おほしさまの明るさを変える仕事
「ええと、君は試験でも優秀だったね。今日はこのまま少し仕事を見学してから帰りなさい」
「わかりました!ありがとうございます」
ふと目に入った求人のチラシ。応募資格である年齢、性別、スリーサイズ、好きな食べものがことごとく一致していて、軽い気持ちで応募してみたらトントン拍子で入社することへ。自分を受け入れてもらった喜びを感じながら、仕事を教えてもらう。
「これを使って、おほしさまの明るさを変えるの。本当は、毎日のいろいろな情報を計算するのだけれど、私はここ数年、湿度30%までは1、60%までは2、80%を超えたら3にしているわ。ここのボタンね」
傘の骨のような機械を手にして、先輩が仕事を教えてくれる。黒髪のボブヘアがよく似合う。窓の外には、日が落ちたあとの紫色に、クレヨンで描いたような雲がかすんでいた。
「はい、わかりました!こんなお仕事があったなんて、携われてうれしいです」
「ふふ、今日は特別だから、とっておきのおほしさまにしちゃおうかしら」
そう言って、先輩は逆側の窓に向かった。先ほどの窓とは違い、暗い夜空が広がっている。先輩がなにか機械を操作すると、真っ黒な空におほしさまが瞬く。電飾みたいにキラキラ、ちらちらと輝くおほしさまは、私を童心に返らせた。いつの間にか、たくさんの花火もあがり、私はすっかり心を奪われていた。
という夢をちょっと前にみた。好きな人から、私だけがなんかわかんないけど光ってキラキラして見えたらいいのに。って思いながら寝たので、そのせいかも。