生地「フルイマチ」のできるまで(前半)
ご近所、羽根木公園の梅が綺麗に咲く季節になりました。
春はすぐそこ。
まだ気を抜く状況ではありませんが、
世の中もちょっとずつちょっとずつ。
穏やかさに向かっているようにも思います。
暖かい風に包まれ、きれいな色のシャツを着て、
街をのんびり歩きたいものですね。
前回スケッチで終わっていたフルイマチの話のつづき。
デザインを考えるとき、落書きのようなスケッチからスタートします。
でも、落書きの段階で、テキスタイルデザインには外せないリピート(生地の模様の繰り返し)をイメージしています。
厳密にいうと、デザインのモチーフになりそうなものを眺めている段階で、ボンヤリと生地になる想像をしてリピートされたイメージが頭の中には出来上がっています。
街を歩いているときなどに、風景が連続した柄に見えることがよくあります。
こんな生地があれば良いのに、、、と考えてしまいます。
もはや職業病のようなものです。
©Google Map
このフルイマチも、風景を見ている段階からある程度ですが、青写真のようなものが頭の中にありました。
ところが頭にあるからと言って、すぐにデザインが決められるわけではないのが大変なところです。
kakapoというブランドでデザインする時にいくつか決め事を作っているためです。
例えば、フルイマチのように、プリントで表現する柄を考える場合、シルクスクリーンの型は3枚まで!と決めています。
つまり使える色が3色ということ。
できるだけシンプルに表現することを心がけています。
シンプルの理由は、また今度お話しするとして、、、
今回はフルイマチの出来上がりまで、手順を追っていきますね。
手描きのスケッチを何枚も何枚も描いて、徐々にイメージを明確にしていきます。
そして、それをパソコンに取り込んで、次の作業に入るわけですが、この段階でもまだ何通りも候補があり、なかなか決められません。
おそらく、頭の中のイメージが強すぎて、そこになかなかたどりつけないのです。
それでもシツコク向き合い続ける!
楽しい時間でもあります。
9割ほどデザインが完成!と思ったところで時間を置いてまた向き合ってみる。
・・・また違う気がして、イチからやり直し!
ということを繰り返しながら「コレ!!」というデザインができるまでじっくり忍耐の時間です。
徐々に修業のような時間に入ります。この修行のような時間は産みの苦しみ!地獄の時間。
でも、ここから抜ける瞬間。
おそらくモノづくりの人、誰もが体験する最高の瞬間です!!!
そして、次は出来上がった柄の色を決めていきます。
1色目はデザインをスタートする段階で、ある程度決まっているのですが、これも徐々に変化していてなかなか決められません。でも色を決めるのは、大好きな作業です。延々とやっていられます。
ですが、区切りをつけなければいつまで経っても生地はできません。
出来上がった柄データは、シルクスクリーンの型屋さんに送ります。
昔はMOやCDに焼いて送っていましたが、今はポチッとメールで送ります。
プリントに入る前にまずはプリントの型作り。
シルクスクリーンの型を作ってもらいます。
ちなみにkakapoのハンガーラックは、生地のプリントに使うシルクスクリーンの枠を使っています!
今日のお話はここまで。
読んでくださってありがとうございます。
ごきげんよう。
テキスタイルデザイナー
カネイチヨウコ