【朝の読み聞かせ】からっとした晴れの日が続く季節に
今年の東京の冬はカラカラ天気が続いています。「うるおいが欲しい!!」と思わずにいられない年頃の私ですが、せっかくなので、この天気にちなんだ写真絵本『干したから・・・』(写真・文 森枝卓士 フレーベル館)を読むことにしました。
けっこう子どもは知っている
この絵本、読書感想文の選定図書になっているので、書名を紹介すると「知ってる!」という声がいくつも上がりました。後で、担任の先生から「授業で読み聞かせたこともある」とうかがい(一応、事前に我が子に「この本、知ってる?」と確認したのですが・・・)、「かぶっちゃった!」と内心思いつつ、何度読んでも発見がある内容だからと自分を慰めました。
この手の写真絵本は小さな子向けか、字がたくさんで「読み聞かせにはちょっと・・・」とためらうようなものかのどちらかに分かれることが多いのですが、『干したから・・・』はその点、ちょうどいいバランスで、低学年から高学年まで、幅広い年齢の子どもたちを対象にしやすいと思います。
世界各地の食文化を伝え続けてきた森枝さんならではの、様々な国の「干したもの」がさり気なく紹介されていきます。ネズミ、カエル、納豆、チーズ……日本ではなかなか見ない乾物もあり、「干したもの」をテーマに世界の食の多彩さも伝えられる一冊です。本文には特に説明がないので、読みながら、モンゴルのゲルの屋根に干してあるチーズやラオスで売っている干しバナナなど、写真を指さして補足しました。
最後に自分で「干した食べ物」をつくるやり方を説明したページがあります。時間もあったので、「お天気が続く、乾燥した季節がいい(今ですね!)」「最初は野菜が失敗が少ない」「鳥に食べられるのが心配なら、100円ショップなどで売っているネットを使うと良い」というポイントをまとめて伝えました。私自身も、100均でネットを買ってきて、お正月に使ったゆずの残りの皮を刻んで干しているところです。
2冊めは景気のいい昔話
『干したから・・・』はだいたい8分程度で読み終わるので、もう1冊、5分ぐらいで読める本を組み合わせることにしました。食べ物つながりということと、ちょっと気分を変えたいということで選んだのが、日本の昔話『まのいいりょうし』(瀬田貞二再話 赤羽末吉画 福音館書店)。
息子の7つのお祝いのご馳走を、と狩りにでかけた猟師が、様々な偶然が続いて、抱えきれないほどの獲物を持ち帰るという、なんとも景気のいいお話です。瀬田貞二さんならではの言葉のリズムが、魔法のようにすーっと昔話の世界に誘ってくれます。大らかで色味を抑えた赤羽末吉さんの挿絵もいかにも山に暮らす猟師の世界という感じで、この絵本も年齢問わず、楽しめる絵本だと思います。
ちょうど先週、2分の1成人式を終えたばかりの子どもたちということもあり、お祝いの気持ちもこめて読みました。本当にはとても無理ですが、豪勢なご馳走を絵本で味わえってもらえたのなら嬉しいです。
読んでいただいて、ありがとうございます!