見出し画像

ミュージカル『GIRLFRIEND』感想~その1~

【はじめに】


あの幸せだった時間を忘れたくない…記憶が失われる前に何とか書き残したいと、思い出しながら書きなぐっただけの感想になります。
長く読みにくいと思いますので、予めご了承ください。

【はじまり】


志音くん推しの友人とそれぞれの推しについて語りながら飲んでいて、「接点がないけどいつか共演できたらいいね」と話していた1月末。1ヶ月もしないうちにミュージカルGIRLFRIENDの情報解禁!まさかの2人芝居でトリプルキャスト、シャッフル公演…夢でも見ているのかと思った2月13日。
当初の予定では、友人と連番で、シャッフル公演(高橋・吉高)の6月28日観劇と、他はなかなか休みが取れないので6月23日の木原マイクの貸切公演を観劇するのみでした。(その時点では本ペア観劇はなし)

これまで舞台は1回か2回観られれば概ね満足していた自分が最終的に8公演も観に行くことになり、気が付けば健介ウィルと萩谷マイクに心狂わされ、生涯で1番の作品となり、今もネブラスカに思いを馳せ続けることになろうとは、当時の私には想像もつきませんでした…

【観に行った公演】


・6月14日(高橋・萩谷)
・6月21日(高橋・吉高)
・6月23日(高橋・木原) (島・萩谷)
・6月26日(井澤・萩谷)
・6月28日(高橋・吉高)
・7月2日(井澤・木原)(高橋・萩谷)

2公演予定から、インタビューや公開稽古等を見て、やっぱり本ペアを観たい!と休みが取れそうな健介くん千穐楽のチケットを追加で取りました。
舞台初日は仕事の予定が入っていましたが、ギリギリまで悩んでどうしても観に行きたくて時間休をもらって行きました。
他は仕事の都合で奇跡的に休みが入れ替わって行けるようになったので追いチケ、別ペアも気になってリピチケ…でした。
結果、健介くんと萩谷さんは全ペア観ることができました!島・吉高ペアのみ観られず残念です。

【感想 その1】 オープニング~ドライブインシアター(2回目)

※主に高橋・萩谷ペア回

音楽が流れ、いよいよ始まる!と胸が高まり、登場を待っていると..…出てこない??
ややザワつく会場。周りの視線を追っていくと、通路からウィルが登場。
健介くんが前日話していた、「僕からはじまります」まさにそれでした!

本来なら間違いなく明るく人気者なマイクであろう健介くんがウィルをどう演じるのか、楽しみでもあり不安もありましたが、少し猫背で歩いてくる姿はウィルそのものでした。
健介ウィルが通った後、ウィルの視界とリンクしたかのように目の前には刈り立ての芝生の匂いが香って来そうな1993年初夏のネブラスカの景色が広がっていました。

「ハッピーニューイヤー!」
「今日から新しい年って言いたいんだ。高校生活が終わったから。」
「悪しき思い出に別れをつげ、新しい1年のはじまり(うろ覚え)」

未練も何もないようにどんどんと気持ち良く教科書などを捨てていく姿に、ウィルにとっての学校生活がどんなものだったかが伝わってきました。

そんな未練なく捨てたリュックの中からはっと思い出し、慌てて拾い出したカセットテープ。
大事そうに愛おしく見つめ、「このカセットはね、マイケルからもらったんだ!」
マイケルって言うのはね...とキラキラした笑顔で話すウィルが本当に可愛くて、明るいけど内気な青年かと思いきや...

卑屈そうに呟かれる
「僕と違って」
「僕のようなやつはこのネブラスカ州に1人もいない。」
「僕のようなやつってどういう意味か分かるかな?」

直接的には話していないものの、自身の性的マイノリティについて、周りに認められることのない諦めや自分1人しかいない(かもしれない)孤独感や怯え…健介ウィルは陰を感じさせるウィルでした。

カセットテープをセットし、スタートを押すと同時にマイクの「I've Been Waiting」が始まる演出が大好きです。体育座りで歌を聴くウィルが可愛く、ウィルに贈った曲のCDを手に取り、優しい笑顔で眺めながらウィルに電話をするマイクもまた可愛くて愛しかったです。
あの表情は友人や気になるやつを思い浮かべる表情ではなくて、愛しい人を思い浮かべる表情だよマイク...

曲の途中でかかってくる電話。
良いところを邪魔されてややお怒りのウィル。
「もしもし!それとハッピーニューイヤー!!」
相手がマイクと分かって、ハッピーニューイヤーなんて言ってないと慌てるウィルも、マイクからドライブインシアターのお誘いを受けて戸惑いながらも素っ気なく「行く」と答えたのに、電話切った後には、「男の子とドライブ…ハッピーニューイヤー!」とはしゃぐツンデレなウィルも可愛くて堪らなかったです。

マイクも電話切った後ガッツポーズで嬉しそうで、健介ウィルと萩谷マイクは最初から両片思いな雰囲気を醸し出していました。

ドライブインシアターに向かう車では、緊張もあってできるだけ端に座るウィルに対し、萩谷マイクは初めから距離を詰めていて、ドライブでも一緒に映画を観ている時でさえもウィルしか見ていない。
映画そっちのけで熱い視線でウィルを見つめているマイクに、途中ちらちらっとマイクを見るウィル。不思議と視線が交わらないのは、二人の成せる技というか、間の使い方の上手さを感じました。

