悲しみも苦しみも喜びも共に分かち合える仲間と出会い彼女はより逞しく､より強くなった

2023年3月20日 瑞原明奈はまだ誰も見ぬ航海へと出航する。

何度辛酸をなめ泥にまみれようとも､そこからどう這い上がるのかが人間力｡彼女はいくつもの試練を乗り越え今日の舞台に立てる権利を自らの力で勝ち取った。

2年連続でMVP獲得に手が届く位置にいるなんて､それだけで嬉しくなるよね。戦いの大海原へは1人で降り立つけど後ろには心強い仲間や大勢のクルーが居る。

目一杯わがままに自由に思う存分に駆け抜けろ！

鮮烈なデビュー2連勝から始まった彼女のＭリーグ､加入初年度は優勝というチームとしては最高の結果で終えたものの皆に連れてきてもらった感や彼女個人にとっては最悪の出来事もあったりと喜びも苦しみも経験したよね。ファイナルでは全員がトップを取りアサピンの大三元があり､最終日のキングの完璧なゲームメイク､最終戦の船長の頼もしさ､今でもすぐに思い出せるシーンがたくさんある。

優勝から一転､翌年は大事な局面の終盤で自らも出たい､チームの力になりたいと思える様になり実際に起用もされたけど不完全燃焼のままセミファイナルにすら残れず終戦。昨シーズンは入替えのレギュレーションが適用されるチームとして望まなければならなくなりましたね。選手はさほど気にしていなかったらしいが木下監督は拘っていたというレギュラーシーズンを1位で通過するもセミファイナルで敗退､その結果2人が契約終了。個人MVPは獲得したけどまたもや喜びだけとはいかず悲しみも味わってしまいましたね。

2022-23シーズン新たに鈴木優､仲林圭という仲間を加え新生パイレーツは発進､この2人雀力はもちろん申し分ないけどメンタル面も頼もしいよね。

言わずと知れたパイレーツの大看板であり支えでもある船長の小林剛。先日剛さんが会場入りが少し遅れると連絡したら､オレがオレがと返ってきたとツイートで発信してたよね(笑)｡条件突破へ最終日の連闘であったり1日1剛など今まではここぞの場面では必ず船長という選択をしてきたパイレーツ､船長は常々「僕ではなくても誰が出ても変わらないとなって欲しい」と口にしてる。船長の人柄からしてこれは本心なんだろうと思うんだ。

UKコンビは今の所はマイナスしてるけど､こんなのほんの少しのツキだけなんで内容はそんなに心配してないよね､そこに加え最初はもちろんキャリアや実績などから4番手だと自覚しつつも皆に頼るばかりでなく自分もチームの力になりたいと努力と研鑽を重ね､MVPを獲得するまでになった今やすっかり頼れる裏船長。
例えばファイナル最終戦に船長でなくても4人の誰が出てもいいなんて選択肢も取れる様な形になったら､それこそがチーム力であり､シン・パイレーツの完成なのではないでしょうか。

好調者や強いと思っている選手を回数多く出場させるのはチーム戦略としてはもちろんアリだとは思う。思うけど､例えば1人の選手をレギュラー45戦ファイナル6〜7連闘なんて極端な事で優勝とかしても嬉しいものなの？それはチームとしての優勝として誇れるものになるのかねなんて自分は考えてしまうタイプ。だから道中では色々とあってもファイナルで各自がトップを取って貢献できた2年目のパイレーツの優勝には価値があると思ってる。

先日初の連闘をした明奈さんは「楽しかった」と言っていたね、俺はドネア1の井上尚弥をすぐに思い浮かべた。アクシデントがあり初めてグラつくシーンなどもあって判定まで持つれ込んだのにモンスターは試合後に開口一番､楽しかったぁと言ったらしい。大谷翔平もそうだけど彼らからは競技を楽しんでいる､心底好きなんだろうな感が十分に伝わってくるよね､だからこそ人はより応援したくなるのかもしれない。

もちろん明奈さんからも麻雀が好きで好きで堪らないのは十分に伝わる｡「好きこそものの上手なれ」
その心があるから彼女は競技麻雀プロとして小林剛の矜持､石橋伸洋の誇り､朝倉康心の知識それらをスポンジの如く吸収でき昨シーズンのMVP獲得へと繋がったのではないだろうか。

本当の雀力なんて1000回以上打たないと分からないからたかが20数戦のMVPの価値なんて､運が､風が…etc
この類のことを言う人間なんてのはいつでも現れる。

貴方が勝つ事で喜ぶ人がたくさんいる。
貴方が笑顔で好きな麻雀を楽しんでいるのが自分の事の様に嬉しいと思える､そんな人達の願いや声の方がより大きな力となり後押しになれたら良いですね。

鈴木優の魂と仲林圭の想いも新たに乗せ､今は解説としても頑張っている2人に「朝倉さん､私は強くなれましたか｡石橋さん､私は2人の意志を繋げていますか」そんな気持ちを胸に秘め､誰も成し遂げていない2年連続MVPを今日は解説席に居るあの人の目の前で瑞原明奈とU-NEXT Piratesのレガシーへと刻もう。

Ｍリーグではあまり使わないのだけど､女流リーグやタイトル戦などでは明奈さん向けへの自分のツイートを「行ってらっしゃい」で締める様にしている｡日常で毎日の様に使われているであろう何気ないこの言葉には「無事に帰って来てね」って意味合いも込められているんですよね。普通に頑張れの気持ちも含めて送り出す意味で使っているのと同時に無事に帰って来てほしい(麻雀的に言えば負けたり酷い放銃が起こりません様に🙏)という願いも込めていつも使っているんです。

今日はいつもより万感の思いを込めて…

行ってらっしゃい明奈ちゃん！