見出し画像

パラレル起業で守れるものと、挑戦の方法について。

変わらない、起業家の闘い方

働き方改革や、副業・複業・パラレルキャリアという文脈の中で、「会社員」「フリーランス」の働き方は、大きく変わってきている。

でも、「起業家」「スタートアップ」の働き方はあまり変わってないように感じる。

裸一貫、腹に括った一本槍で闘うスタイル。
とても理解はできる。

自分の持てる100%を注いで、フルコミットで事業の初速を大きくあげていく。リターンを最大化したい投資家の側からしても、間違いなくこの闘い方をする起業家に投資したいと思うはず。

でも、資本金1円でも会社を作れるようになり、WEBサービス等の初期投資の必要無い事業を選べるようになり、大きな調達をしなくてもクラウドファンディング等で少額から資金を集められるようになった。

明らかに状況は変わっているのに、起業家自身が、旧来の闘い方に捕らえられているのでは無いかと感じることが多い。

今回は、メンバー全員がパラレルキャリアで挑戦する当社の代表として、僕らの考え方を提示したいと思う。
これが正解だなんて言うつもりは毛頭無いし、実は無理な話なのかもしれない。それでも、新しい可能性はあるのではないかと思う。

このnoteを書くことで、多くのVCや投資家からの調達は難しくなるのかもしれない。正直、多少の怖さもある。

それでも、これから挑戦する全ての人の「モヤモヤ」を少しでも晴らすことができるなら、僕が発信する価値はあると思っている。


僕たちがなぜパラレルキャリアで挑戦をするのか

僕たちは今、代表である僕も含めて、メンバー全員がパラレルキャリアスタートアップに挑戦している。

恐らく、WEBサービスで起業するIT系スタートアップとしては、それなりに珍しいカタチだと思う。

僕がなぜ、このカタチを選んだのか。
大きく、理由は3つ。

① 挑戦の「1歩目」を軽くする
② 関わり方のグラデーションを許容する
③ 自分と大切な人を守る、防衛線をつくる

ピンとくる人と、こない人がいると思う。
これから、上の3つを説明していきたい。


挑戦の「1歩目」を軽くする

例えば突然「あ、こんなサービスあったらいいな」と思いついてしまったとする。もしくはたまたま行った旅行先で「こんな活動初めてみたいな」と思ったとする。

しかしその「ただの思いつき」の為に、生活の基盤をガラっと変えて、All or Nothingな挑戦をすることができるのかと言えば、ほとんどの人が出来ないはず。少なくとも、僕は出来ない。

でも、その時思いついたそれを、しばらくして他の誰かがはじめていて、それをSNSで見つけた時。人によって度合いに差はあれど「ああ、同じこと考えてたのに」と多少の後悔を感じるのではないか。

もしもその時、”生活の基盤をガラっと変えて、All or Nothingな挑戦をする”以外の選択肢があれば。

その「ただの思いつき」を、平日の夜や休日に、草ベンチャーのように、楽しみながら、挑戦の1歩目を踏み出していたら。

結果はどうなるかわからないにしろ、少なくとも「ああ、同じこと考えてたのに」とはならないはず。次の何かに繋がる、経験は残る。

パラレル起業と言う選択肢には、そんな挑戦の「1歩目」を軽くすることができる可能性があるのではないかと思う。


関わり方のグラデーションを許容する

いざ何かのアイデアを具体化して、事業化するタイミングになったとする。
そのタイミングで確実に必要なのが、一緒に挑戦する仲間である。

その時に「あ、いいなそれ」と思ってくれた人に仲間になってもらうとして、その人にいきなり「全てを変えてここにフルコミットしてくれ」と言えるものなのか。どれだけ自分の事業の成功がイメージ出来ていたとしても、100%なんて存在しない。

そんな中、自分自身もパラレルで挑戦していれば、メンバーにもパラレルな関わり方を提示しやすくなる。それによって生まれる多少の課題は「お互いさま」だからだ。

全員が何が起きても生活に困らない、自分や家族を守れるだけの何かしらの生活基盤を持っているならその限りではないが、それは中々に稀なケースだと思う。

そうでない限り、グラデーションのある関わり方を許容することで「関わってみたい」と思ってくれる人に、無理を強いることなく、仲間として迎え入れることができるようになる

