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三船美優ソロ2曲目『Little More』の考察

はじめに

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Shout out Live!!!で初披露された、三船美優のソロ2曲目『Little More』の考察をするものです。
あくまでも筆者の主観です。普通に解釈違いの人もいらっしゃると思いますが、温かい目で見てください。

前提

『Little More』発売前時点での考察です。歌詞を文字起こししましたが、そもそも聞き取り間違いしている可能性があります。
また、
私のスタンスとして、『Little More』の歌詞に出てくる女性は三船美優ではないと思っています。現役アイドルですからね。そういう物語を演じている(だけど熱が入りすぎててご本人っぽくなっている)と思っております。OL役を演じる際に入り込みすぎて、演技が重いと注意されてしまうような人です(After20の57杯目)。
それが正しいとか間違っているとかではなく、そういうスタンスの人が書いている文章だということをご理解いただければと思います。

まずは『Little More』の歌詞を確認

発売前ですので、Shout out Liveのアーカイブを見ながら書き起こしました。聞き取り間違いをしているかもしれませんのであしからず…。
発売されましたので、耳コピの歌詞については削除いたしました。すべての歌詞については、各歌詞サイトなどで確認していただければと思います。

『Last Kiss』の歌詞との比較で見る『Little More』

時系列

ラスサビの「いつか訪れる最後のキス それまで」という歌詞が盛り込まれているように、同じふたりの物語と考えるのが自然です。それでは時系列はどうでしょうか。
「いつか訪れる」なので、『Last Kiss』よりは時系列が前の話でしょう。
『Little More』→『Last Kiss』という時系列を前提として考察を進めます。

熱くなる前の「ぬくもり」と冷める直前の「ぬくもり」

『Last Kiss』との共通ワードとして「ぬくもり」があります。『Little More』と『Last Kiss』の歌詞を比較してみましょう。

あの日の帰り道 触れた手が伝える
あなたのぬくもりが 離せなくなって
本当はダメなこと わかってるくせして
それでもいいと愛してしまったから

『Little More』Cメロより

そっと聞き入る あなたの吐息 
静かに流れる 束の間のぬくもり
触れ合う指先 なぞってみた光 
あなたの鼓動に 重ねた呼吸

『Last Kiss』1番Aメロより

『Last Kiss』では吐息や触れ合う指先、『Little More』では「触れた手」から感じています。『Little More』は『Last Kiss』よりも距離は遠い感じを受けますが、熱くなる前の「ぬくもり」なのではないでしょうか。『Last Kiss』は冷める直前の「ぬくもり」のような印象があり、時系列・関係性の差を如実に表していると感じます。

「針」が示すもの

『Last Kiss』との共通ワードとしてもうひとつ欠かせないものとして、「(時計の)針」があります。こちらも『Little More』と『Last Kiss』の歌詞を比較てみましょう。

刻み続ける針を戻して
気にする時間も言い訳も置いて
今だけは こんな私のあなたでいて

『Little More』2番Aメロより

何も言わず ただ静かに 過ぎる針を眺めて
差し伸べられたあなたの手 きゅっと握り返した

『Last Kiss』ラスサビより

時計の針に対する感情もかなり違いますね。時計の針は刻み続けるものです。当たり前です。それなのに、『Little More』では針を戻したいと思っています。「あなた」と出会うタイミングがもう少し早ければ…という気持ちでしょうか。それとも、今の「あなた」との時間が過ぎゆくのが惜しいという気持ちでしょうか。「あなた」に対する燃え上がる「想い」を感じますね。
一方、『Last Kiss』はどうでしょうか。ただ過ぎる針を眺めています。世の摂理には抗えないという悟りなのか、諦念なのか。かなり対称的に描かれています。

「想い」は「溢れる」のか「零れる」のか

あなたに対する「想い」にも違いがあります。

ねぇ、ふたり 見つめ合うほど 深まるほど
溢れるあなたへのこの想い どうしたらいい?
私の名前を呼ぶその声に弱くて
また心奪われてしまうの

『Little More』1番サビより

ねぇ、ふたり 見つめ合うほど 求めるほど
溢れるあなたへのこの想い どうしようもない
Ah いつか訪れる最後のキス それまで
終わらない夢をまだ見させて

『Little More』ラスサビより

どうせ なんて言う私を 不安ごと抱きしめた
いつも運命は悪戯 もう戻らない ふたり
笑顔のまま 最後のキス
募る想い 零れ落ちてしまう前に しまう前に

『Last Kiss』ラスサビより

「溢れる」と「零れる」は似た意味の言葉ですが受け取る印象はどうでしょうか。
『Little More』では、絶え間なく「想い」が注がれ続けた結果「溢れて」しまったと考えるのがシンプルでしょうか。非常に熱い想いを感じますね。
一方、『Last Kiss』はどうでしょう。「想い」の器が欠けてしまい、なんとか繋ぎとめているが、今にも「零れて」しまいそうだという感じがしませんか。
動詞の違いで世界観を想像させてくれる渡辺紫緒先生は天才ですね。

『Little More』は「あの頃のふたり」なのか

『Little More』→『Last Kiss』という時系列であることは確認しました。『Last Kiss』には次のような歌詞があります。

このままで このままじゃ ただ流れに身を任せても
あの頃のふたりとは きっと少し違う未来
もう少し あと少し 今だけを感じさせていて
最後のわがまま あなたと私だけのメモリー

『Last Kiss』Cメロより

『Last Kiss』の時系列から見た「あの頃のふたり」ですから、過去の話です。これは『Little More』でのふたりのことを指しているのでしょうか。

私の考えでは、『Little More』よりもう少し前の話、具体的には、「『Little More』で(時計の)針を戻したいと思っている時点」なのではないでしょうか。『Little More』の最後では、「いつか訪れる最後のキス」とあるので、それこそ流れに身を任せていると「『Last Kiss』のふたり」に行きついてしまいます。

(これはものすごーく仮定の話ですが、<学生時代に知り合った二人が、進学や就職で疎遠になってしまった後、お互いにパートナーがいる状態で同窓会か何かで再会したシチュエーション>を想像してみてください。この場合、再会した時点に戻ったとしても、ふたりの物語として周囲から祝福されるようなハッピーエンドは少し考えづらいです。学生時代まで戻らなければ「きっと少し違う未来」にはならないでしょう。)

『Little More』も『Last Kiss』も報われない感じが切ないですが、切なさを歌う三船美優は魅力的というのもまた事実。

さいごに

勢いで書いてしまいました。もし最後までお付き合いいただいた方がいらっしゃったのであれば感謝です。ありがとうございます。
『Little More』は、三船美優というアイドルの強みが存分に発揮された楽曲だと思います。他のアイドルのソロ楽曲ですと言われると、「どうしちゃったんだろう…」と心配になりますよね。
『Little More』は『Last Kiss』の世界観をより鮮明にしてくれます。と言いつつ、『Little More』は『Last Kiss』とは別の世界の話だ、という考察もしてみたい自分もいます。
なにはともあれ、少しでも「みゆすき…」って思う方が増えればうれしいです。
それでは。

※『Little More』発売に伴い、耳コピの歌詞は削除し、該当箇所に引用した部分の歌詞を記載いたしました。(2023/9/23)


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