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【ミリタリー】バズーカって何ですか?

(全2,222文字)
皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味のミリタリー記事を投稿させて頂いております。

今日は、ゲームや映画で良く登場する太くてデカい筒状の武器『バズーカ』について、なるべく簡単に書いてみようと思います。

初心者向けに優しく丸く書いていますので、専門的な知識がある方には物足りないかも知れませんが、ご容赦ください。

↓↓↓過去の初心者向け軍事の記事はこちらのマガジンにまとめております。

バズーカって何?

有名なゲームを例に言いますと、バイオハザードで出てくる武器では最強クラスになるロケットランチャーやグレネードランチャーですが、あれに似た大きな筒状の火器です。

”バズーカ”とは、第二次大戦当時に米国で開発された武器の総称で、『歩兵が担いで運べる対戦車用の火器』だったのですが、その見た目がアメリカで有名だった音楽コメディアンのボブ・バーンズが愛用した自作楽器(ひとつの漏斗と二つのパイプを組み合わせたもの)に由来してるそうです。

第二次大戦中、兵士たちはラッパ状に広がったデフレクター(発射時のガスが射撃手の顔にかからないように設けられた反射板)の形状がこの楽器に似ていたので、”バズーカ”と呼ぶようになったのだとか。

戦後、アメリカで大量生産されたバズーカは西側諸国に多数供与され、歩兵が携帯できる対戦車火器の代名詞になりました。

これがきっかけで、対戦車ロケット発射機や無反動砲など、細かくは仕組みや構造が違うものでも、対戦車火器全般をバズーカと呼ぶことが多くなったそうです。

何に使うもの?

主に戦車や装甲車、トーチカなどを攻撃するために使用されるものです。

構造はとても簡単で、一言で言うと『単なる筒』です。

そんなモンで戦車やトーチカが壊せるの?

…ですよね(笑)

筒は弾を発射するためのものに過ぎず、弾にちょっとした工夫があります。

硬い装甲やコンクリートを貫通するため、”モンロー効果”と呼ばれる火薬が持つ特性を上手く利用した弾頭がセットされています。

モンロー効果とは、通常、火薬は爆発するとそのエネルギーは爆発を中心に直線状に横や上に広がっていくのですが、円筒状に成形した火薬の底を円錐状にえぐった状態で爆発させると、爆薬のエネルギーが円錐状の空間の中心に向かって収束されるというものです。(下図参照)

モンロー効果

対戦車火器に使用される弾には、このようなモンロー効果を利用したHEAT(ヒート)と言うものが使われることが多いです。

対戦車用の弾頭では、一般的に、円錐状にえぐられた部分に薄い金属が張られていて、火薬が爆発した時にこの金属が気化し、メタルガスジェットと言う、超高温ガスになって装甲材やコンクリートを貫くようになっています。

初期のバズーカは、金属製の簡単な筒に、このようなロケット弾を込めて発射していました。

(弾丸自体に充填された推進剤で弾が飛んでいくものを、一般的にロケット弾と言います)

ロケット弾は、発射する時にガスが後方に爆風として放射されるため、射撃時は後方爆風に厳重な注意が必要でした。後方爆風は強力で、怪我をする恐れがあるため、密閉空間では危なくて撃てなかったようです。

他にどんなものがあるの?

似たようなものに、無反動砲むはんどうほうと言うものがありますが、これはバズーカとは少々違い、砲身の後ろに薬室があり、そこに弾丸とカートリッジ(通常は一体型のもの)を込めて、発射用の火薬で弾丸を飛ばすものです。

分かりやすく言うと、ライフルをそのまま大型化したようなものと思ってもらえれば早いかなと。

無反動砲は、その名の通り、射撃した時に反動が全くありません。

砲身内に溜まった発射ガスを全て後方に逃がす設計になっているので、射撃した時の莫大なエネルギーを相殺できるようになっているので、射撃時の反動が無いことから「無反動砲」と呼ばれます。

発射時のエネルギーを受けなくて済むため、戦車砲や野戦砲のような、複雑な駐退複座装置(シリンダーやばねを用いて射撃エネルギーを緩和する装置)を設ける必要もなく、また、プラットフォームもジープのような軽い車両でも良く、画期的な火器でした。

ただし、発射ガスの大半を後方に逃がすと言うことは、弾丸を前に押し出す力の大半を失うことでもあり、弾の初速は一般的な戦車砲や野戦砲よりも遅く、その分、貫通力も落ちます。

バズーカは弾丸そのものがロケット弾なので、弾に充填された発射用の火薬等で飛んでいきます。複雑な薬室などの構造を必要としないのですが、弾の構造がやや複雑になります。

無反動砲は弾そのものはライフルの弾のように弾頭とカートリッジが一体化したシンプルなものなのでロケット弾よりも安価で量産にも向いていますが、砲自体のつくりが複雑なため、バズーカ砲にくらべて砲の製造コストが高くなります。

簡単にまとめますと…

○バズーカ=砲は安価、弾丸が高価、砲は軽い

○無反動砲=砲は高価、弾丸は安価、砲は重い


ソ連製RPG-7と言うロケットランチャーはとても有名で、様々なゲームやアニメ、映画などにも登場します。


RPG-7

最後に…

近年では戦闘車両の防護機能が向上しているため、ロケット弾方式の対戦車火器は徐々に姿を消し、多目的無反動砲(カールグスタフ)等の一部は残ってはいるものの、対戦車戦闘の主役はATM対戦車ミサイルに交代しつつあります。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。





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