555 83歳の日々
(30)無理は禁物
コーラスの会、山査子の先生に、本日の欠席をラインした。酷暑の折、ご自愛を、と返信が来る。
実は今日、次女夫婦から、木曽の古民家、喜来里に誘われて、婿殿の都合で午後か夕方、出かけることになっている。
歌の会は午前中なので、行く予定にしていたが、朝、新聞を見て決心した。今日も39度になるとある。山査子の会場までは駅からどうしても歩かねばならない。行きは何とかバスに乗れても帰りは、本数の少ないバスを待てずに徒歩しかない。車人間にはわからない直接的な条件をまともに体で受ける。
他に予定がなければ頑張るのだが、今日からの3泊4日を思うと、とても日中歩いていられない。
先生の美声を聞き逃すのは残念だが、やむなく欠席連絡をした。
世の中全体何もかもが狂っている様相だが、ことに今年の天候は酷い。名古屋が全国で一番酷暑続きなのではあるまいか?
立秋?バカをお云いでないよ!烈火の夏に耐えきれず、草も木も、枯れ枯れ!人間も、うっかりしてると、干物になりそうだよ!
そんなわけで、とりあえず、朝刊はゆっくり読むとしよう。
生協の注文書も書いておかねば。
今日の荷物は、さて、薬類は忘れずに、衣類は山の様子がどんなものかで見当がつかない。出かける前に、些かの食料買い出したかったが、それもあっさり諦める。
若い人が集まるから、なんとかするだろう、今更オババの出る幕無しでお許しを!
これだけ悪条件が続く夏場では、本来、家にじっとしている方が良策とも思えるが、おっと、どっこい!
7月より通い始めた体操教室、元気塾での活動が、老体を目覚めさせたのである。
まだ4回しか参加してないけれど、気分は高揚、ぐったりどころか、心身軽やかに、上機嫌。家でエアコンつけた涼しい中で、もらった冊子のイラストを見ながら、一つ一つやっつけている。
この頃ずっと、体を動かすことなんか全くできていなかったので、簡単な体操一つがゼイゼイ。わかりやすい説明を横目に、すぐ試してみるが、先ず左右10回とか、言われても、なんとも情けなし、たかが4、5回でへえへえ!
10回なんて、とんでもない。
それでも良くしたもので、ちょっと弾みがついたら、単細胞の私ときたら、家中で、机や流し台、階段や部屋の出入口、至るところで、ちょこまか体操。10回もやらなくて3.4回でも気持ちがいい。気がつけば、あっちでちょこちょこ、こっちでちょこちょこ。
体が軽くなるのでいい気分。
危ないとこだったと思う。友達が勧めてくれたから一気に事が進み、今では嘘のように、手も足も体もちょこまか動き。
不思議なもので、少しでも体にメリハリつくと、ぼ〜となりかけていた、頭の回転も動きを取り戻して、はっきりしてきたみたい。
そんなわけで、ノートに書く文章も、朝、その気になって書き出した。
小説のように想像力がなくても、自分の現実ありのままなら書ける。令和の大変な時代に、翻弄されながらも、老いを受け入れ、時代を受け入れ、命ある限り愉快に生きる。
何よりもあるがままの自分を肯定し、痛いときの少ないよう、悲しいことは自ら作らないよう、明るく真面目な性格のままに、生き抜きたいものである。
嫌なことは嫌と、やっと言えるようになった。
無理な事は出来ないと、今、漸く、素直に言える。