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【人を見たら困ってると思え】2023-04-20

超、冷静に人助けができた話。


家から駅に向かう途中、駐輪場がある。駐輪場を抜けて駅まで行く。

今日も、いつも通りその駐輪場を抜けていた。

「すいません」と声をかけられた。宗教の勧誘か政党かと思った。


以前も、同じところで声をかけられたことがある。

その時は、隣の自転車とペダルが挟まっちゃって一人じゃ抜けないから手伝って、というものだった。強風で自転車が倒れていたのだが、そこで変な倒れ方をしたんだと思う。

見てみると、かなりガッチリと挟まっていた。片方を持ち上げると、もう片方が一緒に持ち上がっちゃうくらい。

2人でやっても抜けなくて、係の人を呼んで、3人で引っ張って何とか抜けた。20分くらいガチャガチャやってた気がする。雨も降ってて寒かったから、どちらかというと”嫌な思い出”っていうイメージで残っている。


今回はどうだ。


「駐輪場のシステムがわからないから教えてほしい」


そういうのって、係の人を呼んで聞いた方が正確じゃない?数学の勉強をしたいなら、先生より教科書をあてにした方がいいのに。

ただ、困ってる人を見捨てるほど、鬼ではない。快く応えることにした。


「ここの駐輪場は、定期利用ゾーンと一時利用ゾーンがある。」

「この機械に前輪をガッチャンってやる」

「無理に持ち上げなくても、押し込めば大丈夫」

「ここが傾斜になってるから、押し込めば機械に乗っかるんで」

「じゃあ、僕がこっち持つんで、せーので持ち上げてください」

「取り出すときは、ここの番号をあっちの機械のダイヤルに打って、金を払ってください」

電動アシストがついている自転車だったから、重かった。

あと、25時まで停めておくらしい。その時の時刻が19時ぐらいだったから、6時間は停めておくことになる。そんな時間まで何をするのか聞きたかったが、こっちが宗教や政党だと思われたらいやだったから、聞かないことにした。


その人は、すごい「ありがとう」って言ってくれた。

やっぱ、人助けをするといい気分になれるな。そのあとは電車に乗ったけど、車内でずっと「ありがとう」を復唱していた。今でも思い出せる。すごい心のこもった「ありがとう」に聞こえた。


あの状況で”助けない”という選択をする人も、社会にいるらしい。それは、急いでいたり、興味がなかったり、自分にも対処できなさそうだったり。それはそれで、悪いことじゃない。自分都合を優先するべき。

ただ、今日の午後はずっといい気分だった。

だから、これからも困っている人を見かけたら、声をかけて、助けに行こうと思う。別に、見返りなんかいらないんだ。きっと、お天道様は見てくれている。どこかで、この”善行”が何かになって帰ってくると信じている。



話しかけられたら宗教や政党を疑うのは続けていこうとは思う。
優しい人、っていうのはレアケースだから。

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田中 翔
未成年