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480 82歳暮らしの断片

(21)共鳴する

 実験的パフォーマンスなるものを鑑賞するため、名古屋まで出かけた。
地下鉄の桜通線では、たっ2区。中途半端なので、ユニモールの地下街を歩いて突っ切る。国際センター駅から徒歩3分。
花車ビルは直ぐ見つかった。

ティータイム

 開場まで1時間ほどあるので、錦通りのカフェへ。
歩いて暑かったので、冷たいウインナコーヒーを頼む。生クリームタップリが嬉しいじゃないか。
ゆとりついでにまた、可愛いお兄さんに、ちょっとちょっと、パチリとやってくれない?FBの証拠写真なのよ。気持ちよく笑顔でシャッター押してくれた。そこでついでにリアル発信。
おなじみになった舞踊家の倉知可英さんが、声楽家の毛利美奈子さんとのユニットを結成、今日が初のパフォーマンス。

現代舞踊

踊りは何でも好きで、自分が踊るのは得意なのが盆踊り、孫にダンスの好きな上手な子がいて、男の子も女の子もキレッキレのダンスを楽しませてくれたが、現代舞踊とは馴染みがなかった。
やはりFB絡みで、知多の田舎を舞台にインスタレーションがあった時、初めて可英さんの、幻想的な創作舞踊を見た。暗くなった広い田んぼに明りがチラホラ、小道具はわずかに、闇に流れる音楽に合わせ、白い衣装を翻して踊った彼女の踊りが忘れられなかった。
あれからも会を重ね、趣向を凝らしたダンスの数々、スタジオやら小劇場やら、舞台も様々に、ワクワクして見に行った。
ダンスについてはなんの理屈もなくて、無条件に踊りが好きな私。
しかし今回の演物は特別過ぎた。

声と動き

 舞踊家の動きと声楽家の声とで、得手の分野をエクスチェンジ。
自身の体から発するものを自由に表現する。
共鳴することを実験的に試みるユニットを作った。
其の初の試みを披露するのが今日の舞台。
1回20人、2回の公演。私は午後3時からの部。
小さな会場の壁際に椅子が並ぶ。舞台になる場所には腰掛けが2脚ポツンと。
開演の時間になり、観客は息を潜め、出を待つ。
突然迫力のソプラノ。
真っ黒の衣装を着た歌姫の登場、豊かな声量で歌いながら歩きながら踊り手を待つ。

第一幕

 同じ黒の衣装で踊り手登場。そして歌い手と踊りては、ともに響き合いながら台詞も入って、物語が演じられる。
8年前から互いの分野を行きつ戻りつ、模索を繰り返してきたそうだ。
なんの伴奏もなく、生の声と生の体の動きで、内なるものを表現する。全身全霊、頭の先から足の先まで、思いを表現する。スト〜リーもテーマもハッキリわからないままに、息も継がずに引き込まれていった。
 可英さんの踊りは、私は素養がないながらも、何度も見ているうちに、その力量が充実し大人の円熟がほの見えて、もはや堂々たるもの!踊り手と言うより演技者。手足はしなやかにかつ、強靭に指の先まで気が行き届き、妖しく蠢く。身体のしなやかさは言うまでもなく、顔でいうと目付きが多いに物を言い、髪の毛の一本一本まで、何かを表現している。ときに激しくときに穏やかに、二人はくるりくるりと、絡み、もつれ、行き違う。

2幕

 今までに見たことのない激しく濃密な絡み合い。二人は様々に、リズムを取りながらの表現。邪気を体内から吐き出しているような、呼吸や叫び。ともに息をし、ともに叫びそうになりながら、私も解放された!
髪振り乱し踊っているのか、のたうち回っているのか
二人の指先が触れ合う一瞬
電流が流れるかのように、恐ろしい叫びとともに飛び離れる二人。
力尽きて、柔らかく密やかなメロディ鼻歌のように、寄り添ってぬくもり感じながら法悦に浸っているような、、、
 20人が百人分の拍手と共
に終了。
 今後も、独自の表現方法探るべくパフォーマンスの展開を続けると、挨拶があった。

#実験的な舞踊
#前衛的創作舞踊

 

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