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556 83歳の日々

(31)盆休みタイからの帰国

 ほっそり痩せ型の青年だったはずが、暑い国で結婚し、タイの才女をめとり、30代で夫婦二人の暮らし、日本を出て8年過ぎたのかなあ?!今、目の前の大きな男が、おばあちゃん元気?と優しい声で目を細めて笑ってる。
 実家は東京だが、父親と2人で、叔父夫婦の山荘(喜来里)に、木曽まで列車でやって来た。
祖母の私も、東京へ行くより、山荘で会ったほうが、ずっと良いと待ち構えていての再会である。
 子供の時、なつき、はじめ、もとき、ちあき、まさき、ゆき、だいき。いとこの名前にふと彼の疑問、ねえ、皆、き、なのに、なぜ僕だけ、め、なの???七人のいとこたちの名前の語尾を指摘したのだった、あーらほんと、変な事に気づいた、ハジくんに大人は大笑い。まもなく生まれて仲間入りの八人目は、カイト君。き、でなく、と、だったよ。
 
思い出は山盛りあるが、まずまず。本日、喜来里に顔を揃えたのは、主夫婦と娘母子、甥父子と私、7人の笑顔。
 
 曾孫のタイまもなく5歳が、大きなおじさん2人に懐くかと?、心配御無用、名前を教えておいたら、顔見た途端若い方を選び、(ハジくん、こっちおいで)と、手を引っ張り自分の遊びに引きずり込みたい。ちょっと荷物降ろさせてよ、ニコニコ汗だくのハジくんは優しいから、たいせい君の目の付け所は正しい。
選に漏れた、他の大人はやれやれ!なんてったって、5歳児のエネルギーは寸時も放出を止めない代物だから。
 1人の子供に大人が6人、先ず的を絞られてハジおじは、色白が赤くなり汗たらたら、気の毒なので女主が、ちょいとおやつを用意し、しばし選手交代にする。ハジくん、ほっと食卓につき、並んでいるあれこれをつまみながら、子どもは可愛いなぁ、日本の味はやっぱり最高、山は良いねえ、ボソボソ感想を漏らす。
その間東京の、かめおじが、外へ連れ出す、虫かな?川かな?なんでも興味持ち、熱中し、休むことなく活動するちび。水は冷たいぜよ、カメおじ、もう、気をつけてよ、ビールのんだんじゃない?すぐ側の川は、流れは急で、なだらかな縁がない、長い梯子を掛けて川中の大きな岩に下りる。早速幼児は転んでわんわん泣く。亀おじに、しがみつき水遊びにもならないうち抱っこして帰ってきた。
汗だくの保護者と涙ためながら、ちびは食卓の食料つまみ食いする奴!もう!
 夜は近くのスキー場で虫取りのイベントがあるらしく、虫大好きな泰成君と大人も出かける予定で、それまでは、細切れ、てんやわんやリレ〜で、時をつなぐ。
バアバとママは常に食料準備係、じいじは全体に目を行き届かせ、なるべく山の良さを味わえる演出のアレコレを妻と相談しながら采配する。
 大勢いると、それぞれの個性を発揮しながら、楽しい空間時間が共有できるので実に愉快、
 83歳でも時に、久美子見てと寄ってくる子の、コマ回しなど、歳の割に器用なのに本当に感心して、あれー凄い、たあちやん、やるじやん!汗だく坊やは得意顔。ちょいと喜ばす術など、何十年も子どもと関わってきた婆様は、体が動かなくても、お手の物。だいたい子どもと同じレベルの感受性の持ち主。
 山で食べれば何でも味が増す、食卓に、順に陣取ってはお腹を満たし、いざ準備もととのい、7時前に始まるらしい、虫取りイベントに勇躍出発した。
 留守番は、ちょっとの間も忙しく
今度は寝具や部屋の割り振り、今後の食料の目処、なんと言っても影の主役の女主は、休む暇なし。手伝えることも、少なくて、私はスマホでリアル発信とか!
 私は自分の都合で、タイから帰国の孫の顔もみたし、一番にここを出る。後続の孫ファミリーには、一宮でも会えるし。
東京からの2人は、昨日から合流した家族と10人で、子ども3人を含め賑々しく過ごしたことだろう、
 タイから帰国の、はじくんは、まだこれから、友達とも会うだろうし、日本の良さも悪さも噛み締めて、今後の人生に思いを巡らせることだろう。
ほんのすこしの時間だったが、異国で暮らす孫の、健全な姿を垣間見れて、祖母としては、大いに安堵した。
可愛がってくれた、一雄のおじいちゃんが、好きだった曲を、喜来里でもいっしよに聴けるよう、流してくれた、ほんとに優しい君が大好き!


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