平和
きっと考えすぎて、自分の生活にすら罪悪感を持ってしまうだろうから、あまり見ずにいたニュース。決心がつき、向き合った感情を残しておこうと思う。
これまで、戦争に関する数々の本や資料を読み、国内外にある資料館や戦争の痕を訪問してきた。後遺症が遺伝し、今も人間の身体に影響を及ぼし続けているのを、目の当たりにした。
数えきれないほど多くの人が、同じことを繰り返してはならない、命を軽んじてはならないと考え、さまざまな行動をしてきた。
しかし、その想いは無視され、戦争が始まってしまった。私が今こうして暖かい部屋で生きている間にも、日常が壊され、命が失われている。
私ひとりの祈りや願いで奇跡など起きないことは分かっていても、それでも、涙は流れるし、祈らずにいられない。のうのうと生きる私の命を差し出すことで全てが救われればいい。
そんな綺麗事を考えてしまうほどに現実は残酷で、失われたものは元に戻らない。砲撃により崩れていく建物も、そこにあった一人ひとりの人生も、思い出も、壊れたらそれまでだ。
昔の私だったら、罪悪感を持ち、落ち込みながらこれまで通りの生活をしていたのだろう。今は、現実で力になる術を少しは分かっている。私にできる範囲のことを実行し、日常を大切に生きること。
そして、戦争という現実と向き合い、残していくこと。私はこの気持ちを、ずっと忘れずに生きていく。