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戦後からの家事の変遷を語る、80代ママに聞いてみた ~家事ってなんだろう~

82歳仙台在住  Oさん
 まるでおばあちゃんのように、優しくして下さる私の尊敬する人生の大先輩に「家事のインタビュー」をさせて頂きました!
Oさんの小さい頃から変わっていく社会の形にそって「家事」にまつわるお話をたくさん教えて頂きました。

家電があるって幸せ!!!!

私ー早速、Oさん。家事についてたくさん教えて下さい!

Oさんー家事といっても、今と昔。各家庭によって全然違うよ!

私ー(沢山教えて頂いたので、大先輩の家事人生表を作成させて頂きました!)

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私ーOさんが6歳の頃、お水はポンプから誰が運んでいましたか?

Oさんー当番制でしたよ!この時代は、家電が0で。ガスや水も通っていないし、戦争の後だったから、今みたいにものはなかったですね。

私ー当番制で、運ぶのは大変でしたか?

Oさんー大変というか、当たり前だったと思います。お水を運んでこないと使えないし。
そういう生活が普通だったから、大変も何もなかったですね。

私ー55年前、オリンピックの後に家電が出始めて、1番始めに何を買いましたか?

Oさんー私は、掃除機を買いました。その後に、冷蔵庫、洗濯機を買いました。
今みたいに結婚すると家電が揃っている訳ではなく、「みんなボーナスが出たら、買う」を繰り返して、家電を集めていきました。

私ーほうきから、掃除機に。洗濯は洗濯機がやってくれる。新しいものとして、どんな感じでしたか?

Oさんーとっても便利だと思いました。
今でも友達と、「掃除していたら洗濯が終わっているって便利だよね。電化製品は嬉しいね。」って話になりますよ。 
主婦としては、家電は助かります!

私ー電化製品が出るまで全て手作業だった家事ですが、今よりも何百倍も大変だと話を伺っているだけでも感じます。
今は、みんな多くの家電を揃えている中、もっと楽を求めることもありますが、どう思いますか?

Oさんーそもそも時代が違いますよ。生きている環境も違います。
家電とか色んな便利なものに溢れて、家事の時間を短縮出来るようになった分、共働きも今は多いじゃないですか。
昔は、家事の負担は多いけど、共働きをしている人はほとんどいなかったんです。
昔と今では、違った大変さがあると思います。

私ーなるほど。(大先輩からのお言葉にグッと来ました)
昔は、「家事をしてたんだから、今の時代もするべき」という考え方もありますが、全部の労働を100%にした時、昔は家事100%。今のお母さんは家事50%仕事50%。
昔と比較する考え方も難しいところですね。

Oさんー家電があるから、今は共働きが出来ると思いますね。

おつかいも時短化

私ー昔と今。家事や生活で変わったことはありますか?

Oさんー家電もあるっていっても、今みたいに全自動とかではないです。
また今はスーパーに行けばなんでも手に入りますが、昔は商店1つ1つ回りました。

私ーじゃあ、おつかいも今より全然時間かかりますね。

Oさんーかかります!
私は団地に住んでいたのですが、交代でみんなで子どもを見てその間に買い物に行ってました。携帯電話もないので、帰りに旦那さんに頼むなんてことも出来なくて大変でしたね。

私ーなるほど。じゃあ今よりも地域や近所の人とのつながりがありそうですね。

Oさんー助け合いでしたね。

私ー助け合って生きるのって、凄く理想的ですね。

性別役割分業、真っ只中の時代

私ーOさんは22歳に結婚してから、仕事をしていましたか?

Oさんー結婚したら、専業主婦でしたね。男性は外で働き、家事は女性。この時代は、ほとんどの女性は働いてませんでしたよ。

私ー女性が100%家事を担当する時代ですか?

Oーそうですね。男性の育休制度なんてものはありませんでした。なので、今も難しい問題もたくさんあるようですが、昔よりは平等になったと思います。

私ーOさんが小さい頃は、お水をポンプから運んでくるなど、家事に男の子も参加していたようですが、大人になったら、男性は家事をほとんどしないということに対しては違和感はなかったのでしょうか?

Oさんー男性が働き、女性が家事することが当たり前だったというのと、
私が大人になった時は、小さい時と違って「家電」という便利なものがあったから、旦那さんに頼らなくても出来ました。
今のお父さんたちは、昔と比べると本当に家事に参加していて偉いなと思います。

子どものモチベが上がる家事

私ー私、子どもが家事することに関しても凄く興味があって。
Oさんは、子どもに家事をやらせていましたか?

Oさんーやらせるというより、やってくれていました。
例えば、お風呂に入りたければ、洗ってね。みたいな感じにして。

私ーやっぱりやってもらうと楽になりますか?

Oさんー家事をやって貰えると少しは楽になりますね。
「ありがとう」を伝えていました。

私ーなるほど。私も小さい頃は褒められると嬉しくて、家事へのモチベーションアップになってたかもしれないです!

Oさんーあと、生きていく上ではみんなで協力しないとダメだということは伝えていましたね。

私ー家事って、生きていく上での大切なことも教えてくれますね。
家事を周りみんなやらせていましたか?

Oさんー勿論やらせない親もいましたよ!考え方も人それぞれですね。

生き方を選べるって良い事だ!

私ー今は、昔よりも女性も色んな生き方が出来るようになってきましたが、どう思いますか?

Oさんー私の娘は仕事が生きがいで、結婚しないで働いています。その姿をみると、お嫁に行かないといけない!っていう時代ではない今は、良い時代だと思いますね。
生き方をは色々あっていいと思うんです。生き方を選べるのって良いことなのでね。

私ー今この一瞬も、人生で一度なんだから、自分らしい生き方でいたい。そんな気持ちも今は叶えられやすくなったんですね。

Oさんー今と昔では、いろんな事が全然違います。
私は家事が嫌いじゃなかったから当たり前だと思ってやっていましたが、好きじゃなくて仕方なくやっている人もいました。
でも、娘のように、家のことをするよりも、外で働く方が好きな女性もいる。それを認められるのって、凄く良いことですよね。

私ーなるほど。凄く勉強になります。

私ーコロナによって、自宅にいる時間も増えましたが、夫婦で家事を分担することはどう思いますか?

Oさんー良いことだと思います。
どちらが先に亡くなるか分からない。もし全く家事していなかったら、相手がいなくなってしまった時に困るのは本人ですよね。
また助け合うという意味でも家事を分担することは良いことだと思います。

〈インタビューを終えて〉

  今回のインタビューも、自分の視野が広がる機会となった。Oさんは、77年前の家電がないだけでなく、水やガスも通っていない時代を知っている。そして、コストコなど今の時代も知っている。変わりゆく日本を実際に見てきたからこそ、分かること。昔は、家事100%やっていたけど、今は家事が家電や便利なものに溢れているおかげで、労働が少なくなった。しかし、昔のように男性の収入だけで生活をすることが簡単ではなくなった今、女性も外で働いている。どの時代も人の苦労は同じくらいある。昔はもっと家事をしていたのだから、今の人も家事できるだろうと、今と昔を比較してどうこうという話ではないと思った。
また、Oさんは、子どもに家事を通して支え合って生きていると教えていた。
どんな時代であっても、みんな大変だから、人と人との助け合いが大切だと学んだ。
豊かになると、家事の負担が減っても。みんな楽になるから、結局労働は±0なんだと。
家事のあり方は、社会のあり方とも密接に繋がっているようにも感じた。

インタビューありがとうございました!

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家事に恋する大学生
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