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はじめて我が子と旅行に行く。

6カ月の我が子と旅行…。宇宙飛行士が月に行くのと同じくらいの覚悟が必要な気がしていた。初めての抱っこ紐外出→北海道の冬の風の冷たさのため100mでギブアップ、初めてのベビーカー外出→フードコートでいきなりMAX泣きで授乳室で回復に1時間を要した記憶…。今ではそんなことはないけど、2泊3日、手の届くところに全てが揃っている我が家とは違うところを楽しめるものか…まあ、やってみました。

どこに泊まるか

これに関して実は、半年くらい早く赤ちゃんが産まれた友達が、まだ産まれたばかりの赤ちゃんを連れてステキなところに宿泊してきたというのをインスタで見たのを憶えていました。北海道の観光地ではない田舎町で一棟貸しで泊まれる宿「maoiqnokoya(マオイクノコヤ)」というところです。1~2名キャパ(添い寝できる子供は無料)の小屋に泊まり、自分でキッチンで料理をするという、時間や人の目を全く気にしなくて良いという最高に我が家にピッタリな宿です。古い建物ですが、中はリノベーションしてあり、キッチンには一通りの料理道具、作家さんが作った味のある食器も使えます。少し車で走れば、スーパーもあるので足りないものは買い出しにも行けます。ジンギスカンが有名な町なのでお肉屋さんで肉を購入したり、直売所で野菜を買ったり。今回泊まった「コヤ」には前庭もあり、そこにはハーブや葉物の野菜が育っていて、それらも使い放題。到着して、ジブリに出てきそうなオーナーの方に案内されて「ファンタジーかな?」と思いました。

夢の中、かな?
家具は全てアンティーク、ファンタジーかな?

どこにどう寝かせるか

コヤのベッドは屋根裏部屋のような2階にあります。インスタやHPで見ていたのですが、どう見てもカーテンがありません。我が子は睡眠時間少な目なので、家では睡眠環境について試行錯誤を繰り返し、可能な限りの暗闇で寝かしつけることで、なんとか寝ていたので一応メールで問い合わせました。「カーテンはないですか?」と。すると「寝室にはカーテンはありませんので朝は明るくなってしまいます。」というお返事が。ここは仕方がないので2日間はもう4時でも5時でも明るくなったら目覚めようと決めました。ちなみにクーラーは完備なので暑さは問題になりませんでした。

我が子は6ヵ月時点で、寝返りして、うつぶせ寝したり、寝返り返りしたりと寝ている間も非常にアクティブ。ベッドで添い寝するのは少し怖いなと思いました。いろいろ考えましたがどれも決め手に欠け、最終的には開き直ってベビーベッドを解体して持っていくことにしました。2泊のために。荷物と作業は増えましたが、結果的にはいつもの環境で寝かせることができたので、僕たちも安心して眠ることができたのでよかった。

お風呂をどうするか

この宿には浴槽がありません。近くに温泉がいくつかあるので、足を延ばして大きなお風呂にということなのですが、なにせ我が子は6カ月。交代で入っても、きっと落ち着かない。ということで久しぶりに空気を入れて膨らますベビーバスを持参して、シャワー室でお風呂に入れることにしました。

さて出発

大浴場どころか浴槽はない、これといって観光をするわけでもない。僕たちの楽しみは、とにかく食事。といっても自分で作るんですけど、そこは料理を愛する僕が好き放題に食材を買って料理することにしました。肉屋はあると調べていたのですが、内陸地なので魚は買っていくことに。イサキを1本。塩とオリーブオイルとバルサミコ酢は宿にあるので、調味料と包丁も持参しました。ベッドを解体して、その他着替えやら何やら積み込んで出発。我が子は移動中ぐっすり。予定通り良いタイミングで出られてよかった。宿泊地近くの焼き菓子店に立ち寄ってお菓子を購入。その後、チェックインして一通り説明を受けます。ファンタジーな庭、隣の暖炉もあるアトリエも自由に使えます。都会のような音は一切なし。車の走る音もしません。テレビはないですが、Bluetoothスピーカーはあります。炊飯器やオーブンはバルミューダ。いくつかのパンと平飼い鶏卵、コーヒー豆がサービスでついています。さあ、あとはご自由に。最高です。

ベッドのある2階から見下ろすと、こんな感じ

といっても、ベッドを2階に運んで組み立てて、食材とビール(彼女用ノンアルビールも)を冷蔵庫に詰め込むと、もう午後3時過ぎ。慌てて出掛けて買い出しに町のスーパーへ。名物のアイスだけ食べて戻って一息ついたら、もう我が子は睡眠までの流れがスタートしてしまいました。

シャワールームのベビーバスで入浴をサッと済ませたら授乳。飲み終わる頃には、ほぼ寝ていることが多い我が子。順調に2階へ上がりベッドへ。さて、と料理を始めようとしましたが、2階部はロフトのようになっており、半分は吹き抜け、下を明るくすると2階も結構明るくなるし、音が響いてなかなか寝付けない様子。仕方なく僕は暗い1階で静かにビールを飲みました。ガチャガチャ調理するのも避けた方がいいかなということになり、初日の夜は、テーブルの上のパンと、メインに添えるために作って持参したアチャールを夫婦二人、暗がりで静かに食べてさっさと眠りました(だって、朝5時前には起きるだろうから)。冷蔵庫には夜にオーブンで焼くはずだったイサキが一本眠ったままです。

