補助金の種類について
常時10,000件程度は募集されているともいわれる補助金ですから、活用できる補助金に出会う確率は高いと考えられますが、実際には人気のあるなしなどによって採択率が大きく変わったりしているのが実情です。
では、なぜ人気不人気があるのでしょうか? これにはいくつかの原因が考えられますが、大きな要因としてはさまざまな種類があり、理解しにくいというところにあります。
この補助金の種類を理解しておくほうと活用しやすくなることから、今回は補助金の種類について深く考えてみます。
1・消極的タイプの補助金
補助金の種類として考えられるひとつは、消極的なタイプです。このタイプは、国や地方自治体が掲げている政策の数値目標をクリアするともらえるということで、消極的あるいは守備的な印象があることから、消極的タイプとしました。
このタイプは、例えば、障害者の雇用率であったり、働き方改革に関係した育児や介護と仕事の両立であったり、女性の管理職の比率であったりといった政策には基準となる数値目標が掲げられます。この政策目標を満たしたり、さらに上積みをしたりした場合などに支給されることが多いです。
ですから、厚生労働省の政策あるいは社会福祉的な政策との相性がいいのですし、厚生労働省が行う補助金には○○助成金という名称が多く使われることから、厚生労働省の補助金のことを助成金として言われていることもあります。
このタイプの代表的なものとしては、「キャリアアップ助成金」や「両立支援等助成金」・「教育訓練給付金」などがありますが、いずれも国の政策が数値的目標で表しやすいものですし、達成したこともわかりやすく、目標をクリアしたことで申請していくことになります。
募集の期間については、概ね半年から1年ぐらいの募集期間で行われ、長い時間をかけて政策の目標を周知して事業者に知ってもらうことで、達成への努力してもらい政策の実現を目指すことになります。
まとめると、政策の目的を実現するために目標を設定し、それをクリアした事業者には補助金を出すということになります。ただ、ほとんどの場合では、予算がなくなり次第終了となっているので、気長に対応しているともらい損ねる可能性もあるので注意が必要です。
あと、このタイプで注意していただきたいのは、厚生労働省が管轄している補助金については、社会保険労務士しか申請書類の作成や申請代行はできません。
2・積極的タイプの補助金
もう一つ考えられるタイプは、積極的なタイプです。こちらのほうは、経済の活性化や社会・地域の課題解決を目指すための新しい画期的な取り組みを事業者に提示してもらい、実施主体に認められれば補助金を受取ることができるというタイプです。
こちらのタイプは、政策の数値目標を表しにくい経済産業省の政策を推進するのに有効ですし、経済産業省が管轄している補助金は、○○補助金という言葉を使用することが多いので、経済産業省の補助金を指して、補助金という場合もあります。
多くの場合が、新しく取り組む事業であることが必要であり、事業計画書を提出していく必要があることがほとんどです。また、社会課題の解決との相性もいいことから、申請する事業に社会課題解決の視点を入れると採択されやすくなります。
募集の期間については、概ね1か月から1か月半ぐらいが多いですが、中には数か月ぐらいあったり、公示から3日後に募集を開始して7日後に締め切りというものもあったりします。ですから、募集が公示されてからでは遅いということもありますので、注意が必要です。
また、募集期間が短くコンテスト形式になることが多いことから、補助率や補助金額が高く補助対象が広くて使いやすいような人気が高い補助金などは、事前の準備が重要になってくるところです。
代表的なものとしては、「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり補助金」などがあります。
あと、ほとんどのケースが、事業を行った後で実施報告と費用明細を提出してから帰ってくるということになりますので、事業に使用する資金が先に必要になりますし、報告書の作成が必要となります。
3・社会福祉目的の補助金
社会福祉目的の補助金は、積極的目的も消極的目的もあります。こちらは、実施主体の性格によるところも大きいですし、補助する対象者や対象金額によって積極的目的になったり消極的目的になったりします。
また、○○を支援する活動を行う団体とか△△を支援する活動とか、ピンスポットで出されている補助金もあったりするので、種類としては社会福祉や社会事業目的というカテゴリーに分類しておくほうがわかりやすいところかもしれません。
4・起業や融資に対する補助金
地方公共団体が管轄地域で起業する人に対して行う補助金や、融資を受ける際の金利や手数料などを優遇するといった補助金もあります。
多いのは地方公共団体や商工会議所などで、中小企業診断士などの経営アドバイスを受けることとセットになっていることが多いのですが、地方議会の議決を経て行われているので、補助金の一種と考えられます。
起業する際の費用を補助したり、融資を受ける際の利子や手数料を補助したりするなどの種類があり、商工会議所や金融機関に相談に行ったときに紹介されることが多い補助金です。
非常にありがたいところはありますが、信用金庫などから借り入れた場合は、その信用金庫の視点がない市区町村には移転できなくなるなどの制約が生じることもあるので、積極的に活用しながらもリスクを忘れないようにしていきたいところです
こちらのほうも、経済の活性化という政策目的ではありますが、積極的目的や消極的目的とか、社会福祉目的・社会事業目的とかに分類できないところがあります。
5・申請時の注意点
国や都道府県・市区町村などの公的機関からの補助金を申請する際は、税金を滞納していないことが求められることが少なくありません。
資金繰りが苦しい時に、補助金を利用して活路を見出したい時などは、まずは税金の支払いを行わなければならないことになりますので、しっかりと計画的に申請する必要があります。
また、民間団体からの補助金に多いのですが、積極的目的の補助金でもまれに定款の提出を求められることがあります。定款にはない事業を行う事業計画を作成しても、採択されない可能性が極めて高いので、注意が必要になります。
あと、他の補助金との併用が認められていないこともあります。このあたりは、他の補助金に応募していた場合は申請できないものや、申請していることを明記しなければならないものなど、それぞれで異なっているところですので募集要領をしっかりと読み込んでおく必要があります。
そのほか、細かい注意点は山ほどありますが、申請から使い方、報告書の作成までのほとんどのことが募集要領に明記されていますし、わからないことは問い合わせればしっかりと答えてくれるので、意図的に不正受給を試みるなどの、よほど変なことを行わなければ問題にはならないところだとは思います。
以上、今回は補助金の種類について考えてみました。一言で補助金といっても、さまざまな目的がありますので、しっかりと把握して活用していただく際のご参考になるところがあれば幸いです。
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