ふたり以上。
少し考えてみた。
君は何なんだろう、と。
僕にとって君は限りなく不完全な訳で見るに堪えない。浅はかな側面ばかりが露出し、それらと少しの妥協点で凸凹に見える。ボコボコの表面。それでも君は「これでも取り繕ってんだ」と嘆くのか。
ひとつの世界に固執するのが嫌いだ。だが、その世界に依存して、別世界を見れないのもまた事実だ。僕の信じる世界から抜け駆けして先立ってしまった君が羨ましい。恨めしい。
独りよがりであろう。都合の良い距離に人を置いておきたいだけのそれこそまさに浅はかな側面。
辛い。悲しい。そんな感情を吐露できる瞬間があれば良いのだが、ある訳がない。都合の良い距離に人を据えておきたい割には、自分から距離を詰めることができない。絶縁。
君のために生きたいさ。そう思う。人のためにできることはあっても、人のために生きることができない。ただ、そこには「君も僕のために生きて欲しい」という感情が心の裏側を這う。もうダメだ、と挫けそうなときに笑って顔を覗き込んでくれるそんな存在。高望みか。傲慢か。例えそれを飲み込んで昇華してくれる人が居たとしても、その相手の些細なミスでそれを欺瞞としてしまう僕はもうどうしようもない。
「本当」ばかりを求めて、5メートル先の景色さえ霞んで見えている。レンズは曇ったままだ。耳もイヤホンで鼓膜が常に揺らされていて、大事な「音」を聞き取れていない。
さぁ行くしかない。こんなご時世だからこそタフに生きねばならん。ありきたりな言葉だが。
生を肯定できる何かを僕自身が紡ぐのだ。