パンとつまみ暗がりで、こっそりと食べた

2日目

勢いで買ったステーキ、勢いで朝食べてしまう

案の定の早起き4:45。朝日と共に起床。しばらく遊んで、抱っこ紐に我が子を入れて庭を散歩、眠る我が子を抱えたまま、ハーブを収穫。だからファンタジーか。部屋に戻って、起きてきた彼女に我が子を預けたら、朝から昨日肉屋で奮発したステーキ焼いてやりました。パンにサーロインステーキ。食べたら、少し休憩して作業開始。ハーフバースデーの記念行事として、手足の型取りとフィンガーペインティングをすることを決めていたので、機嫌の良い午前中にやることに。

まずは粘土を捏ねて型に詰め込み、我が子の手と足をギュッと押し付けました。ええ、そうですね。そんな静かにしているわけがないですよね。手も足も、付けた瞬間に「ギュッ」としてくれました。まあいい、これも味ってもんだ。親の思い通りになんてなるわけない。大人しく従ってなんている必要はないんだ。我が子の人生は我が子のものだ。自由に生きるんだ。

親指をギュッと力強く

続いてフィンガーペインティング。といっても、今の我が子の手に絵具をつけたら、まずすることといったら舐めること。キャンバスに絵具を乗せたら、まるごとジップロックに入れて、その上から我が子画伯に撫でまわしていただきました。ベースカラーは出発前日、あーでもないこーでもないと言いながら両親で塗りましたよ。せっかくなので、ということで、画伯にわざわざアトリエまで足(まあ、足は僕ですね)を運んでいただき、そこでも作品制作を行っていただきました。そして出来上がったのがこの3部作。

我が子画伯、アトリエにて
我が子、人生初の作品が3部作

その後、さっと買い出しに行って、お昼にようやくイサキに庭のハーブを詰め込んでオーブンで焼いて食べ、夕飯は前日の反省を活かしておねんねルーティンが始まる前に、ソーセージとラムチョップを野菜と焼いて食べました。ビールとワインは昼からずっと飲み続け。最高でした。

本当は昨晩のディナーのはずがランチ
夜は焼いただけ

最終日

前日の買い出しで、思わず買ってしまった「マグロのブーメラン」(僕は初めて見たのですが、マグロの5枚におろした断面三角の身をそのままスライスしたものです。なので、赤身~トロまでが1枚の中に全てある)。これを食べるためには「ごはん!」となり、米まで買って、バルミューダの炊飯器を初めて使ってみました。前夜、説明書を読んで驚き「保温機能なし」。大丈夫こちらはどうせ5時起き。起きてからだって十分に時間はある。ということで、早朝、説明書を読みながらご飯を炊きました。そして、マグロと平飼い卵と一緒に食べました。堪能。ごはんもおいしかった。バルミューダ炊飯器良いかも。

これがブーメラン定食

ベッドを片付けたり、せっせと帰り支度をして、キレイになった部屋で記念撮影したら、残ったごはんを握ったおにぎりと茹でた卵を持って、チェックアウト。駐車場の横にスズメバチがせっせと出入りしていたのでオーナーに「ここに巣を作っているかもしれません」と伝えると「有益な情報ありがとうございます」とお礼を言われました。最後まで朗らかな時間でした。ありがとうございました。

名残惜しいな。(家の方がいいけど)

帰って、家を元通りにして、一息ついたら睡眠までのルーティーン開始。あっという間でしたが、むちゃくちゃ良い時間でした。これから我が子が歩き出したり、イヤイヤ期に突入したり、荷物は多少減っても、旅行に行くのはもっと大変になるんだろうな。でも、1度しかない最初の夏に、素晴らしいところに旅行に行けて、本当によかった。画伯の手形、足形、3連作。どこに飾ろうかな。次はどこに行こうかな。

どこに行こうが、いつも通りに遊ぶまでよ
うん、いいアトリエだな


maoiqnokoya(マオイクノコヤ)」について

僕は普段から料理をするのが好きなので、料理は全然苦じゃなかったんですが、地域のカレー屋さんやピザ屋さんでテイクアウトすることもできるようです。もちろんお店で食べることもできます。旅行に行ってもお母さんが料理をするんじゃ、休まりませんから。本格的に料理をするなら、ボウルが少し足りないかな、と思います。入口、室内とも階段が急で高いので、小さいお子さんを連れて行く場合は十分な注意が必要です。万人受けするところではないですが、ロケーションは最高です。近所にステキなカフェや、お菓子屋、パン屋もあるようです。予約は半年前にしましょう。4月に予約しようとしたら、7月8月の週末はほぼ満室(といっても1組で満室)でした。札幌から車で1時間くらい。冬はアトリエの暖炉で静かな時間を過ごしたい…。オススメです!

いいところですよ、ほんとに

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