映画の途中、エヴァンジェリンの「長くて細い蜘蛛のような腕が好き」と語るマイクに、そっと袖をまくって自分の腕を見るウィル。
いじらしくて可愛くてキュンと来たのですが、その後、萩谷マイクがウィルの腕を見つめるシーンがあり、もう完全に好きだしウィルの腕のこと言ってる!ってなりました。
帰ってから、また腕を見ているウィルがたまらなく愛しかったです。

最初のドライブインシアターでは甘酸っぱさもありつつも、マイクの無意識の残酷さも感じられました。
緊張を誤魔化すためか、彼女の話をして、ウィルに対して「彼女と似ている」と言ったり、ビュートアベニューを避けて帰る理由など無意識の発言がウィルにとってはいい思いではないし、人の目を気にしたり、マイクにとってウィルといることを誤解されたくない...と少なからず偏見もあるのではとも受け取れそうで、きつかっただろうなと表情を見て伝わってきました。
その前のシーンかあとのシーンか記憶が曖昧ですが、ウィルが男同士の話として、彼女のことを訊ねるシーンがあって、その時にマイクはそんなことよりウィルは付き合った人はいないのかと聞いたり、いなかったから学校で冷やかしの対象になっていたことを思い出したのに、ウィルのことを知りたいがために更に聞き出そうとして、悪気なくウィルのトラウマを抉っていくマイクの無意識の残酷さ。ウィルがトラウマを告白する際の表情が見ていて辛かったです。
このシーンのようなちょっとした目の動き、表情の変化が健介くんは本当に上手くて、繊細な演技がウィルに陰を纏わせていて、この先のシーンでも見られる目から一瞬にして光が失われていく演技はゾクッとする凄みすら感じられました。

2回のドライブインシアターは、ペアによって表現が違う場面もあり、ウィルの性格の違いが表れていたように思います。
マイクの友人たちがマイクの車に気付いた時に、慌てたマイクが咄嗟にウィルに「ちょっと屈んでくれないか」と声をかけた際、島ウィルはもの凄い勢いでがばっと屈んだり、井澤ウィルも素直にすっと屈んだのに対して、健介ウィルは一瞬傷付いた表情をした後、ムッとした表情で応じず。
それに対して、マイクも「ごめん、お前はそんなことしなくていい。」と優しく声かけていたのが印象的でした。

シャッフル回の吉高マイクの1回目のみ健介ウィルも屈んでいましたが、どうにも違和感を感じてしまって、2回目の時に戻ったいたのでよかったです。
他のペアでは屈むシーンも違和感なかったのですが、健介ウィルだと応じないのがしっくりくる感じでした。

ここの車の中のシーンはマイクが友人たちのところに話をつけに行っていなくなった瞬間、ウィルが友人たちについて妄想も交えて一気に話し出したり、マイクが戻ってきた瞬間すんっとしたり、「彼女が来てるから邪魔するな」と友人たちに言ってきたと聞いたウィルが「彼女!?どこっ!?」と探し出したり、いろいろ表情豊かなウィルを見ることができました。

表情豊かなウィルを微笑ましく思うと同時に、そうした表情や思いを自らシャットアウトして出さず、自分の世界の中で生きていかないといけない環境に置かれてきたことを思うと切なくなりました。どうかマイクの前だけでは本当の自分を出して欲しい...

先に本当の自分を出したのはマイクの方で、エンドロールが嫌いと言っていたウィルに配慮して帰ろうとしたマイクにウィルが「見ていたい」と残ることになった際の「告白していい?」

自分への告白かと勘違いウィルも可愛かったですが、千穐楽では「えぇ…どうしようかな…」とトーンの低い返しも印象的でした。
自分の方を見ないで、映画見ながら聞いてと誰にも明かしていなかったことを告白するマイク。
これまで映画は彼女とも友達とも一緒に観たことがないこと、1人が良かったけど、ウィルだけは特別で一緒に観たいと思ったとの告白。

1番か最低でも2番…ではなく、常に1番でなくてはならず、皆の望む姿でいなければならない絶対的プロムキングなマイクにとって初めて見せる弱い姿...
ウィルだからこそ弱さも全てさらけ出して受け止めて欲しいと思ったのでしょうか。

その後、車から降りたウィルがビデオを手にマイクを撮影するシーン。エンドクレジットの画面にマイクが映し出される演出がすごく好きです。

「Winona」の曲に合わせて踊るマイクはとてもセクシーで、スクリーンに映し出されるカメラ越しのマイクはウィルへの愛が溢れていて、カメラに触れてカメラ越しにウィルを見つめる姿はウィルに直接触れて愛を語っているような…私たちが見てはいけないような覗き見をしているような気持ちになりました。萩谷マイクの色気が凄すぎて...ここで萩谷マイクに完落ちした方も多かったはずです。私は完落ちでした...

この後ウィルがカメラを元の場所に置くのですが、井澤ウィルの時はウィルがカメラに笑顔を向けていて、幸せいっぱいの優しい笑顔がスクリーンに映って、ここも好きでした。

最後、歌に合わせて紗幕の奥に立つマイクで終わっていくシーンも印象的で私の好きなシーンの1つです。

【その2に続きます】

#PRMガルフレ
#高橋健介
#萩谷慧悟


いいなと思ったら応援しよう!