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【初心者向けミリタリー】戦車の歴史あらかると/Panzer007【M1128/ストライカーMGS】

(全2,222文字)
皆さんおはようございます。
毎週木曜日は、かけうどんの趣味の軍事・ミリタリーに関連する記事を投稿する日にしています。

この『歴代戦車あらかると』シリーズでは、世界各国の歴代戦車を”単品”で取り上げてみたいと思います。

今回はM1128/ストライカーMGSについて書きたいと思います。

・・・おいおい。

ここ最近アップしてるのって、戦車ちゃうやんけ!

てなツッコミが入りそうな気もしなくもないですが(汗)

本格的な戦車の記事を書く前に、軽戦車や軽戦闘車両を一通り網羅したかったのと、かけうどんが【軽快にちょこまか走り回る小さい戦車・戦闘車】が大好きだからというのもあります(笑)

よろしければお付き合いください。

過去のミリタリー関連記事はこちらのマガジンにまとめています。

【M1128/ストライカーMGS】

カテゴリー的には、装輪装甲車に戦車砲を搭載した、『装輪自走砲』と言う分類に入る装備です。戦車や歩兵戦闘車、装甲歩兵戦闘車のように、装輪式の戦車砲搭載車両には、今のところ明確な定義が存在しません。

M1128 Stryker Mobile Gun System, MGS

本車輛は、アメリカ陸軍の『ストライカー旅団(*)』で運用されていた装輪自走砲です。

自動装てん装置を含めた車体のメンテナンスコストの高騰などを理由に、全車両2022年に退役しています。

*ストライカー旅団:ソ連崩壊後、全世界に緊急展開が可能な即応部隊と言うコンセプトのもとに創設された部隊。ファミリー化されたストライカー装甲車が編制の中核となった。


1.概要

モワク社/スイス製の装輪装甲車『ピラーニャⅢ』をベースに、JDLS-Canada(ジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ・カナダ)が製造した『ストライカー装甲車』シリーズの105mm戦車砲搭載タイプ。

2002年 試作車完成
2007年 米陸軍に配備開始
2013年 合計142両生産

各ストライカー旅団に27両(各大隊に9両)が配備されました。

2.構造機能や運用

(1)構造機能

ベースが装輪装甲車なので、戦車のように頑丈な作りではありません。あくまでも小口径の歩兵が装備するライフルや、機関銃に対する防護力のみ。一部、正面装甲などは旧東側製の重機関銃(14.5mm級)に耐えられる。

【スペック】
◆重量:18.7トン
◆全長:6.95m
◆全幅:2.72m
◆全高:2.64m
◆乗員:3名(車長、砲手、操縦手)

初期型の車両には、なんとクーラーが未装備でした。このため、制御用コンピューターのオーバーヒートが多発しました。(後に空調システムを導入し改善)

自動装てん装置の導入で砲塔が小型化したとはいえ、ウェポンシステムそのものが大型で、車体構造上ハッチの形状が小さい。このため緊急脱出に支障があったと言われています。

原型のピラーニャ装甲車の後部ハッチはそのまま残っていますが、車体内部は自動装てん装置のメカが詰まっているため、後方からの脱出は不可能。

自動装てん装置がよく故障するのですが、整備のためには兵士がいったん車外に出る必要があり、戦場では非常に危険だったとも言われています。

(2)火力など

本車に搭載されている105mm砲は、本来戦車が装備している大口径砲ですので、十分な火力がありました。

ストライカーMGSが装備する105mm砲は優秀な戦車砲でしたが、そもそもの任務は『歩兵への火力支援』で、対戦車戦闘は考えられていませんでした。

◆車内に18発の砲弾を搭載
◆発射速度:毎分5~6発
◆砲弾は4種類
◆M900:運動エネルギー弾/対装甲車両用
◆M456A2:成形炸薬弾/対非装甲車両・対人用
◆M393A3:粘着榴弾/対物(建物等)用
◆M1040:キャニスター弾(散弾)/対歩兵用

(3)運用

米軍では、歩兵部隊への火力支援には主に航空機を使用していました。

しかし、空爆では叩ききれない目標(ビルの陰や塹壕の中に敵兵が潜んでいる場合)があり、どうしても撃ち漏らすケースがありました。

また、空爆では破壊力が大きすぎるため、コラテラルダメージ(付随効果による被害)が発生することがあり、民間人への被害発生などを含めて、オーバースペックでもありました。

そこで検討されたのが、軽戦闘車両に戦車砲を搭載して、歩兵の前進を火力支援させるという運用方法でした。

この用途のための車両は、MPF(Mobile Protected Firepower - 機動防護火力)と呼ばれ、2024年に配備予定として計画されました。

M10ブッカー戦闘車/MPF(機動防護火力)
2023年6月正式採用

歩兵の火力支援車両としてストライカーMGSが一時的に導入されたものの、防護力不足や自動装てん装置のコスト超過などを理由に、後継となるMPF開発計画では、最終的にキャタピラ式の軽戦車タイプの車両に低反動砲を搭載することが決定しました。

3.最後に…

高威力の戦車砲をぶっ放すには、やはりキャタピラ式の頑丈なフレームを持った車体が必要なんですよね…。

世界中の軍隊で採用されている装輪自走砲の成功例は、恐らく、チェンタウロ/伊、16式機動戦闘車/日なのかなと、個人的には思います。
(異論はあるかと思いますが…)

毎度のことながら、なにしろ素人が書いている記事です。諸所分かりにくいところもあるかと思いますがどうかご容赦ください。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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