君との繋がり、5メートル。
とんでもなく辛いときが人間にはある。とてつもなく孤独で、来たるはずの未来すら真っ黒に塗りつぶされた様な、そんな感覚。
周りには満たされていそうな奴らばかりで、彼らと比べていつも自分を卑下してしまう。そう、彼らの裏側にどんな闇があるのか考えることをせずに。
独りよがりであろう。誰かの一番になりたい。そう思うことは僕の心をぎゅうっと締め付ける。僕にとって一番の相手は、僕のことを二番手以下として軽くあしらう。
だが、それは確実に僕が求める
繋がり
であることに変わりはないはずなのに。
いつも切に「繋がっていたい」と願う僕はそれを繋がりと認識出来ずにいる。今どきの言葉を敢えて借りるとするならば、
メンヘラ
なのであろう。しかし、そのような軽い、云わば承認欲求とかいう次元は遠に超えている。
そんな平たいレベルの話ではなくもっと深く、複雑な話。
今日は未曾有の某ウイルスに世界が飲み込まれ、今も尚世界の在り方を揺るがされ続けている。新たなライフスタイル、ワークスタイルが提唱され、
生の繋がり
というのは避けられざるを得なくなってしまった。インターネットを介した電波の繋がり。仕方ない、とそればかりに身を委ね動かそうとしない世の中にただ独り佇む僕。いつも、自分には何が出来るだろうか、と自問自答を繰り返す。自分の今までの生活スタイルと感染対策を天秤にかけて上手く釣り合う、均衡の取れた所で今を生きたい。鼻から、無理だ、と諦めるのでは無く一度現状を咀嚼して、消化しようとしてみる。あわよくばそれを昇華しようしてみる。
「来たるいつか」の為に生きるのではなく、「目の前にある今」を貫きたい。
そうすればきっと新しい世界が見えてくるはずだ。所詮人間、自分が可愛くて仕方ない。自分の生きやすい様に自分の周りを少し変えようとするのは間違いではないと思う。
単に独りを生きてはダメだ。今は動かずとも、ミライはやってくる。今を動かし続け、本物の「未来」がやって来たとき、僕と君は繋がるかもしれない。5メートルより近い距離感で。