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【今週聞いたこと】被害者をどうこう言う前に、なぜ、まずお互い節度を持って接するべき、ということを言えないのか?

厳密に言うと今週聞いたことではないけれど、今週書きたかったっということで。
先週書いたデンマークのTVドキュメンタリー番組に続いて、またテレビ番組の話。

上記の記事のTVドキュメンタリー番組と同様に話題になったデンマークのドキュメンタリー番組(別テレビ局作製)「Sexisme i musikbranchen」(直訳すると、「音楽業界での性差別」)。

今のところ、2話出ていて、最初の1話しか見ていないのだけれど、要するに、音楽業界では女性が性搾取されているという話。音楽業界に疎い私でも、想像するのが容易な内容の話。
女性というだけで(注:全員ではない)、
・まず容姿が重要(若くて、綺麗で、性的に魅力的な衣装・演出を無理にさせられる)
・本人が納得しないことでも、「はい」と言わざるを得ない
・性的で不快なコメントを言われても非難できない
・性的関係を強要される、など。
この背景としてまず、音楽業界で、仕事の判断を担うポジションの人達が圧倒的に男性であること。被害に遭う多くが若く、また業界にコネもない駆け出しの女性も。つまり、権力を持った年上の男性と権力も社会経験も殆どない(セクハラジジイのかわし方を知らない)若い女性という、不均衡な中で、男性は性搾取をしやすく、女性は拒否しづらい、ということが起こりやすい。

驚きの内容ではなかった。残念ながら、まだまだ、こういう風潮は世界中どこでも続いているから。

でも私が本当に驚いたのは、私の上司と同僚の発言。

職場のランチ時にこの番組の話になり、女性の同僚が、この番組に顔出しで出演した女性ミュージシャン達と同様に、もう2024年のこの時代に、こういう行為は許されない、と言った。そしたら、男性の同僚が、「いやいや、これは「NO」と言わない女性の問題。「NO」と言わない選択をしたのは女性なんだから、その選択をした女性の責任。」と言い放ち、上司(男性)は、「(こういうテレビやニュースで性搾取を訴える)女性は何でもかんでも過剰反応しすぎ。」と一笑。

呆れた。

本当に呆れた。

数年前に、デンマークのテレビタレントの女性が、昔彼女が駆け出しの頃に、大物タレントに性的関係を強要されたと告白し(女性は断ったが)、当時アメリカで始まったME TOOの流れに乗って、国内で大きなブームになった。そのとき、世間では、「性搾取・性差別はいけないもの」という風潮になったものの、どこかの学者が、「表向きは皆んなそう言うけど、実際に性搾取や差別がすぐ無くなる・改善するかと言ったら、そうはならない。それは、人間はそんなに短期間には変わらないからだ。」と言っていた。

ホント、それ。人間は、社会は、そんなに短期間に変わらない。

被害に遭ったと主張している女性たちに対して、他人が色々思うことはあるだろう。なぜ「NO」と言わなかったのか、など。

でも、まず、まず、なぜその男性が性的関係を強要したのかを問うべきでは?職場で不適切な性的発言を行うことは全く問題ないと、なぜ男性が思っていいのか?

いじめと同じで、なぜまず被害者を問いただそうとするのか?何を持っても、まずいじめをすること自体が問われることではないのか?
「お前、最悪ブスだよな。」と誰かが誰かに言って、言われた側が怒ったら、言った側が「過剰反応だ。気にしすぎ。」と一笑し、その後周りの友達に、その子が「過剰反応して喚き立てるヤツ」と吹聴して一緒に笑い者にする。
なぜそう言われたのか、言われた側がどういう反応をしたのか、これらが問われるよりもまず、人として言って良いことと悪いことの区別くらいつけなよ、という話では?そして、言って悪いことは言うな、という話では?

どこまでが不適切な発言・行動なのか、どこで誰に対して言うのか、も含めて、グレーゾーンなのも沢山あるだろうが、まず、「お互いに思いやって接する」ことを心に留めてコミュニケーションする世の中、になるように、繰り返し言い合う社会であってほしいと思う。
「ただの冗談だった」や「よくあるアホなオッサンが若い子にセクハラして気持ち悪」で済ますのではなく、みんなが「be nice to each other」であるべき。
所詮はキレイ事なんだろうけど、それでも、繰り返しreminderする社会であってほしい。

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