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AIビジネス推進のためのスキル(“経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角 友愛 (著))を読んで

1.AI技術と企業とをつなぐ役割の重要性

AI技術による企業の課題解決のニーズが高まる背景などは、前回の記事のとおりですが、その中でも特に、AIの技術(専門家)と企業とをつなぐ「橋渡し役」がこれから求められると感じています。

この点を個人的に深堀りします。

企業において、AIをビジネスに活用したいというニーズがあった場合でも、実際にAIを導入する際には、企業の意思決定者の理解を得ることは必ず必要になります。

特に、これからAIを導入したいと考えている企業の多くは、企業の意思決定者の認識とAI技術の「現実」とのギャップが生じることがあるように思います。

私も、勤務場所で気象に関するシステムを利用していましたが、システムを導入する意思決定者は、当初、AIは「万能」であらゆるニーズを満たしてくれるという誤解があったことも事実です。

特に予算や得られるデータなどから、AIによって「何ができるのか」をすり合わせすることは極めて重要でしょう。

そこで、AIの認識のギャップを埋める「橋渡し役」の存在が必要になると思うのです。

そこで筆者は「AIシナジスト」と「AIビジネスデザイナー」の役割を解説しています。

2.AIシナジストについて

AIシナジストとは、

「自分のいる職場(営業、製造、人事など)でAI導入の戦略を練りプロジェクトを社内で推進する人」
「AI活用をして、成果をあげられる人材」                         「AIを使って主業務でのシナジー(相乗効果)を生み出す人」                     “経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角 友愛 (著)より

と説明しており、筆者の造語だそうです。

AIシナジストに必要な要素として、

①ユーザー思考                            ②プロダクト思考                           ③起業家思考                             ④プラットフォーム思考                        ⑤転換思考

の5つの思考を挙げています。

AIの専門的な知識はないとしても、現在の業務において、AI活用の可能性を考えられる人、AIの導入に対して抵抗がない人、と言えそうです。

3.AIビジネスデザイナーについて

AIシナジストとの違いは、AIシナジストはとくにこれといった役職をさすのではなく、今いる自分のポジション(業界と職種)でAIを組み合わせて相乗効果を生み出せるポテンシャルの高い人材をさすのに対し、AIビジネスデザイナー(またはそれに準ずる役職)はIT業界などAI開発を主に事業として行う企業、またはインハウスでDXやAI導入に関する経営企画を行う部署に必要とされる、AIを使ってビジネスの課題解決をすることと、そこまでの推進をフルタイムで行う人をさす。                            “経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角 友愛 (著)より

AIの機械学習のモデルを作る技術者だけの育成では、実際にビジネスへの活用は進まず、AIビジネスデザイナーのような人材も必要になってくるというのが筆者の主張です。

これは、かなり納得できる読者も多いと思うのです。

AIへの期待感はこれまでと比べてかなり高まっているものの、実際には「よくわからない」、「職場の理解が得られない」という状況にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

AIビジネスデザイナーに求められるスキルとして

①AI知識                                                                                ②課題抽出                                                                          ③PoC、現場共感型のAIデザイン                    ④プロジェクト実行力                        ⑤コミュニケーション

を筆者は挙げています。

AIの知識に基づいてビジネスの課題を抽出する。そして課題とAI導入の方向性について、メンバーと共有できる。その能力のあるAIビジネスデザイナーはAI導入の戦略を考える上で不可欠な存在になっていくと思います。

4.橋渡し役としてのキャリアプラン

以上でAI導入のための「橋渡し役」の重要性をお伝えしました。

今あるビジネス課題を解決するためには

データサイエンティスト(エンジニア)⇔AIビジネスデザイナー⇔AIシナジスト⇔企業における意思決定者

のようなAIに対する認識のギャップを極力減らせるようなモデルを想定して人材開発をする必要がありそうです。

データサイエンティストを目指すには敷居が高いという方も、AIビジネスデザイナーやAIシナジストに必要な要素、スキルを身に着けることを目指すのもよいかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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