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【家事問屋のある暮らし vol.1】昭和の平屋でこつこつと。職人魂を受け継ぎながら、暮らしをつくる人

設計から素材選び、つくり手による加工や仕上げまで、さまざまな思いと技術を込めてつくられる家事問屋の製品。しかし、製品としての完成はゴールではありません。ほんとうの始まりは「使い手」に渡ってからです。
この読みものでは、家事問屋を暮らしに取り入れている方々に、アイテムを選んだ理由や使い勝手をうかがいます。家事問屋の製品は、暮らしのなかでどのように活躍しているのでしょうか。


古い家に似合う、シンプルで昔ながらの台所道具

ホーローの収納扉に昔ながらのステンレスシンク、水屋箪笥と呼ばれる古い食器棚。昭和風情の懐かしい景色のなかに、質実剛健なキッチン道具が並んだキッチン。そこには家事問屋の台所道具もたくさんありました。

今回の使い手は、この家に暮らすsetsukoさん。お子さんはすでに独立し、いまは夫婦ふたり暮らしです。

「昭和時代に建てられた平屋に、2年前に引っ越してきました。もともと古いものが好きで集めていましたが、ここは昔よく遊びに行った祖母の家に雰囲気が似ていて、なんだか落ち着きます。なかでもキッチンは、いちばんのお気に入りの場所です」

古い家は、それだけ長く大切に住み継がれてきた証。同じように、setsukoさんは家具や雑貨はもちろん、台所道具も、古くから使われてきた形や、長く使える昔ながらの素材感を大切にしているそうです。

「いまは安くてかわいいものが、気軽に買える時代。でも、きちんとつくられたステンレスの道具は、何年、何十年と使えたりもするんですよ。だから家事問屋のアイテムに出会ったときは、まさにこういう品を探していた!という気持ちで、わくわくしました」

整理整頓が苦手な娘さんのために、ひとりで調理や片付けができる環境を整えたことが、見せる収納のはじまり。いまでは「お気に入りの道具」を眺められる大好きなコーナーに

「パンチングあくとりに、じょうご、マッシャー、いろいろありますね。どれも使いやすくて、見た目もシンプル。だから毎日、使うほどに『あぁ、やっぱりいいなぁ』と実感します。そうやって、自然と少しずつ増えてきたんでしょうね。

家事問屋の道具は、むだのないすっきりとしたデザインで、見せる収納にもぴったり。ものの居場所が一目瞭然なので、夫もキッチンに立つことが増えました」

適度な重さが使い勝手の良さ。だし巻き卵を支える「下ごしらえボウル」

「初めて使ったのが、『下ごしらえボウル13』。ステンレス素材のシンプルなデザインの良さだけでなく、実際に手に取ってみると、厚みもしっかりしていて手になじみやすいなというのが第一印象です。適度に重さがあると、安定感があってかき混ぜる作業もしやすいんですね。注ぎ口があるのも便利だし、卵液のキレもいい。毎朝、夫のお弁当に入れるだし巻き卵を焼くときに欠かせない道具になっています」

目立たないから使いやすい「スポンジ置き」

「『スポンジ置き』は、隠れた名品だと思っています。小さいし目立たないですが、まさに縁の下の力持ち。うちでは食器洗い用とシンク洗い用、2個並べて使っています。シンプルな形で邪魔にならず、水切れもいい。使いたいときにサッと出し入れができて、なんて機能的なんだろうと使うたびに感じています」

「古いキッチンは味わいがあって大好きですが、便利な収納や機能がありません。最近のシステムキッチンだと、スポンジや洗剤の置き場があることも多いですよね。だから、このスポンジ置きを見つけたときはうれしかったです」

家事をスムーズに、スマートに助ける「フライパンカバー」

毎日活躍するといえば、フライパンカバーも出番が多いアイテムです。油はねしやすいときにパッと蓋をしたり、作ったあと家族の帰宅までちょっと置いておいたり。炒めたあと、蒸し焼きにしたいときにも便利です。

「幅広いサイズのフライパンや鍋に使えるし、ガラスで中身が見えるのも便利。蓋が立つところも、調理中の人の気持ちをわかってくれているなぁとうれしくなります」

このフライパンカバーは、持ち手部分がワイヤー状のすっきりとしたデザインであることも、家事問屋がこだわった大きなポイントです。

「洗いやすいし、フックで引っ掛けられるのもいいですよね。フライパンや鍋の蓋は、意外と置き場に困るうえに洗うのが面倒。これに変えてからはいつでも手の届くところに置いて、気軽にサッと使えるようになりました」

両親や夫から学んだ職人魂が、ものえらびの軸に

家事問屋の道具はどれも、新潟の燕三条で職人の手により生まれています。setsukoさんが、なにより共感したのは、その背景でした。

「わたしの父は、ミシンを踏んでものづくりをする職人でした。母は美容師。どちらも、自分の手でなにかを生み出す人だったんですね。子どものころは、家に帰ると父も母も仕事をしていて、その周囲で働く大人たちがよく立ち寄っていたのを覚えています。手仕事の温かさや、お客様のことをとことん考える姿、真面目にコツコツものづくりをする職人魂のようなものを間近に見て育ちました。

そしていま、夫も食の世界で職人として働く人。だからこそ、職人が心を込めてつくる家事問屋の道具に惹かれたのだと思います」

ごはんをつくり、食べて、働いて、生きていく。その毎日を支える道具が、自分の目と手をしっかり使って選んだ信頼できるものならば、どんなに頼もしいことでしょう。

「お気に入りの道具があると、とにかく毎日が楽しくなります。いまはキッチンに立つことがいちばんの楽しみなんです。あの道具を使ってどんなお料理をしようかな、こんな道具を取り入れてみたらもっと便利かな、と毎日わくわくしています。

日常って、小さな積み重ねで良くなっていきますよね。わたしは豪華なアクセサリーを手に入れるより、日々の暮らしが充実していればそれでしあわせ。そういう気持ちを、まわりにも伝えていけたらいいですね」

setsukoさん
築40年近い、昭和時代に建てられた平屋に夫と暮らす。家業を手伝いながら、料理やインテリアといった暮らしの小さな楽しみを Instagramで発信している。アカウントは@secchan528

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