産まれてくるまでのこと。実感ないけどやれることがあってよかった。
1年近く前の春になった頃、彼女の妊娠が確認されました。その時点では、まだまだどうなるかわからないし、周囲に話すこともなく夫婦で静かに期待を膨らませていました。安定期とやらがやってきて、夏が過ぎても、万が一のことが起きて落胆するのが怖くて、ふたりで静か~に期待を膨らませいました。1ヶ月に1回の検診、次までの期間が長過ぎて、ずっともやもやしていた記憶がある。
エコー画像で姿が見えて、どんどん成長しても、彼女が抱いているような実感は沸かず「これが、我が子…風呂場の曇りガラスの向こうに浮かび上がる幽霊のような顔をしているが、大丈夫なのだろうか」と思いながら「かわいいねー!」とLINE。そして、帰宅して「ここが鼻~ここが口~」と説明を受けて初めて「うんうん♡(え!横向いてたのか!)」と理解するような始末だったなあ。
いろいろとググり始めた彼女。仕事関係で長期に及ぶ案件などの相手には「実は。。。」と話しているのを聞き(お互いリモートワーク期間だったりした)、「おめでとうございます!」と言われるたびに、なんとなく母っぽくなっていくようにみえる彼女を見ながら、僕は相変わらず誰に話すこともなく、実感も沸かず。ただ、「彼女と我が子を守る父になる」という責任感は出てきて、それに向けて何をすべきか考え始めた。でも、それは”感情”というよりは、頭で理解して下した”判断”だったように思う。
「彼女(と我が子)に、良いものを食べさせる」
早い時期からすぐに始めたのは「彼女に、良いものを食べさせる」ということだった。最初の記事でも書いた通り、料理を愛してやまない僕が毎日の食事を作っていたので「妊娠中食べたほうが良いもの」「妊婦が摂取すべき栄養素」などなどを調べまくり、検診で説明を受けた彼女が「え、これって、まんま、我が家の食卓じゃん…」となるような食事を目指す。もちろんだけど「つわり 食べられるもの」も検索して備えたけれど、幸いにも食べ物に関しては「なんでも食べられる」彼女のままでしたので、杞憂に終わりました。
同時に妊娠発覚の頃から、彼女に秘密でTwitterのアカウントを作り(フォロワーをメチャクチャ増やしてから驚かせようと思っていたけど、その前にバレました)、日々の食事をアップして、家庭で料理を担当する人たちをフォローしまくり、褒めたり褒められたりすることで自らのテンションをさらに上げるという、セルフマネジメントもスタート。
このセルフマネジメントは、大変に素晴らしい効果を発揮し、同時にいろいろな方々の家庭料理を拝見することで沢山の刺激を受けました。Twitterで繋がっている方々には本当に感謝。これからも、共に励まし合いながら家事を楽しく頑張りましょう!よろしくお願い致します。
「完全なる家事のワンオペ」
そして、次に考えたのがコレ。といっても、これも妊娠に関わらず、以前から僕が多くを担ってきたものなので、それほど大きな負担ではなかった。ひたすら、「いいからいいから」「座って座って」と彼女から家事を奪い続ける。結果的にお腹がすっかり大きくなったころには、動かない身体で無理をすることなく、お互いに自然に「家事は僕、彼女はひたすらお腹の子を大切に」となりました。
こうして彼女は自然と、仕事を休職するまでのフェードアウト作業と、出産、子育ての準備に時間を充てて過ごすことができました。そのおかげで、僕は普通の生活(飲みに行ったりもしてた)をしながら、彼女の指示に従い、出産と育児の買物に連れ回すだけで、全ての出産準備は整ったのでした。(その辺り、彼女の指示の明確さとコミュニケーション能力は非常に重要な要素だったので、近々書きたい。)
今回のような話をすると、いつも手放しで褒められる。でも、こうして振り返ると、僕がやっていたことは、前からやっていたことのブラッシュアップだけだったなーと、つくづく思う。「父になる」自覚ではなくて「彼女をよろこばせる。安心させる」ということが原動力。この間に彼女がやっていた「母になるという未知への準備」に比べると全くの勉強不足。今までと何も変わっていないから、もうすぐに父親になるという実感も沸いてこない。幸運にも彼女が妊娠中も、つわりでぐったりなるようなことが少なく、比較的元気で居てくれたからよかったものの、そうでなかったら、と想像すると覚悟が足りなかったなと反省しかない。もっと、僕が率先して、出産に向けての準備、子供のこと、育児の準備について一緒に調べていれば、先回りしていろいろ動くことが出来たはず。子供が生まれて大忙しになってから、彼女にいろいろ聞いて、余裕のない気持ちを煩わせることもなかっただろう。これは、今じゃないとわからなかったこと。
その点で、僕が幸運にも家事を以前から担っていたことは、出産・育児生活において、めちゃくちゃ重要で、それを少し頑張るだけで家事をワンオペ出来たから、自覚と覚悟が足りなくても、なんとか彼女から感謝してもらえた。
もし、これから出産を控えている夫婦において、旦那さんが家事をしていないのならば、妊娠中から少し無理して、寝る間を惜しんででも出来る限りの家事を身に着け、産まれてくる子のための準備を一緒に協力して行わないとバランスが絶対に取れない。これは声を大にして言いたいことなので、また書こう。そうしよう。
そんなこんなで、半年以上の間、今までと違う時間を過ごし、少しづつ準備を完璧(と思える程度)に整えて、それでも最後は「あれも足りない~」「どうやるんだっけ~?」「これ必要???」とバタバタしつつ、予定日を5日過ぎた12月28日。我が子は無事に誕生してきてくれたわけです。
そして、年末年始を病院で、彼女と我が子は、ふたりで泣きながら眠れずに過ごして、3日に退院。僕は年始の仕事始め早々から「出産に伴う休暇」というありがたい制度を活用し、1週間くらい我が家で過ごしてから、彼女に実家で2週間。我が子が1ヶ月になる頃、ふたりも我が家に帰り、そこから本格的に3人暮らしが始まったのでした。
元気に誕生してきてくれたありがとう我が子!
元気に我が子を産んで、自分も元気でいてくれてありがとう彼女!