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想いだけでなく「目的」を明確に。コミュニティを閉じる決意。神谷潤さん

2021年12月。Twitterを中心としてコミュニティやオンラインサロン運営を行い活躍されている5人の先駆者の方にご協力いただき、「応援され、愛され、長く売れ続けるコミュニティ術」は何か、インタビューさせていただいた内容をTwitter企画として発信したところ多くの方に手にしていただきました。
大変ご好評いただいたので、未公開のこぼれ話などを少しだけご紹介させていただきます。ビジネスにも人生にも活かせる内容!
ぜひ、あなたの可能性がさらに広がっていきますようお役立て頂けたら嬉しいです。
今回はキャリキャンを運営されていた神谷潤さんの立ち上げから閉じるまでの気づきをお届けします。

神谷さん

「Career Camp」、通称キャリキャン。

2020年1月に立ち上げようと思い、2月下旬に募集を開始。2020年3月から開始しました。コロナ禍という社会情勢もありオンライン化が進んでいたので、人とのつながりを求める学生が多かったタイミングもあったと思う。
また同時に自分のTwitterフォロワーも増えていった時期でもあって、一気に人を集めることができました。
一番多い時では150名程度。平均100人程の学生が常時参加してました。

どんなふうに運営していたのですか?

Twitterで全て集客をしてオンライン(zoom)で定期的にイベントやコンテンツを提供していました。有識者の講師を呼んだり、ビジネススクールの講師も招きビジネス観点も磨けるような取り組みも行ったりと様々な要素を提供できるよう努めていました。

なので、運営も結構大変で運営チームを作り手伝ってもらう形式をとりました。参加してくれているメンバーの中から他薦式で「この人に任せたい」というアンケートをとり、さらにその中から今までの活動も含めこの人ならできるかな、と選抜したメンバーに私から直接依頼をして決めていました。

2021年11月キャリキャンを閉じる。
目指しているものと大きな乖離ができてしまった。

その大きな要因の一つは、ゴールが見えずらかったこと。
「キャリア形成」は壮大なゴールになってしまってを目指すにしてもゴールが見えずらかった。就職活動であれば就職という明確なゴールがあるけど、キャリアって正解がない。
だからメンバーの永続化が非常に難しく、継続する難しさを痛感しました。
そんな中で、私がやりたいこととメンバーが目指していることとのすれ違いなども生じてしまい運営チームの機能もうまく働かなくなったりもして、一旦閉じることにしました。

またやりたくなったらやると思うのですが、一度整理する期間が必要かと思っています。

今回の企画内容の期待に応えられないかもしれないけど、こうしたら失敗する。ということは伝えられるかも(笑)

伝えたいこと

なんのためにやるのか。を大事にしてほしい。対外的にも、自分の中でも明文化しておくことが必要。

お金を稼ぐのが目的なのであれば、それでもいいと思う。それに見合うサービスを提供していっていたり、人を集めた先に出口があって収益を生み出せるモデルがあって、参加した人が幸せになるのであれば、いくらでも会費が高くてもいいと思っています。得たいものは得ればいい。

でも、「なんのためにやりたいのか」がないとチカラは漲ってこない

想いだけでなく、目的を明確にすることで軸やゴールも見えやすくなる。
どういう人に集まってもらいたくて、どういうコンセプトの下で、そのコミュニティに入るとどうなるのか。ということはもっと練り上げてもよかったんだろうな。と運営しながら感じていました。

想いをもって始めたが、学生が求めているかというと求めていないケースもあって、自分が必要と思っていたからって、相手が必ず求めているとも限らない。
目の前の人が漬物を食べたいと思っているのに、フレンチのフルコースは喜ばれないのと同じ。想いとは別にニーズを大事にしていくことが重要と思っています。

そして最終的には「キャリア」に対して、思っていたよりニーズがなかったのかもしれない。もっと内定や就活などわかりやすいゴールの方がよかったんだな。ということも感じました。

総論YES各論NO

「それ、いいですね!」と言っても、実際にコミュニティに参加するかどうかは別なんですよね。
キャリアは5年後、10年後に実感できるものだけれど、今の学生にとっての優先順位は別のものなんですよ。

また、僕自身が決めきれなかったのが一番よくなかったのですが、多くの人が受け入れられるコミュニティを作りたいのか、100人いたら1人、1000人いたら数人でもいいから共感をしてくれる強固な人に入ってきてほしいのか、どっちかに絞る必要があるんだろうなと思いました。広げれば広げるほど入りやすいけど抜けやすい。狭めれば狭めるほど入りにくいけど抜けにくいから。

そこがぶれてしまい曖昧になってしまったのが今回の結果になった要因のひとつでもある気がしています。

コミュニティを作りたい人は、今すぐ回答が出るものではなく将来的に入ってくれたメンバーにこうなっていてほしい。というビジョンを掲げている人が多いと思うのですが、そのスパンをどこに置くかというのが重要と思います。

余裕をもって始めることが大事

お金がない人は始めないほうがいい。

フリーランスでコミュニティをすでに行っている人は余裕があるからできていることだと思います。毎月のお客さんがいて毎月のキャッシュインが潤沢に合って、気持ちに余裕がある人だからこそできると思うんです。毎回のコンテンツや対応など時間もかかることも多い。だから、もし目先の損得で考えてしまう状況に自分が置かれていたりするのであれば絶対にやらないほうがいい。失敗することが目に見えています。

切羽詰まっている人などは、明らかに商品を売りたいから人集めているんだな。というのが確実に伝わってしまうんですよね。

キャリキャンを通して

キャリキャン自体の運営は正直赤字だった。
でも、キャリキャンをやっていたから繋がれたことも多く、得られたことも多かった。キャリキャンの活動を日経にインタビューされたり、そのTwitter投稿を見た法人からのコンサル依頼も金額で言うと1000万を超えました。これはキャリキャンをやっていたからこその効果。キャリキャンを通じて、Twitterを通じて、得たかったことは全て得ることができました。目的は遂げられたと自分の中で思っているからこそ冷静に今を受け止め閉じる決心ができたんだと思います。

最後に

コミュニティの運営は簡単なことではないと思うんです。外資系の企業ではコミュニティマネージャーに年収1000万払ったりもするくらいのことでもあるので。
でも、誠実に取り組むことで必ず得られることはあります。

言っていることがどんなに正しくても行動できていなければ信頼には繋がらない。自分がまずは行動をして目的やゴールを見せてあげることが大事なのだと思います。








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