見出し画像

さあ!オムツを替えよう!

結論から書くと、僕はオムツ交換が大好きである。Twitterは、ほぼ料理アカウントになっているので、なんとなく書くのがはばかられていたオムツの話。大好きなオムツ交換について熱く語れる時が来てうれしい。

産まれる前から、オムツはそこにあった

オムツ。彼女が出産のために入院する頃には、準備した他にも、あちこちから届くサンプルやら、ケーキのごとく積み上がったいただきものが部屋の隅に山となっていた。手を伸ばせば、そこにおむつはあったが、それ以上、僕とオムツは距離を縮めることなく、その構造を確かめることもないうちに、我が子は産まれてきた。

2021年の年末、コロナの影響で病院には荷物を預ける以外で訪問が出来なかった。通院していた時から彼女は「退院の日に病院のロビーにあるスタバの前で初めて我が子に対面し、恐る恐るで抱く若い旦那さんの姿」を何度か目撃したと話していて、当然我が家もそうなると想像していた。しかし、我が子が誕生した日、予想外のことが起こった。胎内に居るときから腸が詰まっている疑いが見られ、産まれた直後の呼吸が少し浅かったため大事を取って、我が子はNICU(新生児集中治療室)に入院することになるという。退社後に呼び出された病院で、久しぶり(入院から出産まで1週間くらいかかった)に対面した彼女とドキドキしながら説明を受けると「では、赤ちゃんの顔を見に行きましょう」と軽く言われた。NICUに入ったおかげ(?)で、産まれたばかりの我が子にあっさり会うことができたのだ。そして、初対面を果たして5分とたたずに、看護師は僕に言った「あら、おしっこしたかなー、お父さん、おむつ替えてみますか?」と。このとき「お父さん」と言った看護師に拍手を送りたい。「いやあ、まずは見てみます」などと返事する腰抜けとは思われたくないので「はい!」と即答して、おっかなびっくりやってみたのが初めてのオムツ交換。なるほど紙オムツとは、こういう構造になっているのか。そして「オムツを交換したら、手を洗ってからじゃないと、赤ちゃんに触ってはいけません」という掟を告げられ、こりゃあ大変だと思った記憶。

交換した手?ドンタッチミー!

オムツ交換のよろこび

それから今まで、何度オムツを替えただろうか。「オムツ交換をしたら、手を洗わないとドントタッチベイビー」なので、夜中の授乳なんかの時は、彼女授乳→僕オムツ交換→彼女抱っこ(僕手洗いして、哺乳瓶とか搾乳機とか洗い物)という流れが多かったので、自然と僕が交換する機会が増えた。1日に3、4回として、一緒に過ごした30日くらいで100回くらい。肌着のボタンがどうなっているか、よくわからん頃もあった。何度も間違えるから、注意して確認した上にも関わらず、前後逆にセットしたときは「疲れているな」と落ち込んだ。もう、懐かしいオムツ交換ビギナーの頃。

よれることなく、しっくりくるポジションに紙オムツをあて、しわなく、いつもの「1」のメモリにマジックテープがピタッときたときのすっきり感。きれいになったおしりが、清潔でサラサラの紙おむつに包まれ、ずり上がっていた肌着をピシッと引っ張って、しわがなくなったときの我が子の心地良さを勝手に想像すれば、どうしたって口角は上がる。ついでに肌着をピシッと引っ張ると何故かピーンと「気をつけの姿勢」をとる我が子がかわい過ぎる。

ぴーーーん

乳児が泣く理由のほとんどは「お腹減った~」「眠い~」「用足したんですけど~」の3つ。最初の頃「用足したんですど~」のタイミングが全然わからず、結構泣かせていたと思う。だから、オムツを交換してあげて、笑顔が戻ったときのうれしさと言ったら、「オムツを交換してあげて、笑顔が戻ったときのうれしさと言ったら」と入力しているだけで今、涙が出そうになるほどである。

サラサラのオムツ最高〜(の瞬間かどうかはわからない)

きっと赤ちゃんがいるのにオムツ交換をしない人は損している。人は何かをして、喜んでもらうことに大きな喜びを感じる。ミルクをあげれば赤ちゃんは落ちつくが、はしゃぐことはないし、「うまい!」と親指を立ててくれることもない。寝かしつけに成功すれば、寝顔は尊くて「これがあれば頑張れる」と思わせてくれるが、「ありがとう、よく眠れてるよ」と寝言を言うことはない。しかし、オムツ交換だけは、交換することによって、赤ちゃんの気分が良くなって、直後に泣きが収まったり、我が子の場合は2ヵ月もすれば笑ってくれるようになった。その喜びを感じられるのはオムツ交換をした者の特権である。僕の場合は、汚れてしまったオムツの中を目の当たりにすることで、逆にそれを清らかな状態にすること自体の気持ち良さもハンパじゃないので、もはや中毒になりつつあり、我が子とはWin-Winの関係にある。「うんちしてない…」と軽く落ち込んでいたので、彼女が我が子に「お父さんは、我が子より、うんちが好きみたいだよ~」と密告したこともあった。流石に我が子のほうが好きだ。

我が子の方が好き

オムツ交換役を奪い合おう!

「オムツ交換をする父は約半数」とか「頼むとイヤイヤながら、やってくれる」などという残念な話をよく目にする。「向いていない」「やり方がわからない」に至っては、そもそも母だって同じだったはずで、子供じゃあるまいし「練習せんかい、2回でわかる」と強く言いたい。単純に、うんちが嫌だというのは、僕も嘔吐反応が敏感な体質なので、けっこう危惧していたが大丈夫だった。いや、この先、臭くなると聞いているので身体反応としては若干の不安はある。ただ、我が子の爽快感と笑顔を考えれば乗り越えられる。乗り越えてみせる。要は覚悟だ。誰かがしなくてはいけないことを、誰かに押し付けるか、一緒にやってみるか。その「誰か」は一緒に暮らす家族だし、誰のためにすることかと言えば誰よりかわいい我が子のためだ。これから育児をスタートする人には、最初っからやってみることを強くオススメします。

オススメーー!

「普段、オムツ替えもしないくせに、遊び相手になるだけの父の方が我が子に好かれている!悔しい!」という言葉も耳にする。でも、赤ちゃんが笑っているのは、まあいいことだし、都合のいい時だけ遊んだ笑顔で感じるよろこびより、オムツ交換をした後の、オムツ交換によって溢れた笑顔を見られたときにあなたが感じるよろこびの方が、きっと遥かに大きい。赤ちゃんだって、わけのわからない世界で、泣くことしか出来ず頑張っているはずだから、一緒に戦った同士を、一番の味方だと必ずわかってくれている。いざというとき(うんちしたとき)に逃げ出す者は戦友ではない!

なんにしろ、オムツ替えは、我が子も自分も、楽しいし気持ちがいい。
オムツ交換を奪い合うほどに、さあ!オムツを替えよう!

いいなと思ったら応援しよう!