インターネット老人と舌ピユニコーン
高校時代の友人と、久しぶりに電話をした。
別になんか目的があるわけでもなく、お互いに暇だから、夜中、だらだら、喋っていた。
流れで、「今の小中学生に、まだ俺たちの時代の”小中学生あるある”は通用するのか」みたいな話になって、
色々と「これは通用しそう」みたいなあるあるを出していく中で、
自分たちの中の「メガネをかけた女子中学生」の解像度の高さに気づいた。
「メガネをかけた女子中学生」ね〜
、
今の時代は居ないのかしらね、
休み時間、みんなに聞こえそうな声量でBLの話をしておきながら、他の生徒に何の話をしているのか尋ねられても詳細に答えることはしない、「メガネをかけた女子中学生」ね〜
、
定期テストの余白の部分とかに絵を描いてて、他の生徒から「絵上手いね」って言われたら「全然、全然、底辺絵師だから」と、別に誰からもそう呼ばれてないのに「絵師」を自称していく、「メガネをかけた女子中学生」ね〜
、
「もし、メガネをかけた女子中学生が現存するとして、今はもうサブスク(?)とかの時代、『銀魂』とか『カゲプロ』とかの、嘗て彼女らの間に存在して、バイブル的な威光を放っていたコンテンツも、もうその輝きを失っているのかもしれない」
みたいな話になって、
いや、それってもう悲しいことじゃないのか、と。
今のインターネットチルドレンが何を情報源として、何を崇拝して、何を自らのアイデンティティと履き違えているのか、今の僕らには知る由もないのだな、嗚呼すっかり僕らはインターネットジジイになったのだな、みたいな話をして、
その話だけで一時間くらい盛り上がって、
次の日シラフになって思い出したんだけど、
昨日電話したあいつ、
高校時代、学年トップクラスの才女と付き合っていた気がするんだよな。
気がするっていうかそれは事実としてあったわ。
で、ずっと成績も良くて、友達も多くて、
で、
で、今は大学で、サークルだのなんだのと充実した生活を送ってて、
なんで、
なんでそんなやつが、この俺と、「メガネをかけた女子中学生」とか、インターネットジジイの話がずっとできるんだ?
深夜によぉ
インターネットジジイトーク
もし彼が「メガネをかけた女子中学生」の文脈の男子中学生だったとしたら、
高校デビューがうまく行きすぎてない?
まあ良いか。
それと、
僕達は、昨晩の電話口で、「舌ピアスを開けた女性と出会ってみたい」という旨の話をした。
「まだ出会えてない」「舌ピを開けた女性は幻かもしれない」「舌ピガールはユニコーンだった?」「もしいると仮定して、その娘の知り合いがピアス開けてなかったらなんか許し難い」的な話。
あー
それも
分かるわぁ〜
そら会いたいじゃん、
ユニコーンに、さ………
分かるわぁ〜…
なんか、閾値が同じなんだよな、俺たちな。
人間って、それが全てなのかも知れない。