564 83歳の日々
(39)フレイルの中で
自分のことは自分で、一応こなし、一人暮らしの日常にさしたる不便はない。生活の場面のちょっとした困りごとは、娘夫婦たちが助けてくれる。費用を出して、他の人に頼むこともある。
自分が楽しむことには積極的で、すこしくらい具合がわるくても、現金なもので、、電車に乗りバスに乗り、どこへでも出かけていく。
さすがに体が重くなって、行動が制限されるようになり、危機感を感じた。
折しも、市の広報で情報を得て、7月から、みんなの元気塾と言うのに、通っている。
小人数の定員で、送迎があり、正味2時間、軽く体操したり、主に認知症の勉強をしたり。週に1回の集まりが楽しくてたまらない。
運動量も適当で、ついていけるし、一人ではなかなかできないことも、仲間がいてリーダーがいて、知らず知らず一生懸命体を動かしている自分がいて、嬉しい。
処が、難は、6ヶ月しか在籍できないこと!
定員は10人だが、時々で人数は変化する。
せっかく顔が馴染み、心も開かれて、仲良くなれそうな、正にその時、別れがやってくる。3ヶ月で気心わかりかけた3人の方々が9月で終了!
ここは居心地が良いなと心身解放された途端に、存在感の大きかった三人とのあっけないさよなら!
一人暮らしで一つ年上のY女史は、ずっと言っていたが最後まで、寂しいを連発、やかましいくらいの、淋しい!の連続が、打ち切られた。サヨナラと自宅前で手を振る細身の彼女の姿に涙が出そうになった。
おそろいの参加でゆったり万事にゆとりを見せたSご夫妻との締めは、双方思いは秘めての落ち着いた別れであった。
ずっと仲良くお幸せにねと心の声。お元気でと言って手を振った!
10月からは、3人の抜けたあと、1人の新人、6人で始まった。
小ぶりにまとまって話もしやすい。席の関係で、離れていた人が近くになって、親近感が増す。それぞれの距離を縮めて和やか。
新人は小柄な御婦人で声も動きも静か、お話ぶりは確りなさっている。他の5人とは、随分隔たりのある状況で、初日でもあり、その方中心の進め方になった。ご本人は何と思われたか?!
どうなるのか、この先のことは、元気塾当事者や介護の面から考えての答えが出るのだろう。
当日送迎の車にのったのは4人。
二人を降ろし、三人目が新人の彼女。古い村の中のどっしりした家、あたりには人の気配なし。杖を突き、たどたどしい足つきで下車して、塀につかまり、車に向かって会釈している。
どなたもいらっしゃらないの?危ないねと私。
家には、お姉さんがおいでとのこと。老姉妹か!
高齢者の一面の現実を目の当たりに感じ、じぶんのことはさておき、胸蓋がれる思い。
介護支援というフレイルの範疇でなく、直ぐにも、介護が必要なのではないかとおもった。
今回は、笑いと認知しようについての、希望的話題に気をよくした自分。特に、健康と要介護の間の虚弱な状態におけるこれ。食事と笑いなど、適切な対処で、フレイルを軽め、ほぼ健康状態に戻せることもありうると。
どちらも得意な私としては朗報ではないか!
笑いは全身の身体動作と、発声のふたつから構成される。笑うことで体の多くの部分の筋肉をつかうとのこと!
痛みに効くとか呼吸機能の改善とか。文句いうより笑ってやり過ごしてから考える自分のやり方で、ゆっくり進めばいいのかなと思った!
後半に入った、みんなの元気塾、短期間でも、時を抱きしめる気持ちで臨んでいる。