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家事整理と時間05「一週間の暮らし方」
「家事整理と時間04」では「一年間の家事予定」を紹介しました。今回は「一週間の暮らし方」です。今も読み継がれる『家事家計篇』の中で、羽仁もと子は「重い仕事はなるべく週のはじめに片付けるように」と言っています。土曜日の夜の過ごし方の提案も、現代の私たちのヒントになります。
一週間の暮らし方
一週のうちでも、重い仕事はなるべく週のはじめに片付けるようにしなくてはならないと思います。土曜日の夜も仕事が終わらずにいると、休むべき日曜に働くようになり、この週の疲れを、とうとう来週に持っていくことになります。そうしてわれらの健康がそこなわれるのだと思います。金曜にはその週の用事がほとんど片付き、土曜にはあまり重くない仕事をのこしておくように。手まわしがよくできて土曜の午後も自由な時間になったらどんなによいでしょう。一家の主婦のよい力が家全体の生活をそこまでよいものにしていかれるように祈りたいと思います。
六日のあいだ緊張して働くというのは、朝から晩までの一日を以上のように送り、一週を以上のように暮らすことをいうのだと思います。
土曜の夜
土曜日の夜を一時間ぐらい家庭の懇談会、歓談会にあてることができればほんとによいと思います。子供たちがまだ幼いときからはじめたらことにしやすいと思います。私たちの学園に組々の懇談という時間があって、ほんとに有益なので、学園に来ている生徒のお家で、家庭懇談会をはじめたお家が方々にあります。一家の事務の相談も頼みたい用事も両親にききたいことも、読んだ本の話でもなんでも出来て面白いのでございます。
「休むべき日曜に」と書かれているのは、羽仁もと子がクリスチャンで日曜日がキリスト教の安息日にあたるものだからです。クリスチャンに限らずどんな人でも、週の前半のうちに重たい仕事を片付け、日曜日によく体を休められたなら、翌週の月曜日をスッキリとはじめられるのではないでしょうか。家事整理とは今は聞きなれない言葉ですけれど、一週間の家事を整理して順序良く予定を立てておくことがコツのようです。
元祖スーパー主婦・山﨑美津江さんは、著書『再出発整理――心地よい居場所とお金のつくり方』(婦人之友社刊)で、1週間の予定表を公開しています。曜日ごとの予定はほぼ決まっていて、「午前と午後では午前の方が効率よく仕事ができるので、朝のうちにこれだけやっておこうと頭が働くようになりました。重たい仕事も1週間の前半に済ませます。この方法にしてから、todoリストも無理なくこなせるようになりました」と書かれています。
コツを抑えて、時間のつかい方が上手な人になりたいものです。
「家事整理と時間」の章はこちらでも掲載しています。