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50代ママに聞いてみた~家事ってなんだろう~
今回、インタビューを引き受けてくださったKさん(50代後半・関東在住)は、19歳と21歳の子どもを持つお母さん。
整理収納が得意で、インタビューの前日も棚の大掃除をしたのだとか。
長いインタビューも丁寧に取り組んで下さいました。
家事ってキリがない!!オールマイティ過ぎるのよ!
(私)早速ですが、家事は家庭で誰が担っていますか?
(K)私が担っています。
(私)周りの家庭もお母さんが家事を担っていることが多いですか?
(K)お父さんが仕事、お母さんが家事といった家庭が多いよ。
綺麗好きでお掃除が大好きなお父さんも見かけます!たまにやる大掃除は手伝ったり…
掃除とかは、参加しているっていう家庭をよく見かけます。
(私)確かに!大掃除は、時々ではあるが我が家の昭和おやじもソファから立ってくれました!(笑)
(私)家事は掃除だけでなくたくさんあると思いますが、「家事」と聞くと何が思いつきますか?
(K)本当にオールマイティだと思う。
掃除、洗濯、料理もそうだけど、子どもがいると、「ママが作るお弁当」「ママが作るスモック」って、裁縫もしないといけなかったな。
私は娘の弁当にキャラ弁を始めたら、先生に褒めて頂いて(笑)
そこから、続けないといけなくなって結構大変でした。
子どもが幼稚園の時はバックとかみんな手作りが多かったし、行事の時とかに作らないといけないこともあった。
主婦業は本当にたくさん過ぎる!
[共働き夫婦など、ただでさえ忙しいお母さんに手作りにトートバックを作れだなんて…]
(私)オールマイティにこなすのって本当に大変過ぎないですか?
(K)完璧にこなそうとしたらキリがない!
最近私が思うようになったのは、完璧にこなすことが出来る人が「家事が出来る人」じゃないってこと。家族が「心地いい」って思える環境に出来ていることが大事なんだって思います。
(私)なるほど!確かに、私も家事を研究している中で、改めて家事について考えていると家事ってキリがないですよね。仕事と違って今日はここまでみたいな区切りがない。
(K)子育てしていると、キリがないことをより感じるね。しまったと思ったおもちゃがまた散らかっていたり、朝ご飯を出したと思ったら、もうお昼みたいな。
(私)本当に大変ですね。やっぱりお母さん尊敬します。そんなきりのない家事。どうしたらいいんですかね。
(K)家事を家族で分担することかな。
みんなで分けたら、早く終わるじゃん!理想は、空いた時間をもっと有意義に過ごせるほうがいいよね!
例えば、洗濯物をみんなで囲んで畳んでみる。
そしたら、そこはコミュニケーションの場にもなるんだ!
(私)!!思い出しました!私も小さい頃、おばあちゃんの家に帰った時、いとこと囲んで洗濯物を畳みました!誰が一番多く畳んでいるのかとか競争してみたり、楽しかった思い出あるな…(戻りたい)
(K)思い出にもなったのは、マストじゃなかったからだね。どうしても、分担するとマストにになりがちだけど、それを楽しい時に変えることができたらいいね!
(私)凄くいい家事のあり方だと思います!
(K)そのためには、やっぱり最近思うのは、自分が家事を「苦」と思わないことだと思う。
[大変だから、苦に感じてしまうことがあるなんて当たり前!お母さん大変(´;ω;`)]
(私)どうやったら、家事を「苦」に感じなくなりますかね…
(K)思い返すと、若い頃は楽しかった。全然「苦」じゃなかったな。
でも、全部負担すると結構な量になって、時間もかかるし…
だからこそ、家族と分担して家事を溜めないようにしたいな
溜めると面倒になるし、時間もかかる。その繰り返しでどんどん家事が苦になってしまうかも…
(私)同じ家に住んでいるのに、自分の身の周りの事をお母さんがやっているのはおかしいですね。
[お母さんの愛情に依存し過ぎて、身の周りのことやってもらっているのは自立出来ていないな…]
結婚したら、女は家の中の人(=家内)?!
