易い感情
恋愛感情なんて易いものだろう。
そう思ってしまう自分がいる。
現に僕はいつも独りだし、そりゃ心温めてくれる異性がいればなぁと思うのは確かだ。しかし僕の恋愛観はあまりに堅すぎて誰もそれを撫でてはくれないし、理解してくれる人なんていやしない。
そんな現状に嫌気が差して僕は恋愛感情を飲み込めずにいる。斜に構えているのは重々承知で馬鹿げたことをしているのも痛いほど分かる。けれど俺なんて所詮恋愛で成就できるほど魅力があるわけでもなんでない。
さっさとそんな感情に見切りをつけて自分独りで生きていく術を見つけることの方が賢明だと思う。寒いなぁ。そんな風にも思う。寂しいなぁ。そう思うこともあるけれど、その恋愛感情に振り回されてしまう脆弱な自分が存在するのだから仕方がない。簡単に人を好きになって、易々と絶望させられる。しかもそれは独りよがりな感情である。
早く独りに慣れて確固たる何かを建てなければ。
それはアイデンティティーに繋がるものだと確信してはいるけれど。