暑い夏が過ぎ去り実りの秋が近づいていると感じるとき、与えられている恵みに感謝をしたくなるのは日本人の感性なのでしょうか。「詩と田」で羽仁もと子は、「田を作るのと詩を作るのは別々の仕事でなく、実に自然なつながりの中にともにある」と書いています。皆さんの日々の暮らしに「田」はあります。そこから生み出される「詩」にも目を向けてみませんか?
羽仁もと子とは、どんな人?
1873年、青森県八戸生まれ。1897年、報知新聞社に校正係として入社。その後、日本初の女性記者として、洞察力と情感にあふれる記事を書く。同じ新聞社で、新進気鋭の記者だった吉一と結婚。1903年4月3日、2人は「婦人之友」の前身、「家庭之友」を創刊。創刊号の発売前日には長女が誕生し、自分たちの家庭が直面する疑問や課題を誌面に取り上げ、読者に呼びかけ響き合っていった。1921年にキリスト教精神に基づき「自由学園」を創立。1930年に読者の集まり「全国友の会」が誕生した。最晩年まで婦人之友巻頭に友への手紙を書きつづけ、そのほとんどが著作集全21巻に収録されている。