(私)家事に対する考え方っていうのは、やっぱり年代によって変わってくるんですかね…
(K)変わると思うよ。
まず、結婚に対する考え方っていうのも、違うと思う。
私たちの世代は、結婚=家事がセットだった。
だから、結婚したら、自然といつやめるの?って聞かれたり、「寿退社」が普通で
家庭に入ることが当たり前の時代だった。
30過ぎて、嫁に入っていないと、「え」と思われることもあったな。
(私)結婚したら、家庭に入るってことは、結婚+家事がセット!
(セットはハンバーガーのドリンクだけにしてよ~!)
(私)じゃあ、家事をいつ覚えたのですか?
(K)料理はお母さんのアシスタント的なことをしていたよ!あとは、お母さんの飲食店のお手伝いをしていた!
そこで、見ていたやり方を覚えているから、お腹空いて食べたくて仕方なかった時、自分で切って食べてみたりした(笑)
必要に迫られると、自分でやるようになった。
(私)工夫のすばらしさを感じます!家事はしている人の姿を見て、育っていく。
(K)昔は、みんな工夫して遊んでいたし、工夫して出来るようになっていった。
(私)今は、工夫をする機会が減りましたね…
お腹すいたらコンビニ行くし、遊び一つとっても、みんなゲームやスマホなどある程度出来ているものを遊ぶみたいな…
(K)思うことは、家事の形も変わってきたなってこと。
昔みたいに大人数で住んだり、おばあちゃんと住むことも減ってきたように感じる。
形もスタイルも違うから、衣食住、何を大切にするかも結構大切になってくるね。
(私)本当にそうですね。今の時代は良くも悪くも便利になり過ぎて、工夫なんてそこまでしなくなったし、共働きだと、家事は子どもが寝てからする家庭も多いよう。時間がなくて本当に大変だから、そうせざるを得ないが、「子どもが家事をしている姿をみて育つ」という環境も昔よりは少なくなってきたのかな。
子どもも家事をするべき?
(私)家事を子どものうちからしておくことに対して、どう思いますか?
(K)経験させておくことが大事だと思う。しょっちゅうやらなくてもいい独立するまでは。
小さいうちに身に着けておく=習慣にしておけば、つかれないし、苦にもならないと思う。
例えば、お風呂に入るのも、習慣だから、入ることに疲れるなんてことはないし…
(私)習慣って大事ですね。
(K)また、合理的考えられるようにもなると思うよ!
洗濯一つ畳むだけでも、どこから畳めばいいのか、とか、どこに入れるのかとか、あるからね。
そして、工夫を身につけることも出来ると思う。
(私)確かに!料理も計算しながらやるし、
洗濯物一つ例にとってみてもTシャツをどこから畳んでいけば綺麗になるのか、工夫しながらだし、
家事って頭使いますね!
〈インタビューを終えて〉
家事が出来る人って、料理が上手かったり、いつも部屋をピカピカにしていたりと、完璧にこなせる人だと思っていた。
しかし、実際の現役ママに今回インタビューをして見えてきた事としては、家事を完璧にこなすなんて無理だということだ。たまに、完璧にこなせる人もいるかもしれない。
多くの場合は時間もなければ、キリがない。なにより、料理もなんでも得意不得意がある。
インタビューで家事は「愛情・家族のためにしている」とおっしゃっていた。家事は、給料制ではない。じゃあなんのためにやるのかといったら、「自分が家族が心地よく暮らせすために」という事だった。
その心地いいの基準も違う。ホテルのような綺麗な空間を心地いいと思う人もいれば、少しものに溢れた場所が心地いいと思う人もいる。
掃除が出来てピカピカに出来る人が家事が出来る人とは一概には言えないことを知った。
また、家族と一緒にコミュニケーションとして家事に参加することで、家事のありがたみ、大変さ、家族の一員としての自覚、自立に繋がることを知った。
自分のやっているワークショップの意義に繋がった。
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