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大阪医科薬科大学医学部・後期試験(過去5年間:2020〜2024)

大阪医科薬科大学医学部・後期試験(過去5年間:2020〜2024)

試験科目・試験形式

大阪医科薬科大学医学部の一般選抜(後期)は、一次試験で学科試験を課し、二次試験で面接を実施する2段階方式です。一次試験の科目・配点・時間は以下のとおりです。

  • 英語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ):80分・100点

  • 数学(数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B〈数列・ベクトル〉):90分・100点

  • 理科(物理、化学、生物から2科目選択):120分・200点(各100点ずつ)

また、一次試験当日に小論文(30分)が課されますが、これは段階評価で二次試験時に参考とされます。一次試験の合格者のみが二次試験へ進み、内容は面接試験(15〜20分程度の受験生3人と面接官3人の集団面接)です。小論文のテーマは医療や社会に関する問題提起が多く、400字程度で自分の意見を述べる形式です。

出題傾向(問題の内容と難易度)

全科目とも記述式で解答させる問題が中心で、マークシート形式の選択問題は出題されません。難易度は高めで安定しており、医学部志望者に高度な学力が要求されます。科目別の傾向は次のとおりです。

  • 英語: 長文読解と英作文が中心。大問3題で、うち2題は英文和訳(下線部の英語を日本語に訳す問題)が主体。段落の内容説明や指示語の指す内容の説明を求める問題もある。英文の題材は科学や心理学など多岐にわたり、専門的な語彙も含まれる。3題目は和文英訳(日本語文の一部下線を英訳)で、50語前後の英文作成を要求するもの。全体として文章量は適切だが、全問記述式のため時間内に正確に記述する高い英語運用能力が求められる。

  • 数学: 出題範囲は数学ⅠAⅡBⅢの全範囲で、大問4〜5題構成。各大問は微積分、確率、ベクトルなど幅広い分野から出題され、証明問題や論証を含む高度な問題が出る傾向。設問は一つのテーマに沿って段階的に難易度が上がる構成で、後半では発想力を要する高度な応用問題も含まれる。計算量も多めで、厳密な答案作成力と時間配分力が必要。

  • 理科: 理科は選択した2科目それぞれに大問が課される。

    • 物理: 出題範囲は力学・電磁気を中心に波動・熱・原子など全範囲。大問は4題程度で、力学と電磁気は毎年必出。残りは波動・熱・原子から出題または小問集合でカバーされる。一つの物理現象について複数の設問が続き、設問が進むにつれ難易度が上がる傾向。計算過程が複雑で思考力を要する。

    • 化学: 理論化学・有機化学・無機化学の幅広い分野から大問4題程度出題される。全問が記述式で、化学反応式の記入や有機構造式の描写、実験手順や理由の説明といった論述問題が含まれる。計算問題も煩雑で難度が高く、記述問題も多いため時間的余裕はほとんどない。近年はリチウムイオン電池に関する問題など、時事的な科学トピックも扱われている。

    • 生物: 生物も大問4題構成で、代謝、発生、生体の恒常性、遺伝情報など幅広く出題。設問形式は空所補充、計算、論述、実験考察、図表の読み取り、グラフ作成など多彩。記述解答では字数制限はなく、50〜100字程度でまとめる記述問題が多い。全体の問題量は適切で、難易度も教科書範囲の基本〜標準レベルが中心。

合格最低点と倍率の推移

  • 合格最低点(400点満点)

    • 2020年度:270点(67.5%)

    • 2021年度:256点(64.0%)

    • 2022年度:258点(64.5%)

    • 2023年度:非公表(推定:約63%前後)

    • 2024年度:272点(68.0%)

  • 実質倍率(最終合格倍率)

    • 2020年度:約36.9倍(志願768人・受験591人・正規合格16人)

    • 2021年度:約34.6倍(志願853人・受験658人・正規合格15人+補欠繰上4人)

    • 2022年度:約29.8倍(志願798人・受験595人・正規合格15人+補欠繰上5人)

    • 2023年度:約43.8倍(志願920人・受験701人・正規合格15人+補欠繰上1人)

    • 2024年度:約43.4倍(志願954人・受験737人・正規合格5人+補欠繰上12人)

2025年度入試情報

  • 出願期間:2024年12月11日〜2025年2月28日

  • 一次試験日:2025年3月10日

  • 一次合格発表:2025年3月15日

  • 二次試験(面接):2025年3月18日

  • 最終合格発表:2025年3月19日

  • 変更点:試験科目・試験方式に大きな変更なし。

後期試験対策:科目別学習方法

  • 英語

    • 長文和訳の訓練、英文解釈力・語彙力の強化

    • 英作文の練習(日本語特有の表現を正確に英訳する力を鍛える)

  • 数学

    • 微積分・確率・ベクトルなど全範囲の復習

    • 証明問題・論述問題の演習

    • 計算スピードと時間配分の訓練

  • 理科

    • 教科書の完全理解と過去問分析

    • 記述問題への対策(論述力・計算力・実験考察力の向上)

    • 生物は図表・グラフ解析問題への対応を強化

  • 小論文・面接対策

    • 医療や社会問題に関する論理的思考力の養成

    • 志望動機・自己PRの明確化

    • 想定問答を作成し、自分の言葉で話す練習

以上のように、記述中心の難問に対応できる応用力を磨くことが合格への鍵となる。

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