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0→1フェーズで最も重要なサービスコンセプトのつくり方 | 実プロジェクトの事例付き

サービスを0→1でつくる上でまず必要になるのが、サービスのコンセプトづくりです。

いままで自社事業や様々な企業との共同プロジェクトを通じてサービスづくりに取り組む中で、サービスのコンセプトづくり、すなわちコンセプトメイキングのプロセスにもある種の型があることに気付きました。

このnoteでは社内ドキュメントである「サービスコンセプトのつくり方」の内容を一部NDAでシェアできない資料を除いて全公開します。

<コンセプトメイキングの大前提>

🧐 STEP1:コンセプトとは何かを知ろう


コンセプトが何かを知る上で、コンセプトの立ち位置と役割を知ろう

コンセプトそれ自体は様々な形があり、非常に漠然としている。

なので、コンセプトがそれ以外の要素とどういった関係にあるのか、どういった役割を果たすのかという観点からコンセプトとは何かを理解しよう

まずサービスアイデアは下図のような構造を持っている

あるビジョンを実現するために、ターゲットユーザーの課題やインサイトを発見し注目し、それを解決するためのコンセプトを打ち立て、それを具体的なユーザーフロー・技術選定・オペレーション設計などの具体策を持って実現していく。

逆から見ると、具体策により「コンセプト」は実現し、「コンセプト」により「ターゲット」の「課題」は解決され、「課題」解決によって「ビジョン」が実現するという構造をサービスは持っている

ここでポイントは、たとえどんなに面白い着想であっても、このフレームで整理できなければコンセプトとは言えないということ。つまり、コンセプトは単なる思いつきではなく「ビジョンの実現に向けて課題を解決する新しい視点」のこと

ではコンセプトそれ自体がどんな姿をしているかというと、「20文字以下の端的なタグライン」のカタチをとっている。サービスデザイン文脈ではUVP(Unique Value Proposition)と言い換えても意味合いは近いと思う


過去のプロジェクトの例で理解しよう

THE SANCTUARY(※)の例
※ AR/VR横断で観光地のデジタルツインデータを活用した観光プラットフォームサービス (β版の開発と実証実験が完了しており未リリース)

※ 社内ドキュメントでは企画書添付


コンセプト自体への理解を深めるための本を読もう

コンセプトそれ自体への理解を深めるために、以下の本を読むのがおすすめ。
上のコンセプトのフレームも基本的には以下の本をベースに改変する形で作成しています。


🧠 STEP2:思考のモードを選ぼう


コンセプトを考えるルートは2つある


コンセプトを考えるための思考ルートには大きく分けて2つある。

すなわち、

① ビジョン思考ルート
② デザイン思考ルート

の2つである。

まず、思考法は思考の起点と目的という2つの軸で以下の4つに大別できる

ゴールを描くことに重きを置くビジョンドリブンか、特定の課題の解決法を考えることに重きを置くイシュードリブンかというヨコ軸、0→1で新しい価値を生み出すための思考か、すでに価値あるものを1→∞で伸ばすための思考かというタテ軸。

この中で、0→1の創造にあたるコンセプトメイキングにおいては、ビジョン思考とデザイン思考のベストな方をプロジェクトの特性に合わせて選んで考えていく。

出典:「直感と論理をつなぐ思考法」


サービスアイデアの構造と2つの思考法の対応

サービスアイデアの構造の中において、ビジョンを起点にコンセプトづくりをした方が良い場合はビジョン思考を、イシューを起点にコンセプトづくりをした方が良い場合はデザイン思考を選択する。

ここでのポイントは、それぞれの思考法はサービスアイデアの要素のどこを起点に考えるかという違いであり、最終的にサービスアイデアの構造の各要素を考え切るという点は変わらない


2つの思考法のKey Questionの違いを知ろう

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