。

敵をあざむけと言っています。

ビジネスには信頼と信用が欠かせません。

そういうことです。

(…短すぎますね/汗)

少し詳しく解説します。

ビジネス・経済と言う『競争』と、究極の戦いの世界である『戦争』は似て異なるもの

孫子の兵法書は古代中国における戦いの原理・原則を分かりやすく体系的に整理した優れた知識として有名です。

欧米の企業コンサルタントや有名大学教授など、ビジネスや経済のことに精通した数々の研究者の方々が、この孫子の兵法書にある原理・原則について研究したり、引用していることも珍しくありません。

本屋のビジネス・経済などの実用書コーナーには、『孫子の兵法書を活用!』みたいな本がたくさんあることからも、優れたものなのだろうなと誰もが思うことでしょう。(私もそんな一人でした/汗)

おおむね間違いではないのでしょうけれど、自分の中に、『見落とし』があったことに気付かせてくれた本がありました。

かなり古い本です。

図書室の奥の棚で、静かにぶ厚いホコリを被っていました。

訳あって、いま、リーダーシップや統率といった知識を本格的に勉強しているのですが、そのおかげで巡り合えた本だったんでしょう。

勉強の最初の入り口は、組織や人の上に立つ人間にとって必要な資質や素養について勉強していたのですが、その中で、源田実氏が書いたこの本に出会えたのは良かったと思います。

タイトルが『経営戦略』とあるように、民間人、企業経営者の方などに向けた内容の本なのですが、戦後間もない頃に書かれたというのもあり、中身的には旧軍での経験や、過去の教訓である『孫子の兵法』に関連する記述も少なくありません。

私も『孫子の兵法』については普通の方よりは少し詳しい程度の自信はありましたが、この本で書かれている解説は今までに読んだどの本よりも分かりやすく解説してくれていると思えました。

その中にあったのが、この『ビジネスに孫子の兵法をそのまま適用するのは注意が必要』と言うくだりがありました。

優れた企業と言うものは、社会に貢献してこそ真の価値が発揮される。その時、顧客に対する信頼を自ら裏切るような行為は決してしてはならない。その時、孫子の兵法の本質でもある『兵は詭道なり』を適用したとたん、一時的に利益を上げることはできても、たちまち組織の信頼は失われることになる。(やや衝撃的な話ですが、ここを説明するため、御巣鷹山の日航機墜落事故の時に実際におこったことを例に書かれています。)

こういった趣旨のことが書いてあったと思います。数回読んだあと、すでに本は返却してしまっていて、ためになることは要約してノートにまとめているのですが、字が汚くて読めなかったもので…(笑)

源田実氏は、孫子の兵法を否定している訳でもなければ、ビジネスに絶対に活用するなとも言ってはおらず、ただ、『使う時はじゅうぶんに注意しなければならない』と仰っています。(ここを誤解されませんように…。)

私が孫子の兵法のことを知ったのは、中学生時代に仲の良い友人が貸してくれた一冊の本がきっかけでした。当時は三国志などにハマっていたのですが、やや難しい内容だったのを覚えています。

孫子の兵法には、今の複雑化した社会構造の中でも参考になることが確かにたくさんあると思います。

しかしながら、『知識』は本質的なところを理解したうえで活用することが重要だということに、この歳になって気付かされたところです。

参考/源田実(げんだみのる)

明治37年(1904年)生まれ。
旧日本海軍の軍人。
最終階級は大佐。
第343海軍航空隊司令で終戦を迎える。
戦後、自衛隊の初代航空総隊司令を経て、第3代航空幕僚長に就任。
その後、参議院議員を4期24年務める。

ご自身はパイロット出身で、飛行機の操縦技術に長けた方だったそうです。
航空自衛隊にブルーインパルスを創設したのは源田実氏です。

現代空軍の戦略的運用の基礎となる考え方をいち早く発想・考案したのも彼です。
その思想は今も世界各国で受け継がれています。

(航空機を一定の限定された空域に集中運用して主導権を握ろうとする考え方。すなわち『制空権』という発想。当時、世界各国では『源田イズム』と呼ばれ受け入れられた。まだ戦闘機の運用方法が発達していなかった時代に極めて先進的な発想を持っていました。)

あまり長く書いても、インターネットに多数ある様々なサイトや情報と差が無くなるので、概要程度にとどめますが、氏が残した考え方や著書には非常に為になるものが多く、今後も機会をみて読んでいきたいと思います。

最後に…

ビジネス関連の実用書でよく目にする『孫子の兵法』ですが、大昔にこのような体系的な概念整理がなされ、今もなお読まれ続けているのには訳があると思います。

今回は、優れた考え方であったとしても、その活用については気を付けておきたいこともありますよ。と言う内容でした。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。




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