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【初心者向けミリタリー】戦車の歴史あらかると/Panzer011【センチュリオン】

(全2,222文字)
皆さんおはようございます。

毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。

この『歴代戦車あらかると』シリーズでは、世界各国の歴代戦車を”単品”で取り上げてみたいと思います。

今回は英国製戦車『センチュリオン』について書きたいと思います。

過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめています。

超ベストセラー第一世代主力戦車【センチュリオン】(英)


1.概要

戦車発祥の国である英国が生んだセンチュリオン。第二次世界大戦後に存在していた数多くの第一世代戦車の中で、最も完成度が高く、名目ともに『主力戦車のベストセラー』と言える優秀な戦車です。

開発国であるイギリス軍で正式採用されたのはもちろん、世界各国に多数が輸出され、実際に戦場でも使用されています。

【基本スペック】
全長:9.8m
車体長:7.5m
全幅:3m
重量:52t
速度:34km/h
エンジン:ロールスロイス社製650馬力

この戦車の特徴として、開発当時に仕様別の複数のタイプが存在していました。

Mk1~2/58.3口径17ポンド砲
MK3~8/66.7口径20ポンド砲
MK9/51口径L7・105mm砲

余談になりますが、Mk9に搭載された『L7戦車砲』は、第二次世界大戦後に西側各国で開発・設計された主力戦車の、ほぼ標準装備になりました。

2.開発の背景・経緯

第二次世界大戦当時のイギリスでは、戦車は大きく分けて2つの系統を装備化し運用していました。

①速度重視の巡行戦車:とにかく速く走る。火力はそこそこあるが、装甲は薄い。

②火力・防護力重視の歩兵戦車:高い火力と強固な防護力。でも遅い。


戦場では様々な状況が生起します。防護力が必要な場面においては巡行戦車は脆く、速度が必要な戦場では歩兵戦車は機動力が不足すると言った問題があちこちで発生していたようです。

当時、敵対していたドイツ軍の主力戦車は強力なパンターG型などが出現しており、巡行戦車と歩兵戦車の長所を兼ね備えた新戦車の投入は急務となっていました。

1943年から『A41重巡行戦車』として開発がスタート。強力な17ポンド砲を搭載し、装甲厚も十分に強化された本車は、当時のドイツ軍主力戦車と互角に戦える能力を得ました。

1945年に初期型6両が完成、翌月に軍に納入されましたが、ベルギーに輸送中にドイツが降伏したので実戦投入はありませんでした。

イギリスで『チーフテン』の配備が始まるまでの20年間、本車はMk13まで改良が重ねられました。また、輸出先の世界各国でも改修が重ねられ、多くの戦場で活躍しています。

3.運用実績

(1)朝鮮戦争

今では珍しくない砲身を安定させるためのスタビライザーなどを、センチュリオンでは20ポンド砲を運用するために装着していました。当時としては先進的かつ画期的な機構で、朝鮮戦争に投入されたMk3は、同戦争に使用されたあらゆる戦車の中で最高の評価を得ています。

(1)印パ戦争

インド側が本車を実戦に投入、パキスタン側は米国製M47、M48パットン。アンブッシュ(待ち伏せ)という戦術的な運用方法の成果もあったとは思いますが、インド側が圧勝しています。

(2)ベトナム戦争

オーストラリア陸軍が本車のMk5/1を投入。しかしながら、ベトナムでは本格的な戦車戦闘は発生していません。写真からもわかる通り、本車は砲塔まわりに工具箱を装着しており、また、当時は珍しかったサイドスカートを装備していたので、それらが『スペースドアーマー/中空装甲』の役目となり、旧ソ連製の対戦車火器RPG7の攻撃から比較的耐えたとされています。

(3)中東戦争

第4次中東戦争では、旧ソ連からアラブ側に供与された『AT3/サガー対戦車ミサイル』が本格的に使用された戦争で有名ですが、多くの西側製戦車が東側ATMに破壊された有名な戦例です。

米国製のM48やM60が大損害を受けたのに比べ、センチュリオンは頑丈な車体と先に述べた『中空装甲効果』から、損耗が比較的少なかったとされます。

余談になりますが、イスラエルは主力戦車をメルカバに更新しますが、爆発反応装甲を装着し延命されたセンチュリオンは、その後もしばらく継続して運用されています。現在は戦車としての運用はされていませんが、地雷などに強い車体の性能を生かし、『ナグマショット』や『プーマ』など、装甲兵員輸送車や歩兵戦闘車、戦闘工兵車両に転用されています。

そもそも、イスラエルがメルカバを開発・装備化できたのは、センチュリオンの運用や整備実績があったからだとも考えられます。

4.最後に…

これまで、『歴代戦車アラカルト』シリーズでは、戦車とは名ばかりで軽戦闘車両や装輪戦車などの記事が多かったかと思いますが、それらもそろそろネタ切れ…、やっと本格的な戦車の記事をアップすることに(笑)

本来であれば、一つの兵器を語ろうと思うと、それこそ何万文字にも及ぶ超大作が書けるほどのエピソードや戦例集などがその背景にはあると思います。まあ、そのあたりのことは専門的なサイトや文献などにお任せして、ここではあくまでも『軽いノリ』で初心者の方にもストレスフリーに読めるものにしたいなと思って書いています。

毎度のことながら、なにしろ素人が書いている記事です。諸所分かりにくいところもあるかと思いますがどうかご容赦ください。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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