関わるメンバーとしても、自分の視野を広げることで他業にも活かせることも多く、それによって視座も高くなる

例えば、会社員として人事をしているAさんが、スタートアップでSNSマーケをやれば、恐らく採用広報として活躍の幅も広がる。
更にスタートアップならではの起業家との距離感から、事業や組織視点でも採用を考えられる視座も体得できる。(のではないかという仮説)

これは起業家自身がというよりはメンバーのことを鑑みての仮説ではあるものの、この「関わり方のグラデーション」は今後の働き方を考える中で、大きなキーワードになってくると考えている。


自分と大切な人を守る、防衛線をつくる

最後は結局、ここに尽きるのかもしれない。
いざと言う時に、自分や自分の大切な人を守るのは、自分でしかないから

投資家は守ってくれないし、社会も守ってくれないし、ユーザーも守ってくれない。当然のことであり、そこを他人に求めるのは、そもそもおかしい。

自分の「やりたい」だけを通して、生活の基盤をガラッと変えて起業をして、どこかのタイミングで上手くいかなくなって崩れ落ちたら。

自分だけを守れれば良い10代ならまだしも、20代も後半以降になり、これからつくる家族や、既にいる家族に対しての責任もある中、そこまでのリスクは背負えない人も多いのではないか。

「そもそもそのリスクが背負えないなら起業なんてするな」と言う声も飛んできそうではあるが、しかし本当にそうだろうか。

起業したいと望む多くの人が、「誰かのために何かをしたい」という想いを持っているはず。

そういう人たちが、自分や自分の大切な人を守る逃げ道を残しながら、それでも誰かのためにと挑戦する、そんな方法があってもいいのではないか。

そのリスクを取れない状況にいるから、というたったそれだけの理由で、世に生まれてもよかった善意やサービスが生まれないことの方が、よほど損失ではないか。

収入源や、自分のフィールドを複数持つこと。昨今の会社員にとって推奨されているこの防衛線を、起業家だって当たり前に持っていてもいいのではないかと、僕は考える。


挑戦の方法は、人それぞれであっていい

ここまで述べてきたパラレル起業について、賛否両論あるとは思う。
でも、別にそれでいいのではないかと思っている。

本気度なんて、他人に評価されて決まるものではない。
コミットする時間の絶対量なんて、他人に指示されるものでもない。

そもそもその人の挑戦は、その人が自分で決めて自分で責任を取る前提で進められるべきものだと僕は思う。

その人がその時取れる、最善だと思える方法で、挑戦してみればいいのだと思う。上述したように、いざという時には、自分のことは自分で守るしかないのだから。

会社員をやりながら、週末で起業してみる。
フリーランスをやりながら、違うジャンルで起業してみる。
空いている時間で、興味のあるスタートアップに関わってみる。
全てを賭けて、フルコミットで起業してみる。

全て同等に尊い挑戦であり、その方法は、人それぞれであっていい。


最後に

実は、こんなことをモヤモヤと考えている中で、ビズリーチの南代表がその創業前夜を語っている記事を見つけた。

もう何年も前に、この挑戦をされている方がいたことに驚くと同時に、少しの勇気をもらった(草ベンチャーという言葉も、ここから拝借した)。

草ベンチャーならではの目標設定やルールは当然必要となりつつも、その挑戦からここまで大きな影響を社会に生み出している人もいる。

「フルコミットしないと、起業なんてできないから」
「家族を守るためにも、リスクは背負えないから」

そんな風に思って、起業やスタートアップに関わる1歩目を踏み出せていない人がもしもいるのなら。

まずは無理のない方法で、強くあろうと思い切る前に、パラレル起業でスモールスタートしてみてはどうだろう。

そんな人たちの為に、僕たちは tomoshibiというプロジェクト単位での仲間集めの仕組みをつくっている。

挑戦してみたいことがある人には、一緒に挑む仲間を集められる場所であるように。
何か新しいことに関わってみたい人には、興味のあるプロジェクトが見つかる場所であるように。

強い人じゃなくても、挑戦できるようになっている。
仲間を集めて、まずは少しづつ。

自分たちがパラレル起業に挑戦することで、そんな闘い方を、もっともっと広めていきたい。

※追伸
tomoshibi は2018年9月現在、フルリニューアル中です。
まずは9月1週目にTOPページのリニューアル、追ってその他の昨日もリニューアルされます。是非お待ちください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?