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【子鉄に引かれて鉄の道】こだわりポイントはどこにある?

我が家の次男は物心ついたときから鉄道好き。

乗り鉄、撮り鉄、模型鉄、時刻表鉄、妄想鉄、音鉄……まだ何かあるような気がしますが、とりあえずこの辺は網羅しています。あ、あと駅スタンプも集めてます。

かく言う私も鉄分は高い方ですが(シベリア鉄道に乗ったことがあるというのが息子たちへの自慢)、電車を見れば瞬時に「何系」と見分け、細部にこだわる次男を見ていると「鉄の道は奥が深い・・・」と驚くことばかりです。でも、この歳になって知らない世界を知ることができる、それも子どもと一緒に楽しめるというのも、なかなかいいものです。

校内鉄友情報

次男からは「もうすぐ廃止になる〇〇を撮りに行きたい」というリクエストもしょっちゅうあります。「夕張支線はもう最後なんだよ!!」と力説されても、さすがに北海道は遠いので「いいよ」とは言えませんが、先週の金曜日、学校から帰ってくるなり、「9時東京駅発の今日でラストランの中央線を撮りに行きたい」と言い出しました。

夜9時はいくらなんでも小学生には遅いと思い、よくよく聞いてみると、正しくは「19時」。なんでも、上級生で鉄友のタローくんから「絶対来いよ!」と言われたそう。

以前、子どもたちの不確かな情報に振り回された経験があるので、まずは確認。「中央線、東京駅、廃止」でググってみましたが、それらしき情報は出てきません。そこでツイッターで検索してみると、ありました。どうやら、「青梅ライナー」が廃止になるらしい。「そう、それそれ!」と次男。

この日は春のダイヤ改正の前日で、他にも狩人のヒット曲で知られる「8時ちょうどのあずさ2号」がラストという話がツイッターで流れてきていました。そっちじゃなくて青梅ライナーなのか?!と内心思いつつ、夕方の習い事から帰ってきて何時に家を出ればいいか、夕飯の段取りをどうするか、次男の就寝時間までのスケジュール等々を脳内でシミュレーション。まあ東京駅ならそんなに遠くないし……ということで、急遽連れて行くことにしました。

普段乗る機会がない夕方遅い時間のJR。電車を撮りに行くためだけに出かけるという非日常感もあって、なんとなく親子でわくわくしてしまいました。これも、鉄の楽しさのひとつなのかも?

これも葬式鉄?

19時15分前に東京駅の中央線ホームに到着すると、既に数人の撮り鉄がスタンバイ。ただ、これが最終列車ではないということもあり、子どもの次男も撮影できるスペースは十分ありそうです(昨春、廃止まぎわの三江線に乗りに行ったときは混雑で大変でした)。それでも、ホーム先頭にはJRの職員さんが7人も待機。「ロープ張りたくないので、黄色い線の内側にできるだけ下がってくださーい」と声かけがありました。

「本日の中央・青梅ライナーの指定券はすべて完売しました」というアナウンスも流れてきました。普段から人気なのか、それとも今日が最後だから乗る人もいたのか、その辺はわかりません。

19時東京駅発の中央・青梅ライナーがホームに入ってきました。わらわらと電車に群がる撮り鉄たちの中には、駅員さんの声かけを無視してホームぎりぎりまで身を乗り出して撮影する人も……。見ているこっちの方が「危ないなあ」とハラハラします。

スタンバイしていた位置より先に停車した電車を追って、人ごみをすりぬけて走る次男を追いかける私。(子鉄の親は機敏さが必要です!)そんな状態の私でもスマホで写真が撮れたぐらいなので、そんなに混雑してなかったのは助かりました。

東京駅を去っていく電車を見送り、満足そうな次男に「あの車両はこれで見納めなの?」と聞くと、「違うよ」。「え? じゃあなんでわざわざ撮りに来たの?」「中央ライナーとか高尾行って表示されるのは今日で最後だから」

そこだけ?!

行き先表示の文字が変わるのを惜しむためだけに、こんなに何人も撮り鉄の人が集まってきたということ?!

「今日の写真、プリントアウトして鉄友に配ろー」とウキウキの次男と帰りの電車に乗りながら、「どうも鉄のこだわりはよくわからない……」と思った私です。

そして「絶対来いよ!」と言ったタローくんの姿はみつけられず。いや、私も「変わるのは表示だけ」と事前にわかっていれば、わざわざ出かけなかったかもなあ。

読んでいただいて、ありがとうございます!