昔電話番号を公開してた時の話
きっと長続きしないであろう、この雑記を誰が読むのかはわからないが、ネットというものは恐ろしいもので、私が消さない限りは、半永久的にこの文章が残るのである。そんな風に考えてみると怖くなって小便を漏らしてみたりして、いろんなことがあったけど、私は元気です。
昔の事だが、電話番号を公開していた。その頃のページは探せば出てくると思うが探さないでほしい。それはそれは公開した当初は、毎日のように知らない人から電話がかかってくる事が日常茶飯事であった。正直な話、今でも知らない番号から月3くらいで掛かってくるが、取ることはない。
だが当時は、怖いもの知らずなのか馬鹿なのか阿保なのかストイックなのか解らぬが、全て電話を取っていた。それが非通知であってもだ。当時バンドを好きでいてくれた方のお悩み相談や、好きではないがとりあえずどんなものか掛けてくるものなど様々であった。
また、卑猥な言葉を囁く男子や罵詈雑言の女子などもいたが、そんなもの気にしないどころか素晴らしいと思えた。
そんな毎日が続いたからこそ私の心は強靭な精神を持つことができたのだ。
そんな中、私が雑貨屋さんで、買いもしないが雑貨を眺めていた時に、着信があった。
私はもちろん、その電話に出て、「カジカです」というと、「本当につながった!」という、大体電話してきた少年少女が発する言葉が聞こえた
名前はアベくんという。とても優しい声でユーモアのありそうな少年だった。
自分はバンドをやっていて、イベントに出てくれないかとの電話だった。
そのような電話は、ライブハウス以外では初めてであり、胸は高鳴り、その場で承諾した。場所は覚えていないが東京だった。
同世代の彼の友達のバンドが集まったイベントだったが、彼のバンドは、ずば抜けて私的に素晴らしいと思った。
その後も彼とは、毎日のように電話をしたり、変な顔を交換したりしたのを今でも覚えている。
彼のバンドはしばらくして解散してしまった。聞けば新しいバンドをやるとのこと。きっといいバンドになるだろうと私は言った。しばらくして音源を聴かせてもらうと、とんでもなくいいバンドであった。
そこから時は流れて、彼らはどんどん素敵なバンドになっていった。僕も社会人になり、忙しくもなっていった。彼も忙しいだろうと、電話することもなくなった。彼は、本当に誇らしくて、たまにライブを見にいった時に会うくらいだが、変わらない笑顔で接してくれるナイスガイである。
電話番号公開して良かったなとしみじみ思い出すのであった。